【CEDEC 2012】薪割りが趣味の川西裕幸氏が最後に取り組んでいた「UX」って何だ? | GameBusiness.jp

【CEDEC 2012】薪割りが趣味の川西裕幸氏が最後に取り組んでいた「UX」って何だ?

CEDEC2012のトレンドとして、UX(ユーザー・エクスペリエンス)や、UXD(ユーザー・エクスペリエンス・デザイン)関係のセッションが増えたことがあります。UXとはある製品やサービスを利用したり、消費した時に得られる体験の総体のこと。そしてUXDとは、この体験をユ

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CEDEC2012のトレンドとして、UX(ユーザー・エクスペリエンス)や、UXD(ユーザー・エクスペリエンス・デザイン)関係のセッションが増えたことがあります。UXとはある製品やサービスを利用したり、消費した時に得られる体験の総体のこと。そしてUXDとは、この体験をユーザーに提供するために必要な設計手法だと整理できます。

もっともゲーム業界では、UXやUXDという議論は発生しませんでした。というのもゲーム業界におけるUXとは「遊んだゲームがおもしろかったか否か」であり、UXDとは「おもしろいゲームを作り出すこと」に他ならないからです。そのためUXやUXDに関する議論は、主にウェブ業界や業務用アプリケーション開発の分野で蓄積されてきました。そしてソーシャルゲーム市場の拡大と共に、ウェブ業界からゲーム業界への進出が続く中で、改めてゲーム業界でも重要視されるようになってきた概念だと言えるでしょう。

こうした中で、CEDECでは昨年12月に急逝された故・川西裕幸氏の功績を称えて「UXデザイン入門/薪割りが趣味の川西裕幸さんが最後に取り組んでいたこと」という特別招待セッションが行われました。マイクロソフトのエバンジェリストとして活躍し、CEDECの立ち上げにもかかわった川西氏が、最後に取り組んでいたのがUXDだったのです。講演ではUXやUXDの概念から、実際のデザインプロセスまで、わかりやすく解説されました。

■UXDを導入するメリット
講演は三部構成で行われ、はじめにマイクロソフトの高橋忍氏がUXDの概要を説明しました。次にミツエーリンクスの栗山進氏と潮田浩氏が、UXDに基づくデザインプロセスについて解説しました。なお本講演の内容は書籍「UXデザイン入門―ソフトウェア&サービスのユーザーエクスペリエンスを実現するプロセスと手法」に詳しいので、興味を持たれた方は一読をお勧めします。

はじめに高橋氏は、これまで業務用アプリの世界では納期や品質が重視され、UX視点でのデザインプロセスがなかったと切り出しました。これにはゲームがエンドユーザーに向けて開発されるのに対して、業務用アプリではクライアイントと利用者が異なるのが一般的という、ビジネス形態の違いもあります。結果として生産性が上がりにくいアプリが、次々にリリースされてきました。タッチインターフェースやモーションコントローラなど、UIやデバイスが進化しても、依然として使いにくいアプリ問題は残されたままです。

これがUXDの手法を取り入れることで、ユーザーにとって使いやすく、クライアントにとって費用対効果が高まり、開発会社にとっても他者との差別化や、競争力の向上に繋がるという、誰にとっても望ましい効果が生まれます。しかし、そのためにはUXDを、実装やテストといった下流工程ではなく、企画・設計という上流工程で行う必要があります(「UXデザイン入門」では、UXDを「実装前に、デザイン調査からプロトタイプを制作するプロセス」として定義されています)。この点が最大のポイントだと言えるでしょう。

UXDは「デザイン調査」からはじまり「ユーザーモデリング」「ストーリーボード」「スケッチ」「プロトタイプ」と続いていきます。以下では栗山氏と潮田氏の講演内容から、各ステップでの内容について整理していきましょう。

■UXDの具体的なプロセス
(1)デザイン調査
どんなに美味しい料理でも、ダイエット中だったり、アレルギー食材が入っていたりすると、美味しく感じられません。同じようにサービスを設計する上でも、誰が、どんな状況で、何を達成したいか、はじめに調査が必要です。このプロセスがデザイン調査です。具体的にはユーザーインタビューやアンケート、フィールドワーク、コンテクスチュアル・インクワイアリ(ユーザーの文脈に入り込んで質問を行う調査法)などがあります。

講演では地下鉄の自動販売機の売り上げ増進事例が紹介されました。ホームの乗客の行動を観察したところ、地下鉄で自動販売機を利用するお客は、購入時に腕時計で時間をチェックする傾向がみられました。最大の関心事は飲み物の選択ではなく、次の列車までに飲み干せるか、だったのです。そこで自動販売機の上に時計を設置したところ、売上増進がはたせたのでした。

(2)ユーザーモデリング
デザイン調査で得た膨大なデータを、チーム間で共有することは不可能です。そこでデータからパターンを見いだして、仮想的な「個人(=ペルソナ)」を作る手法があります。このステップをユーザーモデリングと呼びます。同じデザイン調査から複数のペルソナが生まれることが一般的です。

この時に、箇条書きで性格などを列挙するのではなく、ある目的を達成するためにシステムを利用するプロセスと結果などを、物語風に描き出すことがポイントです。その上でペルソナの「ゴール」(通販サイトで目的の商品を購入する際に、価格、デザイン、機能をパッと見て、希望の条件を満たす物を見つけたい)を設定します。

また、ペルソナには優先順位をつけることが重要です。ビジネス上の判断にもとづき、最優先となる主役ペルソナ、多少異なるニーズを持つ脇役ペルソナ、主たる顧客とはならない顧客ペルソナに分けて、ターゲットの絞り込みを行います。でなければ誰のニーズも満たせない製品になってしまうからです。こうした観点からも、UXDが開発プロセスの上流工程にあることがわかります。

(3)ストーリーボード
ストーリーボードとは、ペルソナがゴール達成するための最良のストーリーを、絵コンテ形式で表現したものです。画面がUIについては考えずに、ペルソナの理想的な体験を記述することに注力します。魔法のインターフェースがあると仮定しましょう。感情を表すアイコンなども付記します。

ただし、コストや技術面といった、現実や制約を無視してはいけません。例として、子どもを不安がらせないCTスキャナの改修事例があります。このときCTスキャナ自体に手を入れるのではなく、子どもがあらかじめCTスキャナの意味を理解できるように、ぬいぐるみで疑似体験するステップが加えられました。UXDは理想を語るものではなく、現実的な制約の中で理想的な体験をデザインする手法なのです。

(4)スケッチ
ストーリーボードにもとづき、画面やUIをスケッチします。ストーリーボードを作り、そこから機能と情報を整理して、スケッチを作成するというプロセスを繰り返します。ポイントは、たくさん作って、どんどん没にしていくこと。発想のたたき台にできるように、ラフにかくこと。部分だけで考えず、全体構成や操作体系にも気を配ることです。主役ペルソナにとって最も重要なストーリーが一番に達成されるように注力してください。

(5)プロトタイプ
スケッチに基づいてプロトタイプを作成します。スケッチがアイディアの創出や具体化を行う「探求・発散ステージ」であるのに対して、プロトタイプはユーザーや顧客が評価する「改善・検証ステージ」です。スケッチとプロトタイプを繰り返し、徐々にデザインを集約させていきます。よく使用するデザインパターンを応用することもオススメです。

またユーザーのインタラクションをデザインする場合、いくつかのポイントがあります。中でも「操作に対称性をもたせること」(ファイルのカット&ペーストのように、ある操作と逆の操作が、それぞれ保証されていること)。「選択肢の数やデータ量に応じてデザインすること」(一度に表示するアイテム数が3個と10個と100個の場合は、それぞれ求められるUIが異なる)などが重要となります。

最後にUXDは非常に若い研究分野であるにもかかわらず、さまざまなコミュニティや勉強会、学会、大学などがあります。こうした活動に積極的にかかわっていくことも重要だと述べられ、講演が終了しました。
《小野憲史》

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