【e-Sportsの裏側】「放送」×「ゲーム」はまだまだ伸びる―韓国ゲーム専門チャンネル放送会社のCEOが語る日本e-Sports市場のこれからとは | GameBusiness.jp

【e-Sportsの裏側】「放送」×「ゲーム」はまだまだ伸びる―韓国ゲーム専門チャンネル放送会社のCEOが語る日本e-Sports市場のこれからとは

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【e-Sportsの裏側】「放送」×「ゲーム」はまだまだ伸びる―韓国ゲーム専門チャンネル放送会社のCEOが語る日本e-Sports市場のこれからとは
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e-Sportsに携わる「人」にフォーカスを当てて、これからの日本のe-Sportsシーンを担うキーパーソンをインタビュー形式で紹介していく【e-Sportsの裏側】。

前回の連載ではプロゲーム団体「Echo Fox」に所属するプロゲーマーももち氏とチョコブランカ氏にふたりが起ち上げたベンチャー会社「忍ism」の事業ならびに新たに設立した「スタジオスカイ」の誕生秘話を伺いながら、日本のe-Sports市場について語って頂きました。

■e-Sportsとは?
e-Sports(Eスポーツ)とはElectronic sportsの略で、コンピュータゲームやビデオゲームで行われる競技のことです。高額な賞金のかけられた世界的な規模で行われるプロフェッショナルな大会から、アマチュアまで競技が行われており、ジャンルやゲーム毎にプロチームやプロリーグが多数あります。現在e-Sportsの対象となっているゲームを遊ぶ人の数は、全世界で5500万人を超えています。
(ゲーム大辞典参照:http://game-lexicon.jp/word/e-Sports

第11回目となる今回は、大手ゲームメーカー「ネクソン」との資本・業務提携をアナウンスしたLoud Communications. Co., Ltd.(以下、Loud Communications)、CEOのイ・ジェミョン氏に今回の提携の狙いや日本のe-Sports市場の可能性についてお話を伺いました。

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―――まずは、自己紹介をお願いします

ジェミョン氏:Loud Communications CEOのイ・ジェミョンです。私は2001年に株式会社ザ・スポーツという会社にプログラマーとして入社し、開発チームリーダー及び事業企画チームリーダーとしてコンテンツ事業に携わりました。当時モバイルが2Gや3G時代であった頃に、韓国通信会社3社(SKT、KT、LG)を通じて、コンテンツプロバイダーとして各種映像コンテンツの制作を担当し、ほとんどのスポーツコンテンツ中継に関わる業務を担当していました。その後、2006年にはEclatEntertainmentへ移り、ジェネラルディレクター(General Director)としてSPOTVを開局しました。現在はLoud CommunicationsのCEOを務めています。

―――Loud Communicationsについて教えてください

ジェミョン氏:Loud CommunicationsはSPOTV GAMES (24時間放送しているゲーム専用チャンネル)の放送制作及び運営総括を主な事業としています。Blizzard Entertainmentの『StarCraft II』の「プロリーグコンテンツ」の制作及び放送事業からスタートし、その後はネクソンの韓国における主力タイトル(『EA SPORTS(TM) FIFA Online 3』、『カートライダー』、『Dungeon&Fighter』(日本サービス名『アラド戦記』)、『Cyphers』、『サドンアタック』など)の各種リーグにおける放送制作及び運営も担当しています。

2016年からはRiot Gamesの『League of Legends(LoL)』の韓国リーグである「League of Legends Champions Korea(LCK)」関連のコンテンツなども制作しています。制作したコンテンツはSPOTV GAMESチャンネルを通じて放送され、該当コンテンツを韓国国内のみならず、海外向けにもサービスをする一方、TVやその他オンラインプラットフォーム、モバイル、Nスクリーン(※韓国にあるコンテンツサービスの名称。一つのコンテンツをTV、PC、スマートフォン、タブレット等、様々な機器を通じて利用できるサービスを指す)等、様々なプラットフォーム向けの広告やマーケティング事業も展開しています。

―――Loud Communicationsはどのようにe-Sportsに携わっているのでしょうか?

ジェミョン氏:基本的には、ゲーム会社側のニーズに合わせています。具体的に言うと、各ゲーム会社が作ったゲームが、e-Sportsのリーグや映像物としてプロモーションするに相応しいと判断した場合、我々Loud Communicationsのアイディアをもとに、各ゲーム会社と話し合いを行い、リーグ及び映像物の制作を進めています。制作物が完成すると、SPOTV GAMES等を通じて視聴者にお届けしています。


―――放送×ゲームと言う市場についてどのように見ていますか

ジェミョン氏:韓国では、ユーザー自身が実際にゲームをプレイして楽しむスタイルから、観戦して楽しむスタイルにまでゲーム文化が発展してきました。ユーザー自身が直接プレイして楽しむコンテンツとしてだけではなく、プロゲーマーによるクオリティーの高い洗練された競技の優れたスキルがユーザーを魅了し、さらにそこに、スポーツでは特徴的な「勝負」という観戦要素が加わったこともあり、e-Sportsを観戦していく文化が定着していきました。

弊社事業の始まりについて、少し説明させてください。2013年頃、韓国では、プロリーグの中継を行っていた事業会社の閉局等の問題により『StarCraft II』のプロリーグの放送が難しい時期がありました。しかし、閉局後もユーザーから強い要望があったことと、弊社としてもe-Sportsは今後市場拡大の可能性があると判断し、放送中継に投資を決めたことがその始まりでした。最初は1タイトル(『StarCraft II』)からのスタートでしたが、ネクソンという素晴らしいパートナーに巡り合えたことが今のLoud Communicationsにつながっていると思っています。

―――日本のe-Sportsマーケットについて

ジェミョン氏:私は、約30年前に日本の『イース(Ys)』というゲームに熱狂していた世代です。日本にある数多くのコンソールゲームを1日中プレイし、新しいタイトルの販売を待ちわびながら幸せに浸っていた、いい思い出があります。

韓国は、PCカフェ(※日本で言うネットカフェ)というインフラが整っていることもあり、コンソールよりPC基盤のオンラインゲームが成長した市場です。コンソールとオンラインというプラットフォームの違いもあり、自然と韓国は他人との競争がコンテンツとなりうるe-Sports文化を、自然かつスピーディーに定着させることができたのだと思っています。

日本はストーリーとゲーム性を兼ね備えた良いゲームを作ることができる底力があると思います。日本のオンラインゲームのインフラはもっと発展していくはずですし、コンソールゲームも今よりネットワーキングの強化を目指していくと思います。このような環境の変化は、日本においても近い将来、素晴らしいe-Sports文化が根付くひとつのきっかけになるのではないでしょうか。一人だけで楽しむのではなく、他のユーザーと一緒に楽しむゲーム文化という風に、少し異なる観点でゲームを楽しむことができる面白さがあることが、e-Sportsの魅力であると考えています。

―――ネクソンとの協業によりどういったシナジーを創出するか

ジェミョン氏:ネクソンとは、3年前より協業を行っております。最初の頃は、協業することにより確実に新たな利益を創出しなければならない、という思いや焦りがあり、悩むところも数多くありました。

このように互いの立場を考慮する必要があるパートナーシップに関しては、いかなる方法であれ、シナジー効果を創出することが必須です。個人的には、どう具体的な作業を進めていくか、ということよりも、互いにいかに信頼関係を築くことができるか、という点が優先されるべきであると考えています。

現代では、良いゲームを作ることだけが目標ではなく、メディアを通じてユーザーにどのような方法で届けることができるか、が成功における重要なポイントになってくると思っています。

弊社が、ネクソンの立場に立って物事を考え、かつメディアパートナーとしての本来の役割をきちんと遂行することができれば、両社の更なる成功につながるシナジーを、確実に創出することができると信じています。

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韓国というe-Sports市場最先端国で着実に実績を積み上げてきたLoud Communications。今後、日本でどのような展開を行っていくのか、気になるところです。
《森 元行》

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