東京モーターショー2015に見るエンタテインメントの未来・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第47回 | GameBusiness.jp

東京モーターショー2015に見るエンタテインメントの未来・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第47回

このところ、大変ありがたいことに活動の幅が拡がっています。生まれて初めて東京モーターショーを見学する機会に恵まれました。

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東京モーターショー2015に見るエンタテインメントの未来・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第47回
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このところ、大変ありがたいことに活動の幅が拡がっています。生まれて初めて東京モーターショーを見学する機会に恵まれました。自動車への関心や興味は一般的なレベル以上はありますが、発売される前のコンセプトモデルを見に行ったりすることにはあまり興味がなく、専門雑誌で見る程度で十分だと思っていました。ゆえに1回のみの見学で何が分かる?という声も否定できませんが、東京モーターショーを私なりの所感とエンタテインメントの未来に感じた事を書いてみたいと思います。



「東京」と冠するだけあって、日本車各社の大きなお披露目の展示でした。中でも目についたのは日産、マツダ、ホンダです。トヨタも素晴らしいと思うのですが3社に比べてレクサス推しというブースの展開で際立って何かというものを感じませんでした。

さて、日産ですが、スカイラインGTRのコンセプトモデルがお披露目です。赤いバットモービルのようなスタリングで、さすがにこのまま市販には至らないだろうと思いますが、ある種の振り切ったデザインと質感が従来のモデルを超えているように思いました。

マツダもしかりで、復活間近と言われるロータリーエンジンを搭載すると言われる「RX7」シリーズの後継機種「RX-VISION」が注目を集めていました。ロングノーズ、ショートデッキのスポーツカーのセオリーに則ったスタイングが目を惹きます。そしてホンダはニューNSXです。こちらはすでに欧米からの情報や写真が流入していますが現車確認という点では来場者に注目を集めていました。

今年の東京モーターショーでの注目のテーマですが、個人的には「燃料」「自動運転」そして「安全対策」ではないかと思います。

特に自動運転にはさまざまな未来がありそうです。一番進んでいると思われるのはドイツのメルセデスベンツで、会場には「F015」の展示されていました。搭乗者は運転に集中することなく対面シートでの着座が可能で移動時間に別のことができるというメリットがあるようです。ホンダがシティコミューターのような簡易型の自動運転車両「ワンダースタンド」、そして日本国内では、このジャンルで一歩先んじた感のある日産は「IDSコンセプト」を展示しました。
こちらは運転が始まるとハンドルが収納されるクルマです。いずれのクルマもネットと接続しナビゲーション、さらには障害物レーダーを搭載して危険を感知するというテクノロジーを駆使したものです。





実用化にはまだ交通上のインフラの整備、法整備、各社異なる基準の共通化などが必要となるでしょう。また、事故が起こった際の法的責任という重い課題もありますが、おそらく2年後くらいには諸々のめどが立っているのではないでしょうか。2020年の東京オリンピックが大きなマイルストーンと思ってもよいでしょう。5年後には都内を自動運転カーが走るなんてことも夢物語ではないかもしれません。すくなく見積もってもオリンピック会場内のコミューターとしての移動手段のひとつとして活用されている事は間違いありません。

これらのことが進んだ時に改善可能な問題あります。それは高齢者による事故の未然の防止です。もっと大きな課題は酒気帯びや速度超過と言った違法運転者の事故の防止ですが、こちらはそもそも、それを前提にしている安全対策ではないので割愛します。

安全対策は高齢者が搭乗し、目的地を選択しそのあとは自動で移動ができるというメリットがあります。ただしそのときの使用者を考えたユーザー向けのインターフェイスが洗練されていることが望ましいと思います。そのときにゲーム的なインターフェイス、もしくは身振り手振りで入力ができるようなマイクロソフト社のキネクトのような使用感や使用方法を取り入れたものが望ましいのではないでしょうか。もしくは各社共有のインターフェイス仕様なども利用者の混乱を軽減できることもあります。

しかし、便利になる反面、本来は時間の有効活用や、業務の効率化のために導入されたツールは、実はそのツールのために時間を取られるという本末転倒なケースも少なくありません。携帯電話(今はスマフォ)の登場も、これで便利になると言われたり、時間の有効活用につながると言われていましたが、むしろその逆でデバイスにひっぱりまわされているようなケースも散見されます。

クルマがネットとつながっていくのはスタンダードな仕様になっていくことは間違いありません。大手のエンタメ系サーバー会社は、その前提で準備や可能性のフィージビリティ・スタディーを行っている会社もあると言います。そのなかで、ネットやゲーム的なインターフェイス構成が活用されることになるでしょう。エンタメはリビングルームから、手のひらへ、次はクルマ(移動空間)の中へという未来も面白そうです。

■著者紹介

黒川文雄
くろかわ・ふみお 1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDE、にてゲームソフトビジネス、デックス、NHN Japanにてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。黒川塾主宰。「ANA747 FOREVER」「ATARI GAME OVER」(映像作品)「アルテイル」「円環のパンデミカ」他コンテンツプロデュース作多数。
《黒川文雄》

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