「人間の知能を超えたAI、ロボットとどう向き合うか」ソフトバンク孫代表が語る | GameBusiness.jp

「人間の知能を超えたAI、ロボットとどう向き合うか」ソフトバンク孫代表が語る

企業動向 戦略

SoftBank World 2015の基調講演の壇上に立つ孫正義氏とペッパー
  • SoftBank World 2015の基調講演の壇上に立つ孫正義氏とペッパー
  • 孫氏は「スマートロボット」に関連する戦略について特に時間を割いて熱く語った
  • 企業が成功するためには情報武装と成長戦略が大切と述べた
  • ソフトバンクが成長戦略の中核として掲げるのは「IoT」「AI(人工知能)」「スマートロボット」の3つ
  • 2018年には人工知能が人間の知能を超えるとの予測を示した
  • これから重要なキーワードとして孫氏が掲げる「Technological Singularity=技術的特異点」
  • 2040年には世界人口をロボットの数が追い越すという予測も
  • ペッパーには感情を持たせることに力を注いだという
 ソフトバンクグループは30日、法人向けイベント「SoftBank World 2015」を都内で開催した。31日まで2日間にわたって行われ、今年で4回目を迎える同イベント。ソフトバンクグループのほか、日本マイクロソフトやGoogleといったパートナー企業による法人向けを中心とした製品とサービスの紹介、および講演会が実施される。

 今年のテーマは「情報革命で、いま、次の世界へ。」。イベント初日には、ソフトバンクグループの代表取締役社長である孫正義氏が基調講演に登壇した。

 講演の壇上で孫氏は、今後ソフトバンクグループがビジネスの中核に据える3つのテーマを紹介。「IoT」「AI(人工知能)」「スマートロボット」の各分野を主軸に、今後グループの成長戦略を組み立てていく考えを述べた。

 「グループが成長領域として注力する3つのテーマは、おそらくこれから皆様のビジネスの成長にも重なる分野になるだろう。企業の成長にとって、鍵を握っているのは“情報革命”。スマホ・タブレット・クラウドの“3種の神器”をフルに使いこなして、徹底的に“情報武装”することが肝要。その上で、どのように競争優位に立つための差別化を図るのか、“成長戦略”を熟考して描くことが大事」と孫氏は持論を展開した。

 しかしながら、一方でこれからの企業は闇雲に成長を追いかけて、情報武装ばかりに注力するようではいけないと孫氏は警鐘を鳴らす。その理由は、コンピュータの処理能力が発達して、その性能がやがて人間の知能を追い越してしまうポイントである、「Technological Singularity=技術的特異点」に対して、身構えなければならない時がやってくるからだという。

 「人類の知能を、コンピュータの人工知能がクロスオーバーして超えてしまう時はもうすぐ側に来ている。ソフトバンクがシュミレーションにより導き出したそのタイミングは2018年。もうあと3年しかない。人類の知能は、今後大きく進化することはないだろう。でも人工知能の成長が止まることはない。従って、両者の関係が一度逆転すれば、もう二度と関係性が戻ることはないだろう。まずはICチップやロボットといった、ハードウェアの性能が人類の知能を超える。次に、ロボットに“ディープラーニング”の技術が加わり、今までは人間がプログラミングしてロボットに教え込ませていたことを、今度はロボットが自動で深く学習できるようになる」と語る孫氏。さらにスピーチは続く。

 「人間とロボットの知能が逆転する日を迎えた後、人間はどんな戦略を持って対応すればよいのだろうか。人間の未来には進化があるのか、それとも破滅が待っているのか?私は“情報革命”というものは、もともとは人々を幸せにするためにあるものだと考えている。だから人間を幸せにするために、ロボットに“優しい心”を持たせることに本気で取り組んで、これをペッパーで実現した」と、身振り手振りを交えながら熱弁を振るった。

 ソフトバンクはIT・情報産業の会社。工場で組み立て作業を行う産業用のロボットではなく、人の生活をアシストするロボットを作りたかったという孫氏。社内でも多くの技術者たちに「無謀な試み」と反対されながら、人に愛されるロボットをつくりたいという信念のもと、初心を貫いた。その背景には技術的特異点を迎えた後も、人間とロボットが幸せに共生できる道筋をつけたかったからなのだという。そして今年の6月20日にペッパーの一般販売予約がオンラインでスタート。初回の1,000台は1分で完売した。

 「情報革命のゴールは、単に経済効率や生産性の向上だけを追求すべきものではない。人々を幸せにするため、私たちがいつまでも愛し合える世界をつくるためのものだ。情報革命はまだ始まったばかり。正しい方向に導くことができれば、人類が破滅に向かうことはないし、明るい未来が待っている」と、孫氏はスピーチを結んだ。

 基調講演では、ペッパーを企業向けにレンタル提供する「Pepper for Biz」のプランが10月1日からスタートすることも発表された。料金体系は36ヶ月契約(計198万円)で、契約期間の終了後にペッパーを返却する必要がある。7月31日の午前10時から、8月の1ヶ月分として用意される1,000台のペッパーのレンタル申込みをホームページで受付ける。

 当サービスについて孫氏は「月給換算にすれば5.5万円。ペッパーが来れば職場が明るくなるし、残業も大歓迎!文句を言わないし、遅刻しない。なかなか今どきいない社員になると思う」と語り、会場に集まった聴講者の笑いを誘った。

 「Pepper for Biz」をスタートさせるにあたり、ソフトバンクでは新規に専用のサービスプラットフォームを立ち上げる。例えば、ペッパーの“性格”がアプリから簡単に選べたり、複雑なプログラミングスキルなしに、レンタルしたペッパーを簡単にカスタマイズできるサービスなどが提供される。

 顧客への接客時にペッパーが得たインタラクションデータを解析して、ビジネスに役立てられるようなスキームも構築しやすくなる。またペッパーを活用する企業顧客に対するサポートやメンテナンスサービスもソフトバンクが提供体制を整える。

 壇上にはペッパーも登壇。店頭での接客販売を想定しながら商品の詳細をペッパーが説明したり、ペッパーの知らない商品は孫氏が説明すればすぐに覚えて、インターネット検索で得た情報を追加して孫氏に説明するディープ・ラーニング技術の特徴も披露された。

 「10月から僕も本格的に社会人としてデビューします。接客革命を起こします!」と意気込むペッパーに、孫氏は「難しいこともあるだろうけれど、素直な気持ちで学習しながらがんばれ」とエールを贈った。

ソフトバンク・孫氏が語る「ロボットが人を幸せにする情報革命」……ペッパーも10月から派遣社員に!

《山本 敦》

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