ShurikenとSpriteStudioを繋ぐ内製ツール!?『社長、バトルの時間です!』でのSpriteStudio採用事例 | GameBusiness.jp

ShurikenとSpriteStudioを繋ぐ内製ツール!?『社長、バトルの時間です!』でのSpriteStudio採用事例

プリアップパートナーズ開発の『社長、バトルの時間です!』におけるSpriteStudio採用事例に関するインタビューです。

ゲーム開発 ミドルウェア
ShurikenとSpriteStudioを繋ぐ内製ツール!?『社長、バトルの時間です!』でのSpriteStudio採用事例
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『――あなたのこと社長に向いてると思っていたの!』

という唐突な告白(?)から始まるダンジョン攻略会社経営シミュレーションRPGが、スマートフォン向けゲーム『社長、バトルの時間です!』(以下、『シャチバト』)。社員を採用、つまりリクルーティングしながら、無限ダンジョンに送り込んでダンジョンを攻略していくという、ユニークなコンセプトが面白い新作タイトルです。


さて今回は、その『シャチバト』の開発を担当されているプリアップパートナーズさんに、本作でのOPTPiX SpriteStudio(以下、SpriteStudio)の活用シーンと、“意外な”内製ツールのお話を聞きました。

『シャチバト』は、冒険者となる社員たちの“提案を承認”あるいは指示することでダンジョンを攻略する3Dモード「無限ダンジョン」。そして、社員を採用したり育成したりする2Dで表現される、キャラクター同士の掛け合いが楽しい「リクルートモード」の2つの要素を持ったシミュレーションRPGです。

インタビュー前、筆者は主に後者でSpriteStudioが使われているんだろうな、と想像していたのですが……。

インタビュイー(3名)

株式会社プリアップパートナーズ 渡邉秀教氏(以下、敬称略)。
アートディレクション担当

株式会社プリアップパートナーズ 中村優希氏(以下、敬称略)。
アニメーション全体のディレクションを担当

株式会社プリアップパートナーズ 西尾竜太郎氏(以下、敬称略)。
アニメーション担当。今回は本作に携わる同社アニメータの代表として登場

SpriteStudioの経験値が高いメンバーが多い、プリアップパートナーズ


──『シャチバト!』開発にかかった期間と、SpriteStudioを採用した理由をお伺いできますか?

渡邉本作の開発には3年ほどかかっているのですが、開発当初から、2DのアニメーションにはSpriteStudioを採用することが決まっていました。Unityですと、既存のアセットなど選択肢があるんですが、プリアップパートナーズにはSpriteStudioの経験値が高いメンバーが多いんです。

中村そうなると、Unityの既存のアセットを使うよりは、SpriteStudioが使えるメンバーの技量を出し切るほうが良いと考えまして、本作では各所でSpriteStudioを活用しています。

リクルートモードで発生する、NPCとのコミュニケーションからドキドキの告白シーン

中村例えばこのシーン。キャラクターの表情は、イラストレータさんにいくつかのパターンを用意してもらって、表情変化の中間はSpriteStudioで補間しています。

──リクルートモードの中で頻繁に発生する、膨大な数のNPCとのコミュニケーション。必要なすべてのモーションを用意するのではなく、キャラクターの感情は表情の変更と、オノマトペ*やエフェクトで表現されています。これらすべてにSpriteStudioが活用されていますね。
(筆者注:「オノマトペ」とは、擬音語や擬態語のこと。某海賊漫画で見られる「ドン!」などはその一例です)

主人公の立ち絵ひとつに対して表情をふんだんに用意



告白シーンを斜め上から。表情豊かなキャラクターをUnityのシーン上に配置。
ゲーム内ではこのアングルは見られないので、本稿が初公開

──リクルートモードだけでなく、シミュレーションRPGの醍醐味でもある育成モードにも、SpriteStudioが使われていますね。


訓練成功!
表示される演出もSpriteStudio製。半分だけ用意して反転利用しているセルマップにも注目。
コンシューマ経験が長い会社にとっては、ごく自然なテクニックだ

──SpriteStudioの利用シーンは、やはり2Dが多いのでしょうか?

中村いいえ、3DのダンジョンモードでもSpriteStudioを使っています。

3Dと2Dの融合は、プリアップパートナーズらしさ



戦闘シーンの演出。どう見ても3Dだが、手前の光柱は2D

中村ご想像の通り、3Dのエフェクト制作には、UnityのShurikenを使用しています。最初にShurikenで制作しておいて、演出としてもう一声、となった時にSpriteStudioで味付けをするというのが主な手順です。

西尾例えば、このアニメーションでは、Shrukenで制作した3Dエフェクトの外周に、SpriteStudioでアニメーションする2Dの「フチ」エフェクトを重ねています。

中村このデータの場合は、SpriteStudioのアニメーションをビルボードに貼り付けて3Dエフェクトに重ね合わせています。外周の“ゆらぎ”を表現したかったんです。このあたりの3Dと2Dの融合は、“プリアップパートナーズらしさ“だと思っています。

──Shurikenだけでは満足せず、SpriteStudioで更に完成度を高めるアイデアには脱帽です。ところで、そのツールは一体なんでしょうか?

西尾これは、プリアップパートナーズの内製ツール「MountainViewer」です。

「Mountain Viewer」とは!?



中村MountainViewerは、Unityを使って開発したツールです。カメラの操作をしながら、エフェクトやアニメーションを切り替え、実際のUnityのシーン上ではどのように見えるのかをプレビューできるようになっています。

西尾このツールを実際に使うのは、演出担当メンバーです。このツールの上で、アニメーションのカラーブレンドアトリビュートの変更や、再生・停止等の編集ができるので、このツールはスクリプトエディタとしての役割も担っています。Unityエフェクトをインポート後、ビューワに書き出して演出班に配布するというフローです。



渡邉このツールは、「SpriteStudioで制作したデータのスクリプトをかんたんに編集できるように」という狙いがあります。そのため、MountainViewerは、余計なUIは削ぎ落として、なるべく簡単であることを意識しています。

──小さな狙いに絞ることで簡略化したUIは、多機能なSpriteStudioでは実現が難しそうですね。何より、ShurikenのエフェクトとSpriteStudioのアニメーション、その両方を閲覧しながらエディットもできる内製ツールというのは聞いたことがありません。業務効率化の為に、内製ツールを開発されたのでしょうか?

渡邉効率化というより、このMountain Viewerを通じて、SpriteStudioだけでなくエフェクト全体に目を向けてもらいたい、というのが大目的です。人が作ったデータの色を変えたり形を変えたりすることで、面白さをまず感じてほしい。そう考えています。

エフェクトデザイナー育成の糸口になるツール


──SpriteStudio使いを育てるだけでなく、エフェクトデザイナーを育てるための内製ツールなのですね。ところで、なぜ「Mountain」Viewerなのでしょうか。

中村開発が“山場”の時に出来たからだったかと……。

西尾そうでしたっけ?

渡邉ディレクターの山本から取ったんじゃなかったかな?

中村そうでしたっけ?

──ほ、本日はありがとうございました!


2Dの「リクルートモード」と3Dの「無限ダンジョン」、育成と探索の面白さに加えてこだわりの演出とエフェクトが楽しめる、ダンジョン攻略会社経営シミュレーションRPG『社長、バトルの時間です!』。プリアップパートナーズさんの数々のテクニックを、ご自身の目でご確認ください!



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《烏丸》

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