DO YOUNG氏:2005年にNEXONに入社しました。それまでは某乳製品の会社で人事担当をしていました。牛乳の会社ですね。
―――全く違う業界だと思うのですが、なぜNEXONに入社したのでしょうか
DO YOUNG氏:自分自身が非常にゲームが好き、というのが第一の理由です。あとは、新しいことに挑戦したいという気持ちを非常に強く持っていました。NEXONの面接を受けた時に「ダイナミックさ」、組織として非常にフラットな部分に魅力を感じて入社しました。
―――入社のした際にはどちらの部署を担当していたのでしょうか
DO YOUNG氏:前職と同様で人事部担当でして、採用活動を行っていました。
―――なるほど。そこからどのようにしてNDCに携わるようになったのでしょうか。きっかけは?
DO YOUNG氏:2008年までは採用担当として従事していましたが、そこから教育文化チームに異動。もともと開発の現場スタッフとのリレーションも強かったということもあり、NDCへ関わるようになっていきました。
―――NDC開催の理由、歴史、実施している意義はなんでしょう
DO YOUNG氏:1994年にNEXON社が発足しまして、2007年からNEXON社内のゲーム開発にまつわる知識を蓄積するためにNDCがはじまりました。NEXONに関わらず、他の会社もそうだと思うのですが、入社してくれる人もいれば、退社をしていく人もいます。スタッフが退社することで、そのスタッフが持っていたノウハウや開発技術が0になってしまいます。それを防ぐためにNDCを開催する運びとなりました。外部からの関心が強まるにつれ、2010年に限定的に外部に公開、2011年より正式に外部に公開することで、より多くの開発者に参加して頂けるイベントに成長しました。
―――参加者は全員無料?収益的には辛い部分があると思うのですが
DO YOUNG氏:はい、無料です。費用面でいきますと、NEXON社でそういったものに対してのサポートがあります。また韓国内のゲーム企業としては非常に大きい企業ですし、初めてオンラインゲーム事業を行った会社としてのある意味での責任感もあり、無料で開催をしています。
DO YOUNG氏:まず講演者の反応ですが、回を重ねるごとに「NDCで講演を行いたい」という声が非常に多くなってきています。加えて、スポンサーとして参画したいので広告を出稿したいという企業様も数多くいますし、実際にNDCで講演した方がSNSなどで「NDCで講演した!やったぜ!」といった反応をしている方も多く、自身のセッションだけでなく他の開発者のセッションを集中して聞いているのもよく見受けられますね。NDCで講演を行うことで、職務経歴書へ「○○年度NDC講演」といった記載や講演者申請に落選した開発者から批判をされるなど、一種のステータスになっているようです。
DO YOUNG氏:事前に社内外にてアンケートを実施し、NDCでどのようなセッションを聞きたいかヒアリングを行っています。アンケートから現状のトレンドに合っている講演内容かどうかを鑑みて、選定しています。講演については、講演者が自ら申請する割合が90%、弊社からお声掛けさせて頂くのが10%程度となっています。ちなみに今年のセッションで講演を行っていたセレクトボタン(『生きろ!マンボウ!』開発会社)は弊社からお声がけをさせて頂いております。
―――参加費を開発者から徴収するということは予定していないのでしょうか?またKGC(Korea Games Conference)との住み分けは?
DO YOUNG氏:KGCとNDCは韓国内では2大ゲーム開発者向けカンファレンスと言われています。KGCについては有料で実施しているのですが、NDCは無料です。KGCとNDCの運営では盛んに情報交換や講演者の推薦などを行っており、国内のゲーム業界の底上げを一緒に支援していこうという考えです。我々がゲーム業界を引っ張っていくのではなく、あくまで「ゲーム開発者」たちが業界をひっぱっていく形ですので、我々はそこのお手伝いができればと。
DO YOUNG氏:全く見当もしていない質問でしたので驚きました(笑)。私個人としては『パズル&ドラゴンズ』や『生きろ!マンボウ!』などから学びたいことがたくさんありますので、まずは自国での開催を頑張って、知識を深化させていきたいですね。
―――将来的にNDCはどのような場にしていきたいでしょうか
DO YOUNG氏:社会貢献、知識の共有・交換の場という部分はぶれずにこの先も続けていくつもりです。個人的には韓国内の他のゲーム会社もこういった取り組みを実施してほしいと考えています。同時に他社からも「NDCをどのように運営しているのか?」といった問い合わせも受けており、実際にSmilegate社などにNDC運営ノウハウを共有しています。
―――最後にゲーム開発者を目指す読者へのメッセージをお願いします
DO YOUNG氏:まずはゲームをたくさんプレイしてほしいです。その上で本当にゲーム業界で働きたいという強い意志があるのであれば、自身でゲームを制作して成功・失敗問わずにノウハウを積んでいってほしい。失敗したからといって、そこで終わりではありません。失敗したら再度チャレンジをすればいいのです。そういった強い気持ちを持った方々が、NDCで成功の結果を発表してくれるのを楽しみにしています。