Live2Dで制作されたショートアニメ「Beyond Creation」がわからないので作った人に訊きました!「これ、どうやって作ったんですか!?」 | GameBusiness.jp

Live2Dで制作されたショートアニメ「Beyond Creation」がわからないので作った人に訊きました!「これ、どうやって作ったんですか!?」

Live2Dで制作されたショートアニメ「Beyond Creation」がスゴイ…!これって本当にLive2Dで作られてるんですか?

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Live2Dで制作されたショートアニメ「Beyond Creation」がわからないので作った人に訊きました!「これ、どうやって作ったんですか!?」
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突然ですが、まずは上のアニメを観てください。これ、どうやって作られていると思いますか?手描きでしょうか。それとも3DCG?

答えは「Live2D」です。「Live2D」といえば、イラストをイラストのまま、活き活きと動かすことができるという技術であり、株式会社Live2Dが提供しています。ゲームやVTuber周りで多く使われているので、おそらく皆さんも、一度は何かで見たことがあるはずです。

その「Live2D」を使用したショートアニメとして、2月16日に行われた「Live2D Designer's Day」でお披露目されたのが、上記の「Beyond Creation」になります。昨年4月に株式会社アニプレックスと業務提携を結び、長編アニメーション映画の制作を発表したLive2D社(詳細はこちらのインタビューをご覧ください)。今回のアニメは、映画制作への大きな一歩となるはずです。

それにしても、今まで目にしてきた立ち絵がヌルヌル動くLive2Dとはもはや次元が違う今回のアニメ。なんかもう、わからなくないですか!?いや、スゴイのはわかるんですけど、カメラアングルとか動きすぎて「本当にLive2Dなんですか?またまた、ご冗談を」と言う感じです。

というわけで、縁あって「Live2D Designer's Day」に先駆けて本アニメを拝見させていただいた筆者は、同席していた「Live2D Creative Studio」の方々(本アニメの企画・制作を担当)に色々とお話を伺うことにしました。以下、インタビュー形式でお楽しみください。

――あの…率直な感想なのですが、「わからない、でもスゴイ!」です。Live2Dで作られてると言うのは理解しているのですが、普段見ているLive2Dとは違いすぎて、Live2Dとして認識できないというか…!とにかく、ものすごいです。

Live2D社デザイナー:ありがとうございます。嬉しいですね(笑)。まだまだ「Live2Dは立ち絵をちょっと動かすもの」というイメージが強いので、こういう事もできると示していきたいところです。

――まだ頭の整理ができていませんが、色々お伺いできればと思います。まず、今回のショートアニメーション「Beyond Creation」制作の目的はどこにあるのでしょう?

Live2D社デザイナー:「手描きアニメ的表現」をLive2Dで作ってみたら、どのような強みがあって、逆にどのような課題が出てくるのか、という研究の一環として作られています。

以前、「The Lamp Man」というショートアニメを作ったのですが、その時に、「長編アニメーション映画の制作に向けて実験すべきこと」というのがたくさん出てきたんです。例えば、きちんとした頭身の人間キャラを動かすとどうなるかとか、ボイスと口パクをしっかりあわせられるか、などですね。

そうやって試行錯誤しながら作っていると、アニメ映画制作にあたって、Live2Dのエディターにどのような機能が必要になってくるのかというのもわかってくるんですよね。実際に「Beyond Creation」制作過程で必要だと感じた機能はどんどん追加されています。

――今回は、どこまでをLive2D社で作られたのでしょうか?

Live2D社デザイナー:背景と音響周りを除き、シナリオもキャラクターもアニメーションもLive2D社で作りました。



――それは、驚きました。キャラクターも作られていたんですね。

Live2D社デザイナー:大きな目的としては先程お話したものになるのですが、「Live2D」のストレートな製品PV的なものを、公式で作ってみたかったという側面も少なからずあったんです。


なので、メインキャラクターには、「Live2D」のサンプルモデルとして長らく配布されている「イプシロン」という女の子をリデザインして採用しました。まさに「Live2D」という製品の象徴みたいな娘ですね。


そして、もうひとりのメインキャラクターである「ルイ」という少年は、イラストレーターさんを象徴するというイメージで、新規に作りあげました。そんな彼の元に、「Live2D」の象徴であるイプシロンが現れるというのは、「Live2D」があるともっと創造が拡がる・創造の先へ行ける、というのを意味しています。

――今回は、どのくらいの期間を費やして作られているのでしょうか。

Live2D社デザイナー:期間にすると5ヶ月ほどですが、企画などのプリプロからエディターの研究試作、提案などと並行して制作しておりましたので、純粋な制作の期間はもっと短くなります。


――普段のLive2D制作と特に違う部分などはあるのでしょうか。素人目で見ても、ぜんぜん違うなとは思うのですが。

Live2D社デザイナー:やはりカメラの動き、ですかね。普段ゲームに使われているようなLive2Dではあまり使われないものなので工夫が必要でした。例えば、アニメラストでルイが描いた鳥が飛び立つところ。アップからカメラが引いていく演出があるのですが、ここではアップと引きで絵を使い分けています。こういう演出ごとに工夫をこらしていくというのは、映像作品ならではなのかなと思います。

また、今回はコマ打ち・コマ飛ばしなど、手描きアニメの手法を踏襲している部分が多くなっていて、カメラもコマ飛ばしに合わせて切り替えられていたりしますし、Live2Dのヌルヌル感も敢えて削がれています。ここが、本当にLive2Dで作られているのかわからない、という感想につながっているのかと思いますね。チームに手描きアニメ経験者がいるのですが、その知識が存分に活かされています。



――逆に、通常のアニメ制作との違いはどのようなところになるのでしょう。

Live2D社デザイナー:見栄えの面でいうと、やはり「イラストがそのまま動いている」という部分になると思います。正面を向いた汎用キャラモデルを1体用意し、基本はそれを動かしながら、足りない角度を描き込んでいく、というやり方は、Live2Dならではですね。いわゆる「作画崩壊」というのも起こりづらく、省略されがちな部分―例えば小物や服の柄等―や塗りの個性がそのまま表現されるのも強みだと感じました。


撮影面も手描きアニメのフローで進めていましたが、セルにグラデーションなどを足してリッチにしていく手描きアニメに対し、Live2Dの場合、すでにできあがったイラストがあるので、どこまで足して良いのかわからない。というのはありましたね。ある意味、贅沢な悩みですが(笑)。

今回は手描きアニメの手法を踏襲したというのもありますが、Live2Dだから全く違う作り方、というわけではなかったので、非常に楽しかったですし、新鮮でした。一時期、「うちはアニメ会社だったっけ?」と思うようなこともありましたが(笑)。

――ちなみに、一般的なLive2Dユーザーがこのレベルのアニメーションをやるとして、現実的にできるものなのでしょうか。

Live2D社デザイナー:現状のエディターでもできないことはないです。が、まだまだ一般向けに落とし込めていない部分もあるので、相当大変かとは思います。実際、Live2D社でもチームで作っているものなので。ただ、将来的には、このレベルのものがLive2Dのスタンダードになり、アニメ制作において、手描き・3DCGに続く第3の選択肢となってほしいという想いがあります。

――手描きやCGと比べると作業量に差があったりするのでしょうか。

Live2D社デザイナー:Live2Dだから楽に作れるというよりも、「やりたい表現があるからLive2D」を選ぶ、そう思ってもらいたいですね。もちろん、楽に作れて最高の映像表現ができる、というのが最高なので、引き続き工程のショートカットや機能の追加ができないかと考えていますが。

少しアニメ制作とは違うのですが、「楽」という意味では一つ強みがあります。前述の通り、Live2Dによるアニメ制作では、汎用モデルというその名の通り汎用性の高い、様々なシーンで使えるものをまず用意します。このモデルって、アニメ意外にも色々な使い道があるんですよね。ちょっとしたPVを作ったり、ゲームのモデルとして使ったりとか。そういう意味では展開しやすいのかなと思います。

――他に、「細かいけどここも見てほしい!」というところはあったりしますか?



Live2D社デザイナー:ラストの鳥はとにかく情報量が多く、特にクリスタルの部分が見ごたえあると思います。手描きアニメでも、3DCGでもない光の表現を見てほしいですね。人間以外の動物でいうと、途中で出てくる魚などの海洋生物もLive2Dで動かしている、というところも見てもらいたいです。



それと、夕暮れの中イプシロンの髪がなびくシーンも見てほしいです。髪がなびくシーンって、見せ場として使われることも多いのですが、この密度感はなかなかよい表現にできたかなと。


あとは、手前で花が揺れているシーンがあるのですが、ここは背景として上がってきた素材をそのまま動かしています。普通の手描きアニメだと、動くものって背景から浮いていたりするじゃないですか。Live2Dなら背景をそのまま動かせるので、違和感がないんです。

――確かに、違和感がないのは嬉しいですね。「Beyond Creation」を作ってみて、どのような課題が出てきましたか?

Live2D社デザイナー:どこまで機能を追加すれば、工数の削減・表現の強化を望めるのかというのが、まだまだ未知の領域です。今回も「Beyond Creation」を作ったことで、別のやりたいこと・できそうなことが見えてきたので、もっと作品作りを進めて実験していく必要がありますね。

また、手描きアニメに現役で携わっている方に参加してもらって、作り方の違いをもっと具体的に研究していければと思っています。今後にご期待いただければと。

――今回、難しくて諦めたような動き・表現はありましたか?

Live2D社デザイナー:座っているところから立ち上がるシーンを真上からのアングルで入れようと思ったのですが、動きをLive2Dで作るのが難しく、時間的にも厳しかったのでカットとなりました。でも、技術的な意味で諦めたのはこれくらいで、難しそうに見えても「やってみたらできた」というのが多かったです。中盤、イプシロンがスキップするシーンもそれですね。


――ちなみに、冒頭で「わからない、わからない」と言ってしまったのですが、こんな感想で良かったのでしょうか…?

Live2D社デザイナー:今回に限って言えば、半ば不意打ち気味に披露して、驚いてもらいたかったというのもあるので、「なるほど、よくわからん」という感想でも嬉しい限りです。普通のアニメとして見られてしまうのも逆に困ってしまいますし、パッと見てすぐに「あ、Live2Dね。できるよねこれくらい」となるよりかは、「Live2Dだとわからなかった。こんなことできるの!?」という方が、アニメ制作のスタンダードを目指す上ではいい反応なのかなと思います。

とはいえ、Live2D特有のヌルッとした動きが映えるカットもありますし、キャラクターの絵柄や作風によって、手描きに寄せるかLive2D感を出すかを考えなくてはなりません。でも、変えることができるのもLive2Dの強みだと考えているので、今後も引き続き、表現を突き詰めていければと思っています。

――自分はコンテンツとしてLive2Dを楽しんでいる人間で、制作に関しては素人です。そういう人間から見た「Beyond Creation」はすごくポジティブで可能性に満ちた作品に見えるのですが、「Live2D Designer's Day」ではLive2D制作に携わっている方に多く見られるんですよね。反応が気になるところですね。

Live2D社デザイナー:いわゆる“通”であったり、プロの方々にこの作品をどう受け取ってもらえるのかは本当に楽しみですね。制作される方々から見て、ダメな所があれば指摘してほしいですし、色々議論していただければと期待しています。アニメに携わっている方にもぜひ見ていただきたいですね。

もちろん、コンテンツとして楽しんでいる方々にも広く見てもらって、色々なご意見をいただければと思っています。

――ありがとうございました。今後も楽しみにしています!


※画面は開発中のものにつき、実際の仕様とは異なる場合があります。
《すえなが@インサイド》

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