【GDC 2013 Vol.53】カプコン伊津野氏が明かした『Dragon's Dogma』の企画が通るまで | GameBusiness.jp

【GDC 2013 Vol.53】カプコン伊津野氏が明かした『Dragon's Dogma』の企画が通るまで

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カプコンがオープンワールドジャンルに挑戦した2012年の意欲作『Dragon's Dogma(ドラゴンズドグマ)』。
  • カプコンがオープンワールドジャンルに挑戦した2012年の意欲作『Dragon's Dogma(ドラゴンズドグマ)』。
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  • カプコンがオープンワールドジャンルに挑戦した2012年の意欲作『Dragon's Dogma(ドラゴンズドグマ)』。
カプコンがオープンワールドジャンルに挑戦した2012年の意欲作『Dragon's Dogma(ドラゴンズドグマ)』。

本作のディレクターを務めた伊津野英昭氏が、現在サンフランシスコで開催されるGame Developer Conference 2013(GDC)のセッションで、その知られざる開発経緯やどのように企画が立案されていったかを語りました。

伊津野氏は1994年にカプコンに入社。『ストリートファイターZERO』シリーズや『Capcom Vs. SNK 2』といった作品に携わった後、会社より極秘に100万本売れるゲームを作るという指令を受けます。そこで新IPの対戦格闘ゲーム、Devil May Cry風のアクションRPG、コマンド式のRPG、シミュレーションゲーム、心理系の対戦ゲームまで、様々な企画を練り、2000年頃に『Dragon's Dogma』や“ポーンシステム”の原型に当たるRPGのアイデアが既に生まれていたというのです。

ところが、『Devil May Cry 2』のディレクター交代劇で自分に白羽の矢が立つというハプニングがあり、RPGプロジェクトはいったん凍結。2008年になって再びプロジェクトが再開し、伊津野氏はその当時作成した企画書を実際に披露しながら話を進めました。

キーコンセプトは、ネット上の掲示板(BBS)に書き込みをしたり、それに対するレスを見て楽しむ感覚をゲームに取り入れるというもので、企画名は『BBS-RPG』あるいは『ちょっとだけオンライン』。常に他のプレイヤーや世界とつながり続ける一般的なオンラインゲームやMMORPGと違い、自分が好きな時に、周りを気にしないで楽しめるのが特徴。これが、AIパーティーメンバーであり、自分で育ててオンラインで共有できる『Dragon's Dogma』の“ポーン”システムの原型です。

しかし、2008年は現在のようにスマホも普及しておらず、ソーシャルサービスも一般的ではなかったため、会社ではこの企画がなかなか通らなかったそうです。当時“CMC(カスタマイズ可能な傭兵コミュニケーション)”と呼ばれていたポーンを仲間と貸し借りするシステムは、カプコン社内のネットワークで実際に導入してみて、はじめて魅力が理解してもらえたと伊津野氏。

また、オープンワールドという新しいジャンルも開発における大きな課題でした。そもそも、オープンワールドというジャンル自体が日本ではあまり認知されていない時期で、伊津野氏は『The Elder Scrolls IV: Oblivion』、『Fable II』といった海外作品を例にとって、会社を説得。予算内で製品化するための、アイデアの規模縮小やデザインの変更についても明かされました。島々で構成され、かつ“無限の塔によって連結されるパラレルワールド”というあまりに複雑で壮大なワールド設定は、現在の大陸型マップに変更。

それまで社内にノウハウのなかった、キャラクタークリエイションシステムの作成にも力が注がれました。海外の大型RPGにも負けないような、カスタマイズ性と自由度を持ったエディターで、社内向けのプレゼンテーション映像を制作してまで導入に踏み切ったそうです。このキャラクターエディットの髪型のバリエーションも、予算的な理由により当初用意されていた数から大幅にカットされることに。

伊津野氏の講演中には、これらボツになった素材やアイデア、かつて池野氏が手がけた未公開のコンセプトアートが次々と披露。さらには『DmC』が発表された2010年の東京ゲームショウで公開を予定していたものの、クオリティー面で取りやめになったいわくつきのトレイラー映像も流されました。

このような波乱と試行錯誤を経て正式発表され、ユーザーの手に渡った『Dragon's Dogma』は、一番最初に目標としていた100万本のセールスを達成(その後目標は大幅に引き上げられていたそうですが……)。伊津野氏は、ユーザーの多くがゲームを複数回クリアし、続編を望んでいると報告。レビューの評価はばらつきがあったといえ、10年以上も前から温めた企画がようやく世に出たということもあり、感慨深いものがあるようです。
《谷理央》

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