48時間でゲームを完成させるハッカソン、「Global Game Jam 2019」作品発表会レポート | GameBusiness.jp

48時間でゲームを完成させるハッカソン、「Global Game Jam 2019」作品発表会レポート

2019年1月25日(金)~1月27日(日)の3日間、全世界で行われているゲーム開発イベント、「Global Game Jam 2019」が行われました。

ゲーム開発 インディー
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2019年1月25日(金)~1月27日(日)の3日間、全世界で行われているゲーム開発イベント、「Global Game Jam 2019」が行われました。

本イベントは2009年から1年に1回開催されており、プロ・アマチュアを問わず、学生やゲーム業界人まで、様々な経歴と立場のクリエイターが参加。会場に集まった参加者は即席チームを作り、48時間という限られた時間の中で、1つのテーマに沿って企画からゲーム制作、完成までを目指します。

本稿では、東京会場の1つなっている「ヒューマンアカデミー秋葉原校会場」にて、イベントの締めくくりとなる作品発表会の模様をレポート。各チームに、企画の着想や、制作の中で苦労したところ、今回のイベントの感想などを伺いました。

テーマは「ホーム(家)」。様々な着想から生まれたゲーム


「ヒューマンアカデミー秋葉原校会場」では、全6チームが参加。各チームが制作したゲームを紹介する共に、チームの代表者に以下の3つを質問しました。

1:どういった着想で企画に至ったのか。
2:制作中で感じた事。エピソードなど。
3:今回のグローバルゲームジャムに参加しての感想。

チーム名:Nemo's

ゲームタイトル:「Nemo's Guardian」
ジャンルは1人用のシューティングアクション。プレイヤーはクマノミを守るイソギンチャクとなり、エリア内に出現する敵キャラクターの魚の突進を交わしながら、弾を打ち出して撃退するゲームです。操作に慣れるのがちょっと大変ですが、やりごたえがあります。レベルアップ要素があり、ライフの増加やスピードアップなど、うまく自機をカスタマイズするのがゲームを進めるコツ。BGMの完成度が高く、水の中ののどかな雰囲気が漂ってきます。
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代表者コメント:Vongsomxai Volayouthさん
1:チームメイト全員で、色々なネタを出してもらって、最終的には多数決で決定しました。
僕たちは「ホームとは自分を守ってくれる家」と定義しました。「守ってくれる家」として、クマノミを外敵から守っているイソギンチャクを家と仮定するアイデアが生まれました。

2:当初はタワーディフェンスゲームにする予定でしたが、作業的に厳しく、プランを見直す必要が出てきたため、初日は他のチームと比べても遅れてしまい、焦りました。

3:スケジュールに遅れが出ましたが、うまくリカバリィができたと思っています。時間内に完成することができて、とても楽しかったです。


チーム名:Psycho Mothers

ゲームタイトル:「Psycho Mothers」
2~4人で遊べる対戦型マルチアクションゲーム。プレイヤーは「おかあさん」となり、フィールドに出現する大量の「こども」を自分の家に追い込みます。「こども」が家に入ると得点が加算され、時間内に多くの得点を稼いだプレイヤーが勝ちとなります。フィールド上には様々なアイテムが出現し、相手の邪魔をしたり、自分に有利な状況を作るなど、戦略要素もあります。
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代表者コメント:とりすーぷさん
1:僕たちは「ホームとは子供達が集まる場所」と考えました。つまり、「子供たちがたくさんいる場所は居心地がいいホーム」と置き換えて、プレイヤーは「おかあさん」になって子供を家にたくさん連れ帰って、居心地のいい場所を作るというゲームにしました。子供を勝手に家に連れて帰るという設定がちょっと怖いので、タイトルが「Psycho Mothers」になりました。

2:チームメンバーがグローバルで、コミュニケーションの部分で若干の不安がありましたが、ホワイトボードに必要な情報を単語で書き出したり、エクセルでフローチャートを作成してゲームのプランニングをうまく共有できました。そのおかげで、企画がブレることなく、スムーズに制作できました。

3:重複してしまいますが、コミュニケーションロスの不安が課題でした。そこがうまく行ったのが自分の中で大きな成果だったと思います。


チーム名:グローバルサンタクロース

ゲームタイトル:「SANTA’S GIFT」
1人~2人で遊べるアクションゲーム。プレイヤーは「サンタクロース」となり、店に訪れる様々な客にどんどんアイテムをプレゼントし、満足度のゲージがいっぱいになるとステージクリア。2人の場合は対戦ゲームとなり、時間内にどれだけ多くの客にプレゼントを渡せたかで得点を競います。可愛らしい絵柄が印象的で、グラフィックパターンも多く、見ていて楽しいゲームでした。
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代表者コメント:市川・ジャスティン・昭利さん
1:「ホームとは自分が居心地がいい場所」、自分の場所としてホームから連想される場所をメンバーに上げてもらいました。色々な意見が出た中で、共通の要素として「ホーム」=「自分の居心地が良くなるものを提供してくれるお店」という事で、お店を舞台に様々なお客さんにプレゼントを提供するゲームを企画しました。プレゼントをくれるキャラクターというところで、一番わかりやすいサンタクロースをプレイヤーキャラにすることにしました。

2:チームメンバーがとても理解力が深く、自分の企画した意図を汲み取ってくれて、情報共有がしっかりできました。リーダーとして教わることが非常に多く、メンバーには感謝しかありません。

3:色々苦労することも多かったですが、短い時間の中で程よい緊張感もあり、コミュニケーションもしっかりとれて、ゲーム製作の楽しさを実感できました。今回の参加で多くの学びがあったので、今後に活かしていきたいと思います。


チーム名:チーム4

ゲームタイトル:「Son vs Mama」
1人用のアクションゲーム。操作は単純で、プレイヤーは「Son」となり部屋にいてゲームをやっていると満足度のゲージが上昇。MAXになるとステージクリアです。ところが、敵キャラクターである「Mama」がプレイヤーの部屋をランダムに覗きに来ます。ゲームをやっているのがバレると、「Mama」の怒りゲージが上昇し、MAXになるとゲームを燃やされてゲームオーバー。そうならないよう、「Mama」が来た際には勉強をします。ただし、勉強ばかりしていると、今度は「Son」の満足度が下がっていき、0になるとゲームオーバーです。単純ながら、ルールが練り込まれている作品だと感じました。
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代表者コメント:佐藤大さん
1:僕たちは「ホームとは懐かしい記憶」という共通認識になりました。チームメイトの全員の共通体験として、ゲームをやりすぎて、親にゲームを取り上げられたり、壊されたりした苦い記憶がありました。そこから、親に見つからないようにゲームをやり、親が来たら勉強に戻るというゲームを企画しました。

2:今回、遊び要素として即席で実写のチュートリアル動画を作成しました。チームメンバーの一人がバイリンガルで、日本語字幕に英語字幕もつけられたので、僕たちのゲームの個性として面白いものができました。

3:動画のローカライズもそうでしたが、優秀なメンバーが揃っていて、スケジューリングもうまく行ったので、とても楽しくできました。ゲームジャムには何回か参加させてもらっていますが、自身の中で、今回が一番いいものが出来たと思いました。


チーム名:チーム5

ゲームタイトル:「Home.io(ホミオ)」
プレイヤー人数は、なんと1人~100人という大ボリュームのバトルロイヤル。ゲーム開始と同時にプレイヤーの体力は徐々に低下。フィールド内に落ちている肉を食べることで体力を回復しながら、ランダムに出現する家を探します。時間経過とともに、プレイヤーは年齢と点数が加算され、体力の減少が早くなります。家に触れると年齢がリセットされ、体力の減少が緩やかになります。体力が0になるとゲームオーバーです。また他プレイヤーから攻撃されると力尽きてゲームオーバーになってしまうので、倒されないように立ち回りながら、少しでも長くフィールドに残る事を目指します。「生き残る」と「敵を倒す」という2つの対戦要素を持っているゲームです。最大プレイヤー人数の100人のバトルロイヤルも見てみたいですね。
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代表者コメント:林田悠汰さん
1:各自でホームという言葉から連想するものを紙に書いてもらってブレインストーミングをしました。その中で、「ホームとは帰る場所」と定義しました。そこから、帰る場所である家を探すゲームを企画しました。家を探す必要がある理由づけとして、家に帰らないと体力がなくなり力尽きてしまうというルールにしました。

2:48時間という時間の中で、当初の企画を吟味してスケジュール的に導入するのが厳しい仕様を、どのように取捨選択し、共有できるかというところが課題でした。

3:やはり、時間との勝負が大きな課題でした。取捨選択が難しい判断でしたが、最終的には皆が納得行く形でゲームを完成させる事ができたと思います。


チーム名:チーム6

ゲームタイトル:「Find the Game」
1人用のステルスアクションゲーム。プレイヤーは夜中にこっそり起きた主人公の「Bouzu-chan」となり、「Mother」に見つからないよう、家の中に隠されたゲームを探します。「Mother」はランダムに部屋を移動していますが、「Bouzu-chan」の足音に反応し近づいてきます。うまく「Mother」の視界に入らないように、机やベッドに下に隠れたりしながら、どこかに隠されたゲームを探し、部屋まで持ち帰るとゲームクリアです。キャラクターの作り込みや、AI要素も盛り込まれるなど、技術力と情熱を感じる完成度の高いゲームでした。
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代表者コメント:サカモトさん
1:「ホームとは実家の懐かしい思い出」と定義しました。メンバーの共通の思い出として、親にゲームを隠され、必死で探し回った経験があったので、親に隠されたゲームを探すというゲームになりました。さらにゲームを見つけるというだけでなく、こっそり部屋まで持ち帰って遊んだという当時の達成感をプラス要素として盛り込みました。

2:チーム内の公用語が英語になっていたので、仕様の確認やプランニングと言ったところで、意思疎通や認識の共有が本当に大変でした。でも、これがグローバルゲームジャムの面白さであり難しさだなと思いました。

3:自分はクリエイターではないので、本当にチームメンバーのクリエイターとしての凄さを目の当たりにしました。作ろうとしているもの対するこだわり、情熱といったものがとても強くて、リスペクトできるメンバーと参加できて楽しかったです。


今回、取材をしたのは1会場の6チーム。企画もバラエティに富んでおり、48時間という短い制作期間の中で、完成度の高いゲームを体験することができました。同じように全世界の800近くの会場で、ゲームが作られていると思うと、将来、業界に大きな影響を与えるクリエイターが確実にいると期待できるイベントでした。
《東響希》

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