【CEDEC2015】さまざまな企画が飛び出した遠藤雅伸氏のラピッドプランニング演習 | GameBusiness.jp

【CEDEC2015】さまざまな企画が飛び出した遠藤雅伸氏のラピッドプランニング演習

人材育成 企業内教育

【CEDEC2015】さまざまな企画が飛び出した遠藤雅伸氏のラピッドプランニング演習
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ゲームデザイナーに不可欠な企画力を高めるためには、どのような教育が効果的なのでしょうか? CEDEC初日の26日、『ゼビウス』『ドルアーガの塔』などの生みの親として知られ、現在は東京工芸大学でゲームデザイン研究を行っている遠藤雅伸氏がワークショップ「 企画初心者のための『ラピッドプランニング演習』」を実施、144人の定員に対して数多くの見学者が出るなど、関心の高さを感じさせました。

本セッションで実施された演習の概要と効果測定については、日本デジタルゲーム学会2014年度年次大会で口頭発表が行われており、詳細が予稿集に掲載されています(http://digrajapan.org/conf2014/)。予稿集のウェブ公開は行われていませんが、概要自体はシンプルで感覚的にも効果の高さが予見されるものなので、本稿では演習を実施したいという教員や人事担当者にもわかりやすいように解説します。

【準備するもの】A4のコピー用紙(1セットにつき1枚)
【やり方】
(1)参加者は5~6名のグループ単位で着席します。
(2)司会者がテーマを発表します。
(3)参加者は制限時間内(10~12分程度)でテーマに沿ったゲームのコンセプトを考え、用紙に記述します。
(4)時間になったらグループ内で用紙を回覧し、15秒程度で内容を判断して、「これはイケてる」「これはアリだ」と感じたシートにサインしていきます。
(5)複数のグループが存在する場合、1つのグループで巡回が終わったら、他のテーブルとシートを交換して、回覧を続けます。
(6)最後に自分の手元にシートが返ってきたら、サインの数を数えて合計得点を記入し、自分の名前を書いて提出します。

最初のテーマは「ほる」でした。「掘る」でも「彫る」でも「HORU」でも解釈は自由。「砂場の中に手を入れて埋められたモノをあてる」「地下都市作りゲーム」「彫刻刀で自画像を彫る」「温泉を掘る」「墓穴を掘る」など、さまざまなアイディアのコンセプトシートが作成されていきました。





参加者にはゲームデザイナーだけでなく、アーティストやプログラマー、学生など、さまざまな職種がみられました。そうした背景の違いもあってか、「文字で説明する」「イラストを描く」「メイン画面を描く」「絵コンテを描く」「ロゴを描く」など、さまざまなスタイルが見られました。このほか「スマホ向けのアプリゲーム」と断り書きが入れられたシートが多かったことも印象的でした。



ワークショップは6人単位で行われ、6テーブルで巡回されたので、最高得点は35点となります。ちなみに30点以上を獲得した参加者はゼロで、25点以上が3人。「周囲を掘って自分の立ち位置を高くする」「時手の弱みを掘り起こす」「地下を掘ってビルを倒す」というアイディアでした。もっとも遠藤氏は「企画がおもしろいことと同じくらい、伝達力も重要」だとして、下記のような注意を促しました。

・他人がおもしろいと思った企画と自分の趣味嗜好がずれていないか?
・どんなに下手な絵でも、文字だけの企画書よりは、絵があった方が伝わりやすい
・アイディアが被るとつまらない。最初のアイディアは滑り止めにとどめ、前半でアイディアをひねって後半でシートに書くと良い

後半では「かめ」というテーマで実施されました。するとプロのゲーム開発者だけあって、シートのイラスト率が急増。タイトルもひねったモノが多くなり、タイトルのインパクトとキービジュアルで目を惹きつける企画が増加しました。その一方でチェックする側も目が肥えてきて、前回と同じクオリティではサインがもらえないなど、総じてサインの数が減少したように感じられました。



遠藤氏は「こうしたワークショップを職場や学校で繰り返し行うことが大事」だとします。時間についてはプロだと8分でも可能で、15分→12分→10分→8分と次第に短縮していくと良いとのこと。また、シートを巡回できるように、ある程度の人数がいた方が望ましいこと。参加者のレベルもある程度そろっていたほうがよく、多少の凹凸があってもいいと補足しました。

今回のワークショップのように成果物をお互いにチェックさせるスタイルをとると、そこから参加者は自分の作品との差異を感じ取り、自然にコツを学びとることができます。遠藤氏は今回のシートは後ほどCEDILで公開するので、ぜひ他人の作品をチェックして欲しいとのこと。その上で「がんばって良い企画者になり、日本のゲームを盛り上げて欲しい」と呼びかけました。
《小野憲史》

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