行くエンタメ年、くるエンタメ年 2015-2016・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第48回 | GameBusiness.jp

行くエンタメ年、くるエンタメ年 2015-2016・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第48回

連載 その他

行くエンタメ年、くるエンタメ年 2015-2016・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第48回
  • 行くエンタメ年、くるエンタメ年 2015-2016・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第48回
今年もあと数日で一年が終わりを告げようとしています。

街にはクリスマスの飾りつけやイルミネーションが輝きを増します。それも束の間、25日を過ぎると正月用の門松や注連縄が冬景色のなかにその存在感を示すことになります。

例年に比べて、今冬は未だ寒さを痛感する日々が少なく9月、10月を思わせるような陽気を感じさせます。日差しも柔らかく何やら異常な天変地異でも起こらなければ良いなと思うこともあります。ちなみにそのような天変地異もいくら準備しても来るときが予測できるはずもなく、いざという時に備えて何かをという気持ちが大事ですが、そのいざという時がいつかわかるはずもなく、 ついつい気が緩んでしまうのが常であったりします。

さて、2015年の最後を締めくくるエンタメ界の天変地異的なニュースと言えば、元コナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫氏の独立、新会社設立(株式会社コジマプロダクション)の発表でしょう。

ソニーコンピュータエンタテインメントのアンドリュー・ハウス社長自らがプロモーション映像に出演し、小島秀夫氏を歓迎するというコメントします。すると当事者である小島秀夫氏が画面に登場します。気分はアガりますよね。おそらく世界中のゲームファンが「やったぜ!」とか“Yeah!”という歓声と感嘆の声を上げたことでしょう。

かくいう私もそのひとりです。

今回の小島氏の会社は100%個人の資本で創業されており、誰からも阻害されないという表れでしょう。

コンテンツ開発資金は発表を共にしたソニーコンピュータエンタテインメントや海外(アジア・北米)の大手のパブリッシャーやファンドからプロジェクト(コンテンツ)ごとに調達するものと思われます。少なくとも当面のあいだは資金調達に困ることはないでしょう。

さらに言えば、小島氏は周囲をびっくりさせたり、新しい展開を積極的に取り入れる才覚の持ち主なのでクラウドファンディングなどの手法や映画的な展開も視野に入れていることでしょう。ただしスタッフ募集も同時に行っている様子をみると旧コジプロのメンバーがフルに異動したということではなく、あくまでもキーメンバーがコジマプロダクションに参加したとみるべきでしょう。

小島氏の活動に関しては改めて注目してまた皆様と共有したいと思います。

2015年の個人的な振り返りですが、昨年(2014年)に「ATARI GAME OVER」という映像作品に巡り合いました。

たまたまネットニュースの記事でアタリ『E.T.』のゲームカートリッジをニューメキシコのゴミ捨て場から掘り起こす計画が進行中という、一見冗談のようなニュースがキッカケでした。

そのニュースを時系列で追うと、試堀、その後実際に発掘したら数万本出てきたというニュースになり、その発掘の過程をドキュメント映像で収録したというニュースが報道されました。これは映像にもゲームにも関わった自分が日本で日本語版をリリースするしかないという気持ちになりました。

既に日本のDVD映像パッケージ市場はダウントレンドで、販売に関して積極的に取り組んでくれるパートナー探しに難航するかと思言われましたが、旧知の日活のCプロデューサーから「黒川さんが宣伝を一緒にやるなら共同で権利を買いましょう」と言ってくれことが最後の一押しになりました。

おかげさまで「ATARI GAME OVER」DVDは9月に発売になり、このようなドキュメンタリー・ジャンルの映像作品としては異例のヒット作品になりました。ありがとうございました。

そして、最後は12月10日に2015年最後となる黒川塾31(回目)を開催することができました。

約3年半で31回の開催は自身でも上出来です。今回のテーマは日本で働く外国人にフォーカスしたものです。登壇者全員が、日本は「安全(治安」」「魂(仕事に対してのプライド)がある」を口にしました。一方で日本人に必要なこととして「オープンな性格やスタンス」「「失敗を恐れないチャレンジ精神」とコメントしました。

彼ら一人一人が日本のゲームから受けた感動や喜びをルーツに持っており、そこから日本を知り、日本で仕事をする機会を自身の手で得ました。

現在、日本は少子高齢化などの影響もあり、ゲームのみならず経済的にも内需を喚起するのは大変難しい状況に入りつつあります。今回のゲストのように日本で働きながら外国での展開を視野にいれて行くとこは必然であり自然なことかもしれません。

行く年2015年、皆様におきましてはどんな一年でしたでしょうか。

来る2016年のエンタテインメントが皆様によい一年をもたらすことを祈念しております。今年も一年ありがとうございました。来年も引き続きご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。

メリークリスマス&謹賀新年
黒川文雄


■著者紹介

黒川文雄
くろかわ・ふみお 1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDE、にてゲームソフトビジネス、デックス、NHN Japanにてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。黒川塾主宰。「ANA747 FOREVER」「ATARI GAME OVER」(映像作品)「アルテイル」「円環のパンデミカ」他コンテンツプロデュース作多数。
《黒川文雄》

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら