ゲームデベロッパーが「LTV」を最大化する6つの方法 | GameBusiness.jp

ゲームデベロッパーが「LTV」を最大化する6つの方法

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ゲームデベロッパーが「LTV」を最大化する6つの方法
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LTV(Lifetime Value:顧客生涯価値)は、ゲームの収益性を正しく判断するための指標であり、予算の使い方やリテンションマーケティング(ユーザーの継続率向上)の方法、リエンゲージメント戦略(休眠ユーザーの復帰)などを考える際の参考になります。前回のコラムではそのLTVの大局的な考えを紹介しました。では、LTVを向上させるにはどうしたらよいでしょうか?今回のコラムでは、LTV向上のための6つの方法を紹介します。

1. 複数のプラットフォームを活用

LTVを最大化するための具体的な方法を考える前に、大前提としてまずはiOS、Androidはもちろん、AmazonやDMMなどのプラットフォームも活用し、できる限り多くのユーザーにリーチすることが大事です。LTVがいくら高くてもDAU(Daily Active Users:1日あたりのサービス利用者)が片手で数えられる程度では意味がありません。ポテンシャルのある複数のプラットフォームでゲームをリリースしDAUを増加させ、収益を飛躍的に伸ばした例は数えきれないほどあります。より多くのユーザーにアクセスすることが収益増につながるのです。

リソースが限られている場合は、複数のプラットフォーム向けのゲーム開発を簡単に行うことができる「Corona」「Unity」「Adobe Air」「Unreal」などのクロスプラットフォーム開発ツールの使用をおすすめします。複数のプラットフォームを利用して異なるアプリストアを使うと、アップデートのたびにスクリーンショットを設定したり、説明を更新したりと手間はかかりますが、それでも使用するだけの価値があります。

多くのユーザーにアクセスできるようになれば、十分なサンプルサイズが得られるので、コホート(集団)テスト(コホート分析、スプリットテスト、A/Bテスト)の信頼性が高まります。LTVの最大化を目指すのであれば不可欠な作業です。

2. ゲームの難易度の調整

より多くの人がゲームプレイすれば、通貨購入などアプリ内でのユーザー課金が増える確率が高まります。ただ、より多くの人にゲームプレイし続けてもらうにはゲームの難易度を丁度良い具合に調節しなければなりません。夢中になるだけの難しさは必要ですが、イライラして投げ出したくならない難易度にとどめておく必要があります。

コホートテストを行うことで、ゲームの最適な難易度、つまりユーザーがゲームプレイを続けたくて、通貨を購入したくなるような難易度を特定することができます。その特定方法は例えば、難しさを加えたいところに該当するコホートを対象にして難易度の制御変数を設定し、それを変数Aとします。次に、コホートAと異なる難易度をほかのコホートに設定し、ユーザーのエンゲージメントと収益を最大化できるレベルの難易度が判明するまで継続的に変数を設定し続けることで確認できます。

3. できる限りサーバーサイドで

サーバーサイド(クライアントサイドではなく)でできることは可能な限りやってしまいましょう。まずは容量の面での利点があります。低容量のアプリは、モバイルネットワークの接続スピードが遅く、ユーザーの端末の容量が小さいことが多い新興国市場に向いています。それ以上に最大の利点は、プロモーションやアプリ内イベント、バグ修正などのためのコホートテストを複数のアプリストアへ申請してユーザーのアップデートを待つというプロセスなしに行うことができる点です。

4. ゲーム内イベントの開催

他社とのコラボイベント、トーナメント、そしてクリスマスなどの行事に絡めたイベントなどを実施することで、ユーザーはより飽きずにゲームを続けることができます。リテンション率だけでなくARPDAU(Average Revenue Per Daily Active User:1日のアクティブユーザー1人当たりの平均売上金額)に効果を発揮し、LTVの向上につながります。上記3でおすすめしたサーバーサイド開発をしているのであれば、毎週や日別のイベントを開催することをおすすめします。もしサーバーサイドで開発していない場合、アプリのアップデートのタイミングに合わせてイベントを開催すると良いでしょう。

5. 獲得したユーザーのインストール以降のデータ分析

LTVの最大化においては、それぞれのトラックソースのARPU(Average Revenue Per User: 課金ユーザー1人当たりの平均売上額)を把握し、予算を使い過ぎているのか、または少なすぎるのかを判断することが大切です。ある特定のソースの ARPU が突出していれば、そこからユーザー獲得を最大化する、つまりROI(投資回収率)を上げるために予算を調整すべきです。ユーザー獲得のコストが1000円や2000円になると高く感じるかもしれませんが、それらのユーザーが3000円課金するのならリーズナブルな投資でしょう。一方で、ARPU の低い広告在庫があれば、自身のゲームのROIの基準に見合ったレベルまで入札額を引き下げるか、入札を中止し、よりROIの高い広告在庫の投資を増やすことが重要です。

6. ソーシャルメディアマーケティングの重要性を忘れずに

ソーシャルメディアを通じた独自のコミュニティ構築は、LTVを押し上げることが可能です。ゲームで出したハイスコアをTwitterに投稿するなど、ユーザーがゲームで得た喜びをシェアすることで、結果としてアプリが盛り上がって注目が集まることになります。またソーシャルメディアは、アプリストアのレビューと同じような役割も果たします。TwitterやFacebookなどのソーシャルメディア上に該当ゲームのプロフィールを作成し、ユーザーがゲーム内で見つけた問題を投稿した場合、デベロッパーは即座にこれに対応することができます。こうしたコミュニケーションによって、プロダクトの裏には生身の人間がいて、その人物が問題を解決しよう努めていることがユーザーに伝わります。ユーザーとデベロッパーの個人的なやり取りはネガティブレビュアーの怒りを鎮め、悪いレビューの目を摘み取ってくれるはずです。

モンスターストライク」や「あんさんぶるスターズ」などのようにソーシャルメディアをうまく活用しているゲームを参考にすれば、ユーザーロイヤリティの向上やLTV最大化のヒントが得られるはずです。また「剣と魔法のログレス いにしえの女神」の場合、公式アカウント以外のキャラクター別のアカウントを持っており、キャラクターの口調でツイートしたり、一般ユーザーのツイートをリツイートしたりすることによって、多くのファンを獲得しています。さらに「剣と魔法のログレス いにしえの女神」はLINEの公式アカウントも持っており、情報発信を積極的にしています。

「剣と魔法のログレス いにしえの女神」公式アカウント

「剣と魔法のログレス いにしえの女神」マスコットアカウント

「剣と魔法のログレス いにしえの女神」キャラクターアカウント

「剣と魔法のログレス いにしえの女神」LINE公式アカウント

ただ、アプリストアやソーシャルメディアの規約には気を付けて下さい。ユーザーをお金やアイテムなどで釣って「いいね!」やシェア、レビューを投稿してもらうことは規約上できません。

こちらの記事でご紹介したLTV向上の方法はシンプルで既知な情報も多かったかと思いますが、その効果は絶大です。それぞれの方法が収益に及ぼす影響は大きく、合わせて活用できればROIを確実なものにすることができるはずですので、是非この機会に見直してみてはいかがでしょうか。


著者: 林 宣多(はやし・のりかず)
AppLovin日本法人代表取締役。GREE、Yahoo! Japanでの広告プロダクト立ち上げ後、米国に拠点を移し、設立直後のAppLovinに参画する。AppLovin本社の営業責任者として事業の成長をけん引した後、2016年4月にAppLovin日本法人の代表取締役に就任する。
《林 宣多》

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