Tiger LakeやIris XeグラフィックスでPCゲーマーの裾野を広げるインテルの新たな挑戦―その狙いと今後の展望をキーマンに訊く | GameBusiness.jp

Tiger LakeやIris XeグラフィックスでPCゲーマーの裾野を広げるインテルの新たな挑戦―その狙いと今後の展望をキーマンに訊く

Tiger Lakeの発売だけでなく、「Iris Xe」「Iris Xe Max」の発表・リリースなど2020年は新たな動きも多かったインテル。改めて2020年の動きを解説してもらい、気になる次期デスクトップ向けCPUやe-Sportsの取り組みについても伺いました。

企業動向 戦略
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インテルのノートPC向け最新CPUである第11世代Coreプロセッサー、Tiger Lake。今年の秋から登場したこのCPUではゲームプレイにおいて重要となるシングルコアの性能と周波数が向上したほか、「Iris Xe」と呼ばれる従来よりはるかに高性能な内蔵グラフィックスエンジンを搭載しており、ノートPCでのゲームプレイに更なる進化をもたらすCPUと言えるでしょう。また、「Iris Xe Max」というノートPC向けの外付けグラフィックスも発表するなど、新たな動きも加速しています。


Game*Spark編集部では、今後の動向を深掘りすべくインテル株式会社 技術本部 部長で工学博士の安生健一朗氏へのインタビューを実施。現代におけるインテル製CPUの強みや、インテルの見据える先などをうかがいました。ハードコアゲーマー諸氏も気になるであろうデスクトップ向けの11世代CoreプロセッサーRocket Lakeについても少しだけ情報を得ることができましたのであわせてお届けします。





――Tiger Lake製品がリリースされましたが、改めて製品の特徴の説明をお願いします。


安生健一朗氏(以下、敬称略)まず、第11世代のCoreプロセッサーについてですが、前世代の10nmプロセッサーのIce Lakeから大幅にアーキテクチャおよびプロセスを更新しました。CPUアーキテクチャはSunny CoveからWillow Coveに変わり、CPUのアーキテクチャそのものでIPC(Instructions Per Cycle、CPUの1サイクルあたりの処理できる命令数)を改善しています。


さらにIce Lakeで使用されていた10nmプロセスから進化した「10nm Superfin Technology」を採用することで、性能を大幅に向上しました。アーキテクチャとプロセスを刷新し、周波数も最高4.8GHzまで上がっています。



グラフィックスは前世代がGen 11というIris Plusグラフィックスでしたが、性能比が約2倍程度向上したIris Xeという内蔵グラフィックスを搭載しています。今までインテルのグラフィックスは内蔵であってもロゴを併記することはほとんどなかったのですが、今回はCore i5以上でデュアルチャネルメモリ8GB以上を条件に、ロゴを多くの機種で掲示していただいています。その他にもAIの機能を拡充しており、グラフィックスだけでなくAI用途としてもご利用いただけるようになっています。


また、外付けグラフィックスのIris Xe MaxはIris Xeの周波数を高め、4GBの専用グラフィックスメモリを搭載しています。なお、搭載機種数としてはIris Xeの方が圧倒的に多くなっております。広くユーザーに外付けグラフィックス製品をお楽しみいただくのは次の製品になってしまうかもしれませんが、インテルとしては、Iris Xe Maxによって外付けグラフィックスを作れるという技術的な実証ができたと考えています。



今まで、重さもしくはバッテリー駆動時間のいずれかを犠牲にし、真のモビリティを兼ね備えたゲームができるPCはなかったと思いますが、第11世代CoreプロセッサーのIris Xeによって初めてそれが実現できるようになりました。例えばデスクトップPCでゲームをされている方でも、学校や仕事などで外に出なければならない時など、もちろんデスクトップでゲームするよりも性能は落ちてしまいますが、外でも同じSteamアカウントを使ってゲームプレイが気軽にできるようになります。そういった面の体験が圧倒的に改善されたと思いますし、場所を選ばずに仕事や勉強、ゲームができるようになってきています。


――今回の目玉とも言える、Intel Deep Linkテクノロジーについても解説していただけますか。


安生Intel Deep Linkテクノロジーは、外付けグラフィックスであるIntel Iris Xe Maxグラフィックスが搭載されたPCで、内蔵のIris Xeと外付けのIris Xe Maxの両方をシステム内で最大利用するための技術の総称です。例えばインテル製のCPUとサードパーティー製のGPUを併用している場合、内蔵のGPUをほぼ使用していないわけです。使っていないのはリソースとしてもったいないということと、インテルとしてはCPU・内蔵グラフィックス・外付けグラフィックスの3つの大きなリソースを使って最大パフォーマンスを引き出すことでユーザーに大きなメリットが提供できると考えており、Intel Deep Linkテクノロジーを開発しました。




ダイナミックパワーシェアは、外付けグラフィックスを搭載したPCで、Iris Xe Maxでは熱設計電力を柔軟にCPU/GPU間で割り当てることで、他社製グラフィックスを搭載する場合に比べて、CPUやグラフィックスの性能を最大限に引き出すことができるテクノロジーです。いままで他社製外付けグラフィックスをインテルのCPUと組み合わせたノートPCだと、システムの熱設計電力を固定的に、たとえばCPUに15W、GPUに20Wという感じで割り当てなければならず、CPUはその値以上で動作できませんでした。ですがダイナミックパワーシェアによって、今の例だと35WをすべてCPU、もしくはすべてGPUに割り当てられるようになりました。これは、インテルがCPUも外付けグラフィックスも両方開発するからこそ実現できるテクノロジーです。


次にハイパーエンコードについてですが、実は今までのインテルの内蔵グラフィックスにもハードウェアで動画編集(エンコード処理)を高速に処理するQuick Sync Videoと呼ばれるテクノロジーがありました。第11世代ではこのエンコーダーが2基に増えており、さらにそれらを一つの動画エンコードの際に同時に使用できます。Iris Xe Maxにもさらに2基搭載していますので、合計4基を一つの動画編集時に使用できるようになり、大幅に処理が高速化します。


またアディティブAIは、Iris Xe/Iris Xe Maxのグラフィックスを96が2本で合計192EU(エグゼキューションユニット)全てをAIのエンジンとして使用できます。



――つまり、インテルは1点集中というようなわけではなく、トータルパッケージの最適化を念頭に置いて開発が進んでいるということでしょうか。


安生そうですね。インテルとしては、せっかく外付けグラフィックス製品を開発するのであれば、インテルにしかできない、インテルだからこそできる製品を開発したいと考えました。それが先程お話したようなテクノロジーを利用して、様々な面で高速に動作する製品をご提供するという形になっています。考え方としては、インテルのCPUとGPUで管理されるリソースをうまく統一して管理することで、システムとして性能を最大化できるようなプラットフォームを作っていくということです。


――最近ではゲームタイトルのサポートプログラムも実施されていますね。


安生はい。「インテル Iris Xe グラフィックス検証サポート・プログラム」というもので、ゲーミングPCではない普通の薄型軽量ノートPCでゲームはできないという一般的なユーザーさんの認識を、どのようにしたら変えてもらえるのかと考えて立ち上げたプログラムです。技術的な検証とプロモーション活動が一体化した取り組みとなっています。


ゲームメーカー様と弊社の間で、タイトルの最適化をインテルのエンジニアが支援しており、こういった活動は以前から行っていましたが、よりエントリーレベルの体験に対しての最適化をここ1~2年ほど進めてきました。ゲームメーカー様もゲーミングPCではない汎用PCで、どういう性能を期待するかを協議しながら、性能が満たされたものをインテルのプラットフォーム、例えば第11世代Coreプロセッサーに認証していただきます。


さらに、ゲームメーカー様が期待した性能を実際のPCで引き出せているかといった点を、インテルジャパンとPCメーカー様と共同で性能検証を行い、確認が取れたものをゲームタイトルごとに認証するという形式を取っています。例えば、あるPCメーカーの製品Aは、ゲームタイトル○○の認証済み、という形で、ゲームメーカー様とPCメーカー様と共同で販促活動を行っていただきます。



――リストを見ると、かなりスペックが要求されるようなタイトルも含まれていますね。


安生あくまでも「ゲーミングPCではない薄型軽量のノートパソコンで気軽にゲームを楽しんでいただく」という目的で認証タイトルを設定しているので、デスクトップPCでプレイするときのような高画質で高精細なグラフィックスが楽しめるという基準ではありません。ゲームタイトルごとにそれぞれ認証する設定も異なっており、いずれも気軽にプレイを楽しんでいただける基準ですが、より高い性能を求めるユーザーさんにはゲーミングPCでのプレイをお勧めしています。



我々が一番触っていただきたいのは、PCでゲームをやれると知らなかったユーザーさんや、しばらくゲームをやっていなかったけどちょっとやってみたいと思っている方です。元々ゲーミングPCを所有されているユーザーさんは既に楽しまれているので、2台目として外出先でのゲームプレイ用に購入していただくという方法もありますが、久しぶりにゲームに復帰しようというような方に、いかに知っていただけるかも意識しています。「このゲーム、やれるんだったらちょっとやってみようか」というようなユーザーさんが新たにPCでゲームを始められ、より多くのユーザーさんにPCでのゲームプレイの楽しさを知っていただきたいということがインテル、パソコンメーカー、ゲームメーカーの思いです。


――次世代デスクトップ向けCPUのRocket Lakeについてもお話いただけますか。


安生まだ正式に発表されているわけではないので詳細をお話することはできませんが、Rocket LakeではCPUのアーキテクチャが新しくなるため、IPCが向上します。


さらにグラフィックスはXeのアーキテクチャを踏襲して、UHDグラフィックスのブランドを強化する形で搭載します。PCI-Express 4.0が20レーン、より有効なオーバークロック機能の搭載やディープラーニング、AI機能の拡張、USB 3.2のGen 2x2(20G)のプロトコルも内蔵で対応します。


――話は変わりますが、e-Sportsでインテルの名前を冠しているものの代表としてIntel Extreme Mastersがありますが、APAC地域や日本国内でもe-Sportsの支援を行っていく予定はあるのでしょうか。


安生来年に関しては、延期になってしまいましたが、オリンピックに合わせて開催する予定のIntel World Openがあります。Intel Extreme Mastersもインテルが主催しているわけではなく、かなり深く関わっているスポンサーシップになります。Intel World Openはインテルが主催としてやっていますが、かなり大きなものになると思いますので、期待していただければと思います。



かつてインテルがIntel Extreme Mastersを始めた頃10年以上前と比べれば、今はどんどん広がっていくというフェーズに入っているので、インテルが主導で大会を開催しなければならないという状況にはないと考えています。それよりもきっちりとe-Sportsをやりたいパートナーさんだったり企業さんをしっかりと後ろからサポートさせていただいて、一緒に盛り上げていくことを重視しています。


――土壌が出来上がったということでしょうか。


安生そうですね。Intel Extreme Mastersは本来の目的をだいぶ遂げて習熟したものになっていると思います。


――なるほど。これからの動きにも期待ですね。最後に読者へのメッセージをお願いします。


安生インテルとしてはPCでゲームをプレイしたいユーザーさんの気持ちに応えられるように、ハイエンドからエントリーレベルまでしっかりとラインナップを揃えつつ、皆様が楽しめるようなバンドルキャンペーンもたくさん用意して、最新のプラットフォームで最高の体験を実現できることを目指しています。


また、パソコンでゲームプレイする楽しさというのは、ゲームをしながら配信したり、ユーザー同士でチャットしたり、プレイ動画を見て参考にしながらプレイしたりと、多岐にわたりますので、そういった様々な楽しみ方もどんどん体感していってほしいなと考えています。最初は仕事や学業兼用のパソコンでゲームを始めて、よりハイエンドなグラフィックスを楽しみ、その次に配信を行って自分のプレイを磨いてシェアしていこうというように、ユーザーさんが新しいことにチャレンジすることを最新の製品や様々なキャンペーンなどを通じてサポートしていきたいと思っています。





これまでノートPCでのゲームプレイでは、スペック不足によるカクつきや描画力不足による低画質、そもそもまともに起動できないといった問題が散見されていました。しかしTiger Lakeの登場によって、ノートPCでも充分に満足いくプレイ環境が容易に整えられるようになるでしょう。


また、ゲームの動作を認証する「Intel Iris Xe グラフィックス検証サポート・プログラム」など、普段PCでゲームを楽しむ層だけでなく、はじめてPCゲームに触れる層をサポートする取り組みも始まっています。こうした裾野を広げる取り組みはもちろん、Game*Spark読者も注目しているであろうデスクトップ向け11世代CoreプロセッサのRocket LakeにおいてもCPU性能の強化はもちろん、Xeアーキテクチャを踏襲し更なるグラフィックスの強化が図られるとのこと。インタビュー中にコアゲーマー向けの展開にも2021年以降もぜひ期待してほしいという力強い言葉もありました。


既にPCでゲームをしている方は今後の動向に期待しつつ、これまでゲーミングPCに興味があったけどなんとなく踏み出せなかったという方も、インテル製CPUのTiger Lake搭載PCで、新たなゲーム生活に踏み出してはいかがでしょうか。


「Intel Iris Xe グラフィックス検証サポート・プログラム」検証ゲーム一覧はこちら

《kuma@Game*Spark》

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