【DEVELOPER'S TALK】世界観も開発体制も一新!『ソウルキャリバーV』世界一の武器格闘ゲームであり続けるための挑戦 | GameBusiness.jp

【DEVELOPER'S TALK】世界観も開発体制も一新!『ソウルキャリバーV』世界一の武器格闘ゲームであり続けるための挑戦

3D武器対戦格闘ゲームという新境地を切り開いた『ソウル』シリーズ。同シリーズはまた、ゲームならではのインタラクティブサウンドでも高い評価を得ています。一方でナンバリングタイトルとして3年ぶりの新作となる『ソウルキャリバーV』では、自社の開発チームを精鋭で

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3D武器対戦格闘ゲームという新境地を切り開いた『ソウル』シリーズ。同シリーズはまた、ゲームならではのインタラクティブサウンドでも高い評価を得ています。一方でナンバリングタイトルとして3年ぶりの新作となる『ソウルキャリバーV』では、自社の開発チームを精鋭で
  • 3D武器対戦格闘ゲームという新境地を切り開いた『ソウル』シリーズ。同シリーズはまた、ゲームならではのインタラクティブサウンドでも高い評価を得ています。一方でナンバリングタイトルとして3年ぶりの新作となる『ソウルキャリバーV』では、自社の開発チームを精鋭で
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  • 3D武器対戦格闘ゲームという新境地を切り開いた『ソウル』シリーズ。同シリーズはまた、ゲームならではのインタラクティブサウンドでも高い評価を得ています。一方でナンバリングタイトルとして3年ぶりの新作となる『ソウルキャリバーV』では、自社の開発チームを精鋭で
3D武器対戦格闘ゲームという新境地を切り開いた『ソウル』シリーズ。同シリーズはまた、ゲームならではのインタラクティブサウンドでも高い評価を得ています。一方でナンバリングタイトルとして3年ぶりの新作となる『ソウルキャリバーV』では、自社の開発チームを精鋭で固め、外部企業との連携が強化されました。開発体制やミドルウェア活用の工夫などについて、お話をお伺いしました。

■参加者

夛湖久治プロデューサー。これまでは『機動戦士ガンダム 戦場の絆』など、主にアーケード機中心に開発を手掛ける。本作ではプロデューサーとして全体を統括。
中鶴潤一リードサウンドデザイナー/コンポーザー。サウンドディレクターとしてゲームサウンド全体の統括、ディレクション、楽曲制作等を行う。
矢野義人リードサウンドデザイナー/コンポーザー。本作では主にゲーム内サウンドの統括を担当。
船田純一サウンドデザイナー。主にボイス周りを担当。いくつかのキャラクターの声も自ら演じている。
森幸太郎サウンドプログラマー。サウンドチームとプログラムチームの橋渡し的な役割も担当。
般若徹雄プログラマー。本作ではカットシーンのプログラム、ムービーのエンコードを担当。

■聞き手
土本 学  インサイド編集長
CRI・ミドルウェア

■ソウルキャリバーV
1995年に発売された業務用格闘ゲーム『ソウルエッジ』を源流に持つ3D武器対戦格闘ゲームのシリーズ最新作。『V』は『IV』の17年後の世界という設定で、ストーリーを一新。オンライン対戦モードやキャラクターカスタマイズが楽しめるクリエイションモードなど、全編にわたってパワーアップされた。



■あらゆる意味で『IV』を凌駕した最新作

―――はじめにプロデューサーの夛湖さんを中心にお聞きしていきます。ソウルキャリバーシリーズについて概要を教えてください

プロデューサーの夛湖氏
夛湖:はい、『ソウル』シリーズは3D武器対戦格闘ゲームというジャンルになりますが、それだけでは総括できない、多彩な魅力を持っています。格闘ゲームでありながら美麗な映像や音楽が盛り込まれ、通常はおざなりになりがちな世界観の提示やストーリーモードにも、非常に力が入っています。さらにクリエイションモードと呼ばれるプレイヤー自身がキャラクターをカスタマイズできるモードや、人気ゲームからのゲストキャラクターの参戦などが特徴です。さらに『IV』からはオンライン対戦機能も盛り込みました。

―――盛りだくさんですね

夛湖:一般的に格闘ゲームといえば、プリセットされたコマンドや攻略法を、ハイエンドなプレイヤーがカリカリになって解析していく遊び方が主流です。しかし本シリーズでは、プレイヤーが自由にキャラクターをカスタマイズして、自分流に遊び方を広げていけます。ゲームを受動的にも能動的にも楽しめるんです。こんな風に、一般的な格闘ゲームの枠に収まらない内容に進化していまして、全世界で1300万本を越える人気シリーズとなりました。

―――続いて『V』の特徴を教えてください

夛湖:『V』のコンセプトは「リニューアル」でした。シリーズの源流である『ソウルエッジ』から数えると、本作は8作目となります。そのためゲーム的にもストーリー的にも新しい魅力を提示したいという思いがありました。また、格闘ゲームはオールドスタイルと言われながらも、昨今改めて全世界的に流行のきざしがあります。そこで従来のファンもさることながら、はじめて『ソウル』シリーズに触れた方にも楽しんでもらえるように、さまざまな面でシリーズを刷新しました。『IV』の17年後のストーリーとなっているのも、その1つです。

―――より間口を広げるということですね

夛湖:そうですね。もともと格闘ゲームは間口が広いシンプルなゲームでしたし、『ソウルエッジ』もいつの間にかマニア化した格闘ゲームの間口を、もう一度広げる意味合いがありました。普通の格闘ゲームならボタンと技が決まっています。しかし『ソウル』シリーズでは攻撃ボタンを連打していると、どんどんコンボがつながっていくんです。そのため「ガチャプレイ」でも、それなりに爽快感が得られます。ところが、これらは触った人でなければ分かりにくいんですね。そこを『V』ではうまく説明したいなと。

―――「より速く、より軽く」を標榜されていますね

夛湖:たとえば従来もレバー2回押しでステップ入力(ダッシュ移動)ができましたが、これを「クイックムーブ」という名称にして、より速く、派手に移動するようにしました。単に移動速度が変わった以上の爽快感が感じられると思います。『IV』の必殺技、クリティカルフィニッシュは発動条件が厳しかったのですが、今回はクリティカルゲージというシステムを加えて、コマンドも一般的なものにしました。こんな風に、わかりやすさと派手さでシステム全体を持ち上げることをテーマとしています。それを称して「より速く・より軽く」というキーワードが生まれました。

バンダイナムコゲームスのシアターにてインタビューは実施
―――ストーリーモードについて教えてください

夛湖:『IV』までのストーリーは、主人公のジークフリートが霊剣ソウルキャリバーと共に旅をして、邪剣ソウルエッジを封印するという、基本的な流れがありました。こんな風に、これまでは漠然と「霊剣」と「邪剣」が対立構造になっていたのですが、『V』ではこの関係を深掘りすることをテーマとしました。ちょっと待て、そんな単純なものではないだろうと。そのためにも過去のしがらみを切る必要があったので、17年後に進めたという経緯があります。従来のファンにも新鮮に感じてもらえると思います。

―――オンラインモードはどのように進化しましたか?

夛湖:オンラインモードは『IV』ではじめて実装されましたが、当時はまだ可能性を示したレベルに留まっていました。そこで『V』ではより快適に遊べるように、『IV』で用いられたコードではなく、『ACE COMBAT ASSAULT HORIZON』や『鉄拳6』など最新のネットワークシステムをカスタマイズして使っています。同時に力を入れたのがコミュニティ機能です。ランクマッチング機能やリプレイ再生機能、また対戦後に、対戦中にお互いが入力したコマンドが表示される機能などを搭載し、ネットの向こう側にいるプレイヤーを少しでも近くに感じてもらえるように工夫しました。ネットワーク対戦では、相手と物理的な距離が離れれば離れるほど、タイムラグが生まれてしまいます。しかし、それをユーザーの皆さんに意識させないよう、「1kmでも遠くの人と快適なオンライン対戦ができるように」ということを心がけてオンライン周りの仕組みを構築しています。

―――クリエイションモードについても教えてください

夛湖:これは実際に触ってもらった方が早いかもしれませんね。ちょっとデモしてみましょう(『太鼓の達人』のどんちゃんをモチーフにしたキャラクターが登場して対戦する)。腕や足など特定部位の太さを変えたり、筋肉量を変えたりもできます。『IV』と異なり、プリセットされた声の太さや高さを変えても、喋るスピードが変化しないようにもなりました。他に剣の軌跡など、さまざまなエフェクトも変えられます。こんな風に、作れないキャラクターはない、というくらい気合いの入った物になっています。オリジナルのキャラクターを作って対戦してみて欲しいですね。

キャラクタークリエイションでは更に自由度の高いキャラ作りが可能に


■開発チームが解体!?新体制で始まったゲーム開発
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―――では続いて、『V』の開発について具体的にお聞きします。『IV』から『V』の間に3年間のブランクがありましたが?

夛湖氏
夛湖:実際は『IV』(2008年7月)の次にPSP版の『ソウルキャリバーBroken Destiny』(2009年8月)があったのですが、実はそこでプロジェクトが事実上解体しました。というのも『ソウル』シリーズは社内で一線級のクリエイターが集まっており、彼らを分散し、新規IPを創り出そうという動きがありました。実際にそこから花開いたタイトルもありました。一方で国内外のコアゲーマーから続編の要望も根強く、オリジナルの開発メンバーの熱意も高まっていました。このタイミングがかみ合って、2010年5月に開発がスタートすることになったのです。

―――実質的な開発期間は1年半だったのですね

夛湖:はい、シリーズでは短い方でした。開発スタッフも『IV』では最大で140人くらいでしたが、今回は80人です。一方で2012年2月に全世界で発売するというスケジュールは決まっていたので、作り方を工夫する必要がありました。そこで外部の協力会社さんとの積極的なコラボレーションを考えました。カットシーンの演出などでは、インゲームムービーで革新的な映像を創られていたサイバーコネクトツーさんの門を叩きましたし、サウンドでは音楽制作会社のCreative Intelligence Artsさん、効果音作成に定評のあるフォースウィックさんをはじめ、外部クリエイターの方に素材制作をお願いしています。

―――サイバーコネクトツーさんの起用は『NARUTO』などの実績を考慮してですか?

夛湖:それもありましたが、静的な人間ドラマではなく、動きのあるドラマが得意なスタジオということで、ご相談にあがりました。オープニングのカットなども同社の演出です。カメラの動き方やカット割りなども、これまでのシリーズとちょっと違います。『IV』と見比べると、微妙な味わいの違いが感じられるかもしれません。なお、ムービーのエンコード、再生にはCRI・ミドルウェアの「CRI Sofdec2」を使っています。

―――サウンド面でCRIのミドルウェア「CRI ADX2」を全面的に導入されたのも、やはり開発体制の変化が理由の一つでしょうか?

夛湖:はい、限られた時間の中で十分な品質を満たすために、パートナーを選んだ結果です。

長年ソウルのサウンドに携わる中鶴氏
中鶴:サウンドチームから補足すると、CRIさんのミドルウェアは『IV』でも採用して実績がありました。一方でサウンドチームは『IV』では7名でしたが、『V』では3名に限定しました。さらに、開発のスタート段階で社内のサウンドライブラリを次世代のものにアップデートする計画がありました。開発リソースが限られている中で、サウンドライブラリにおける不確定要素をできるだけ減らすことを考えると、『V』では「ADX2」を全面的に導入することが現実的でした。そして、それだけの成果は得られたと思います。

―――なるほど、ソウルキャリバーシリーズのサウンドは国内外から非常に高い評価を受けていますが、大きな体制変化の中、今回はどのようなサウンドづくりが行われたのか、詳しくお聞きしたいと思います

中鶴:ではまず、サウンドチームの紹介ですが、自分はサウンドディレクターとして、予算やスケジュール管理を含めて、サウンドの全体統括を行いました。矢野はインゲームのサウンド統括を行っています。森と共に「ADX2」でサウンドシステムの設計も担当しました。最後に船田は音声収録と編集、実装を担当しています。アイオーンとヴォルドというクリーチャー系キャラクターでは、ボイスも担当しました。

―――まさに少数精鋭ですね。森さんと般若さんについても、ご紹介いただけますか?

中鶴:はい、森は開発チーム専属のサウンドプログラマーとして、サウンドチームとプログラムチームの橋渡しを担当しました。今回は「ADX2」を使用することで、多くのことがサウンドチーム内でできるようになりましたが、それでもプログラマーの手を借りる必要がある時は、森が窓口となりました。最後に般若はムービーのエンコードを行いました。開発全体ではカットシーンのプログラムを担当しています。

■大幅なサウンド開発体制の変化

―――ありがとうございます。では最初に『V』のサウンドコンセプトを教えてください

中鶴:いくつかキーワードがありましたが、まとめると「リニューアル」「アーケード回帰」「シームレス」「メイドインジャパン」というところでしょうか。これらを限られたリソースで実現するために「プロトタイプ」「役割分担」「サウンドシステムの見直し」を行いました。

―――それぞれ説明をお願いします

スライド資料を交えて紹介してくれた
中鶴:「リニューアル」については、先ほど夛湖の方から説明があったと思います。その上でサウンドチームとしては「アーケード回帰」をテーマとしました。もともと『ソウル』シリーズはアーケードが原点でしたから、サウンドもわかりやすさや、スピード感、迫力重視で作られていました。アーケード環境は周囲が賑やかなので、サウンド側もそれに負けないように、自分がゲーム中に置かれている環境を、わかりやすく説明する必要があるんです。そしてシリーズが家庭用ゲーム機になって、技術進化と共に表現の幅が広がったのですが、だんだん「わかりやすさ」という点がぼやけてきたんです。それを再び原点に戻そうと。

―――冒頭の「間口を広げる」話ともつながっていますね

中鶴:そうですね。一方でわかりやすさを追求すると、いかにも記号的なサウンドになってしまいます。格闘ツールとしてなら良いんですが、『ソウル』シリーズは世界観やストーリーも重視しているので、それだけではサウンドが浮いてしまうのです。極端な話、ドラマチックな演出の後にバトルが始まって、いきなり「ROUND1 FIGHT!」というナレーションが入ると、興ざめに感じる人がいるかもしれませんよね。そこを両立させる上で、流れを断ち切らないようなシームレスな音作りをめざしました。他に世界観の理解を助けたり、キャラクターに思い入れが持てるような音作りにも力を入れています。

―――なるほど

中鶴:また『ソウル』シリーズは日本以上に海外市場で受け入れられているタイトルなので、本作でも海外市場を意識した取り組みを行っています。カットシーンでキャラクターのリップシンクが英語の台詞ベースになっているなどは、その一例です。北米でのボイス収録と同時に声優さんの表情をキャプチャー撮影し、それにあわせてアニメーションを作成しました。そのため日本語版は洋画の吹き替えのような形になっています。しかし、あくまで日本人が作っているものですから、僕らが海外ゲームのまねをしても意味がないですよね。そこで海外重視なんだけど、メイドインジャパンを意識して作っています。

―――そこは重要な点ですね。では、具体的にどのような体制で臨まれたのでしょうか

中鶴:まずはゲームサウンドを作る上で、サウンド先行でプロトタイプを作成しました。サウンドチーム内で、あるシーンに対して、サウンドを通してどのように演出したいか、イメージを共有したんです。それをプログラムやグラフィックなどのチームに伝達し、作業をしてもらうようにしました。このようにゴールを明確にしたことで、チーム全体で完成形が共有できたと思いますし、それぞれの役割のイメージも明確化したと思います。ちなみに、このプロトタイプ作成で「ADX2」が非常に有効でした。

―――プロトタイプについては、後で詳しく掘り下げるとして、続きをお願いします

中鶴:はい、協力会社さんとコラボレーションするにあたり、社内でできる作業と、協力企業にお願いする作業を最初から明確に切り分けることが求められました。これまでもこうしたことはありましたが、特に今回はそれが徹底された形です。具体的にはSEやBGMなどの素材制作を外部のクリエイターにお願いし、自分たちは上がってきた大量の素材を吟味して、いかに活用するかに専念しました。最初は不安もありましたが、最終的にはディレクションに注力することで得られた成果の方が大きかったですね。

―――そして最後が「サウンドシステムの見直し」ですね

中鶴:はい、「ADX2」の全面的な採用ですね。経緯としては先ほどお話しした通りで、少ない社内リソースで高いクオリティを維持するためにはどうするべきかを検討し、決定しました。もともと『IV』では社内のサウンドライブラリに「CRI ADX(ADX2の1世代前の製品)」の一部の機能を統合していました。『V』では、ファイルシステムやサウンドシステムが統合された「ADX2」に移行することにしたんです。初期構築は2か月ほどで、開発初期から「ADX2」で音を鳴らすことができました。

サウンドプログラマの森氏
森:実は音を鳴らすだけならすぐにできました。キャラクターの位置や、移動に伴ってリアルタイムに変化するサウンドの変化など、『IV』ではプログラム側で制御していた内容を、『V』では「ADX2」を使ってサウンドデザイナーだけで調整できるようにしたんです。その他もろもろの調整を含め、2か月程度で完了しました。特にトラブルもなくすんなりできましたね。システムの入れ替えという意味では、かなり短期間でできたのではないでしょうか。

―――それが「プロトタイプ」につながったのですね

中鶴:そうですね。『V』のプロトタイプ制作のために、『IV』のサウンドシステムを「ADX2」で鳴らすということを行いました。ゲーム自体は『IV』でしたが、サウンド周りを「ADX2」にすることによって、さまざまな音を試行錯誤しながら作れたのは画期的でしたね。

―――実際にゲームを動かしながらプロトタイプを制作することで開発に変化はありましたか?

中鶴:はい、効率が全然違いますね。ゲームサウンドというのは、ツール上でいくら素材だけ作っても、インゲームで走らせて、実際に遊んでみないと効果がわからないんです。それが「ADX2」を使ったことで、すぐに実機上で確認できました。その後もサウンドデータを差し替えるだけで実験が簡単にできましたね。ゲームディレクターに説明する際も、実際にゲームに組み込んで確認できたので、非常に説明が容易でした。

サウンドを担当した矢野氏
矢野:実際、開発の序盤では「ADX2」のサウンドオーサリングツールで遊んでいましたね。楽しみながら、いろいろな試行錯誤を繰り返していきました。たとえば剣を振る時の「素振り音」についても、上から下に振り下ろす時と、下から上に振り上げる時では、それぞれ音の表情を変えたいと思ったんです。そこで、素振り音の種類を増やすことを森に相談しておき、あとは自分のほうで、素振りの音に音程のオートメーションを書くことで、簡単に実現できました。

森: 僕の方で基本的な環境を整えて、矢野がさらにSEにものすごく細かい変化を付けてくれました。『IV』まではサウンドコンセプトを検証したり、何かアイディアを試す時も、プログラマーの手を介する箇所が多々あったので、本当に驚きでしたね。

■ADX2の機能を使い倒すことで生まれた表現の数々
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―――偶然で生まれたサウンドもありましたか?

矢野:『V』ではキャラクターの体力が減ると心拍音が鳴るんです。これは自分がインナーイヤホンを装着してゲームを遊んでいた時、自分の心拍音が聞こえてきたのがヒントになりました。それで通常の心拍音より、少し速い鼓動で鳴らせば、プレイヤーの緊張感も高まるんじゃないかと思ったんですよ。さらにキャラクターの距離で音量が変わるようにもしました。これらを「ADX2」の「AISAC(アイザック)(※)」機能を使って調整したところ、1日で実現できました。

※「AISAC(アイザック)」…「ADX2」の機能。サウンドの音量やエフェクト、ピッチなどのパラメータを状況によって変化させ、インタラクティブなサウンドを作成できる機能。

森:実は、僕は心拍音が実装されたのは知らなかったんです(笑)。それで初めて体験した時は驚きました。こういう細かいネタは、プログラマーによっては敬遠されて、先延ばしになりがちなんですね。それがキャラクター間の距離データを提示するだけで、いつの間にか実現されていたので、非常に良かったです。

矢野:もともと縄張りを侵害された時の音の変化は『ソウル』シリーズを通しての自分の課題でもありました。それがこんな風に実現できたのは嬉しかったですね。他にも体力が減った時の呼吸音なども、簡単に設定できました。剣を振るう時に体力が少ないと「やっ!」「えいっ!」などの掛け声の後に、一瞬「すっ」と息継ぎをする音を組み込んだんですよ。

中鶴:ゲーム内の臨場感を出したかったんです。もっとも、純粋な格闘ゲームとして考えれば、これらは必ずしも必須とは言えないんですよ。それでも臨場感を考えれば、疲れている時の表現を盛り込みたい。プレイヤーの体力が減った時に動きを鈍くしたり、といったことはゲーム上難しいので、モーションで表現できなくても、サウンドだけで何かできないか。まだまだ、いろいろあると思います。それをプログラマーさんの手をわずらわせずに、自分たちでできるようになったのは嬉しいですね。

―――サウンドとボイスの総量はどれくらいですか?

サウンドの船田氏
船田:ゲーム中のボイスデータは日本語・英語あわせて16,000個くらいです。
矢野:SEは武器関連が約700個、足音は複数の床素材や靴の種類があって400個。衣装やアクセサリーなど合わせると、全体で2,000個くらいですね。武器も剣で攻撃する時と柄で攻撃する時は音が違いますし、必殺技などもあって、かなりの数になります。

中鶴:素材レベルで2,000個、それをピッチなどを変えることで5倍にも10倍にも多彩に見せています。これらに加えてボイスやナレーションなどが被さってきます。最大同時発音数は42音です。

―――オプションのSE設定でユーザーが効果音のニュアンスを「リアル」、「デフォルメ」というパラメータで数段階に調整できる機能は面白いですね

矢野:実は同じキュー(※)の中に2つのサウンドデータが入っていて、ミックスバランスで調整しています。「AISAC」のパラメータでローパスフィルター、ハイパスフィルター、ボリュームのバランスを調整しているだけなので、かなり楽にできました。

(※)「キュー」…「ADX2」の概念で、どのサウンドをどのように再生するか、を予め設定したデータ。プログラマーはどのキューを再生するかを指定するだけで、サウンドデザイナーが設定した音を簡単に再生できる。

『V』で実際に使われた「ADX2」ツールの設定画面の一部。 下部のグラフでフィルターを調整している


中鶴:もともと効果音の好みは世界中で違うんです。映画などでも、ハリウッドの効果音は鋭くて細いのですが、日本では時代劇の影響で「ぶしゅっっっ!」という鈍くて太い音が好まれます。これまでは間を取るか、作り手の押しつけが多かったのですが、海外ファンにも配慮しようと言うことで、お好みで調整できるようにしました。

夛湖:実は海外でも日本語のボイスで遊びたいというファンはかなりいるんですよ。取材などでも必ず訊かれるポイントです。だったら、そこも将来的に遊びにできればいいなと。今はまだプリセットされた効果音やボイスを選ぶ段階ですが、やがて自分たちで、そこの部分もクリエイトできるようになっていくと思います。今回もCRIさんにはかなり無茶を言わせてもらいましたが、対応いただいて感謝しています。



■リアルタイムに変化するサウンドがもたらす効果

―――他にも「ADX2」を使って、何か面白い表現をされた点があれば、教えてください

矢野:ダメージの強さで武器の音を変えました。ダメージが小さい時は高域の成分を少なくして鈍めの音にして、ダメージが大きい時は高域の成分を強めて金属的な音にしました。これらも「AISAC」で調整しています。

中鶴:他には、音のボリュームを優先度でコントロールして、重要な音を目立たせる「REACT(リアクト)」という機能を使って、ゲームの全体的な音量をコントロールしました。これまでのシリーズでは、業務用の「わかりやすさ」を引きずって、どの音も最大音量で鳴らしていたきらいがありました。特にバトルの勝敗がついたシーンでは、決着音やSEやボイスや技のSEや、あれやこれやで、結果的にどんな音が鳴っているのか、よくわからない状態になっていました。それを交通整理して、その場、その場で一番大事な音がきちんと聞こえるように調節したんです。

矢野:バトル中は「REACT」を4箇所くらい設定して、音のコントロールをしました。キャラクターが水たまりに落ちた時は、水しぶきの音がはっきり聞こえるようにしたり、バトルでナレーションが再生されている時はそれ以外の音を下げたりとか、立体的なサウンドデザインができたのが良かったですね。これ以外に「AISAC」をループさせて、環境音の印象がランダムで変わるようにもしました。毎回サウンドの感触が違うというのは、臨場感をアップさせるのに効果的ですから。

爽快なサウンドが爽快なゲームを作り出す


―――文字通り使い倒されていますね

矢野:ストーリーモードのローディング時に、画面に何も表示しなくても、音は鳴らしたいというオーダーが企画の方からありました。しかし、メモリ容量が厳しかったんですよ。そこで低域には戦場の音、中域には風の音、高域には異空間の音、最高域には光の音が同時に存在する1つの波形データを作りました。そして「ADX2」のオーサリングツールで読み込み、ローパスとハイパスで帯域を選んで、フィルターを切り替えて鳴らすようにしたんです。これによって1つのサウンドデータで4種類のサウンドが鳴るようにできました。これによってメモリ使用量が1/4に減ったんです。それもツールで遊んでいるうちに、できました。

夛湖:そういった変態的な使い方が弊社の特徴です(笑)。

『V』で実際に使われた「ADX2」ツールの設定画面の一部。 フィルターを切り替えることで4種のサウンドを再生している。本画面は異空間の音。


矢野:その後ピッチやボリュームを変えるなどして、1個の波形から12個の背景音を作るなどしました(笑)。

中鶴:そこも先ほど説明した「シームレス感」の追求ですね。今までだとローディング時に無音状態になるというのは、ある意味で当たり前でした。単純な格闘ゲームだとそれでも良いのですが、せっかくストーリーモードで気持ちが高まったのに、無音状態のままだと気持ちが冷めてしまいますよね。

―――ロード時間も短縮されている感じですね

森:『IV』と『V』ではキャラクターセットやロードの方法などが変わっているので、単純比較はできませんが、だいたい30%くらい短縮できています。

矢野:ロード中のBGMはオンメモリで持っています。他のBGMのアクセスがない代わりに、データを読むことに集中できました。BGMが流れることで、ロード時間の心理的な軽減効果も達成できました。

―――他にインタラクティブサウンドで面白い使い方をされたそうですね

中鶴:オンラインモードで、ロビー→キャラクター選択→アイテム選択→ステージ選択とプレイヤーの状況が変わっていくにつれて、BGMをだんだんと盛り上げていく演出を作りたかったんです。これを「ADAMS(アダムス)(※)」の複数トラックを動的に切り替える機能で実現しました。

※「ADAMS(アダムス)」…「ADX2」の機能。WAVファイル(録音した音声データ)に拍(リズム)の概念を取り入れることで、プレイヤーやゲームの状況に応じて音楽の切り替えや音の重ね合わせなどを自然に行うことができる。

―――なるほど

中鶴:これまでのように、決まったサウンドをループで再生するのは、一世代前のやり方かもしれません。状況に応じてリアルタイムにサウンドを変えていくやり方は、これから必須になると思います。今回も試験的に入れてみました。「ADAMS」をはじめ技術的土壌が揃ってきたので、それらをどんな風に使うか、クリエイターの腕の見せ所ですね。

■密なコミュニケーションがもたらした安心感
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―――PS3とXbox360のマルチタイトルということで、圧縮などに苦心された点はありませんでしたか? それぞれディスク容量が違うハードなので

中鶴:「ADX2」に搭載された新しい音声コーデック「HCA」を使うことで、従来よりも圧縮できました。その結果、サウンド数は増えましたが、容量は減っています。いつもサウンド容量で盤面を消費すると言われていたので、貢献できましたね。両機種ともサウンド容量は全体の5%で、ムービーが25%、残りがキャラクターモデルやモーション、ステージデータなどとなっています。特に今回はステージが精密になっている分、データ容量が増えました。

―――ムービーでは「CRI Sofdec2」を使用したとのことですが

ムービー周りを担当した般若氏
般若:はい、ムービーをエンコードする際も、GUIでビットレートを選んでバッチ処理をするだけで、特にトラブルもなく作業が終了しました。「あ、できちゃった」という感じです(笑)。画質にも大変満足しています。

「Sofdec2」では1つのムービーデータに複数の言語の音声データを持たせることができる「マルチリンガル機能」も使いました。映像の部分を共通化できるので、データ量を大幅に減らすことができました。日本語・英語2か国語分の5.1chサラウンド音声データを入れています。

―――「ADX2」ではファイル圧縮やストリーミング管理などを行う「ファイルマジックPRO」というミドルウェアが統合されましたが、活用されましたか?

森:「ファイルマジックPRO」については『Broken Destiny』でも使っていました。他のファイルシステムを使うアイディアもありましたが、「ADX2」の導入が決まった時点で、あわせて採用しました。データ圧縮やストリーミング再生時のデータ裏読みなどで使用していて、ロード時間の短縮に貢献しています。

―――今回は技術サポートでCRIとバンダイナムコゲームスの間で毎月、定期的なミーティングが行われたとのことでしたが、効果はどうでしたか?

中鶴:電話やメールに加えて、お互いの顔を見合わせて気軽に言い合える場ができたので、とても良かったですね。僕らも社内ライブラリから乗り換える以上、それと同等の安心感が欲しかったですし、「ADX2」ツールのブラッシュアップに自分たちも参加させて頂いているという意識もありました。そうして洗練されたツールは、最終的に自分たちが使うことになるわけですからね。特にサウンド面については、こちらもいろいろとやりたいことがあったので、助かりました。ツールやライブラリって、実際に使ってみて初めてわかることも多いと思うんですよ。たとえばボイスデータを15,000個、同時に読み込む上で楽な方法はないか、なんて聞いたこともありましたよね。

CRI:15,000個には驚きました。でも、それが必要なことはツールの開発時には気づけませんでした。意見を言っていただいてすぐに反映しました。

森:こうしたサポートメールでは聞きにくいことを、定例ミーティングで言えたのは良かったですね。

―――今後挑戦したい技術的課題を教えてください

中鶴:漠然としていますが、全体的なゲームの流れや演出について、サウンドも含めて考えていきたいですね。今のゲームはモード切替型の縦割り的な構造が主流ですが、そこをもっとシームレスにしていくイメージでしょうか。技術は発達しても、それを使うのはクリエイターなので、そこを煮詰めて勉強していきたいですね。

矢野:『ソウル』シリーズが世界ナンバー1の武器対戦格闘ゲームであり続けるために、今後もさらに成長していきたいですね。より興奮度というか、プレイして熱くなるための表現を磨いていきたいなあと思います。開発環境の面ではプレビュー環境の強化です。パラメータの変化をリアルタイムにミックスダウンして実機上で鳴らせるようにして、空いた時間を新しい表現を考えるために使いたいですね。

船田:「自分の声のクリエイションキャラで対戦」を実現してみたいですね。今はプリセットされたボイスデータでプレイしていますが、将来的にプレイヤー自身の声を当てられるようになれば、遊ぶ側も白熱するでしょうし、没入感も出ると思います。

森:『V』ではサウンドデザイナー側で多くのことができるようになりましたが、それでもまだプログラマー側を介していることが多いんです。そこをいかにサウンドデザイナーだけで実現できるような環境を作れるかが求められていると思います。それこそゼロタイムで、新しい挑戦を繰り返し行えるようにしたいですね。まず自分の関わっているプロジェクトで、そうした環境構築のノウハウをためて全社的に広げていければいいなと思っています。

般若:ムービー圧縮については、ある程度ツールが熟成されてきました。それでも細かいところは改善の余地があるので、地道に見えるかもしれませんが、1つずつ取り組んでいきたいですね。

■世界一の武器対戦格闘ゲームに向けて

―――今後ゲームプラットフォームが進化していく中で、サウンドはどのように変化していきますか?

中鶴:メロディ、リズム、ハーモニーという音楽の基本的な要素については、今後も変わらないと思います。むしろ、それらをどのように活用して、プレイヤーの心理をコントロールしたり、より楽しめるような感覚に持って行くか。そのためのツールや使い方が進化していくのではないかと思います。状況に応じてBGMがリアルタイムに変化していくなどはその一例でしょう。その上で何曲か楽曲データを持っておき、状況に応じてループ再生が広がっていったり、フレーズ自体もプレイの実績に応じて更新されていったり。そんな風に音楽や効果音の素材自体よりも、プレイヤーが操作した結果に追従して、よりサウンドが変わっていくと良いと思いますし、そうしていきたいですね。

―――サウンドトラックも発売されるそうですね

中鶴:はい、Creative Intelligence Artsさんから、1月31日に音楽CD「SOULCALIBUR V Original Soundtrack」が発売されました。全3枚組+DVDというパッケージで、レコーディングのメイキング映像も入っています。全部で56曲で、インゲーム+ストーリーモードの楽曲が入っています。

―――では最後に、開発者に向けてのメッセージと、ユーザーに向けてのメッセージをそれぞれお願いします

中鶴氏
中鶴:まずお客様に向けて、いろんな意味で新しい『ソウルキャリバー』に変わりました。今まで遊んでいた方々も、これから遊ばれる方も、いろんな驚きや発見があると思います。ゲームを隅々まで楽しみながら、いろんな発見をして欲しいですし、僕らの音が手助けできれば嬉しいですね。

開発者の方々には、今回僕らはいろんな人とチームを組みました。その上で技術やテクニックも大事ですが、最終的にはコミュニケーションだと実感しました。技術がいくら進んでも最後はコミュニケーションですし、開発者同士が言葉で会話して、お互いにやりたいことを共有して、完成形に向かって進んでいく大事さは変わらないと思います。綿密なコミュニケーションをとって、良い物を創っていきましょう。

矢野氏
矢野:『V』は世界一の武器対戦格闘ゲームになったと自負していますし、今後もシリーズはその地位を保ち続けていきますので、ご期待ください。確実に言えるのは、前作に戻れないくらいの進化が見られるということです。ぜひ触ってみてください。

またお客様からサウンドを評価していただけるのは嬉しいのですが、自分たちとしては、まずゲームありきだと思っています。ゲームが面白くて、その理由を分析する過程で、サウンドがいいからだと感じてもらえると、バランスが良いかなと思います。開発者の方には、共に進化し、世界を盛り上げていきましょう。

森氏
森:今回、『V』を作る上で過去のシリーズを遊び直しました。その上で個人的にも、基本は押さえつつも完全進化したタイトルだと自負しています。これまで以上に「口当たりのいい」タイトルになっているので、ちょっとでもグラフィックにピンときたら、遊んでみてください。その上でサウンドにも耳を澄ましてもらって、こだわりを見つけてもらえれば嬉しいです。

開発者の方には技術の向上と共に、見せたい物がどんどん増えていると思います。そんな時でも何を見せたいかを念頭において、メリハリを付けて、より自然なサウンドにしていくような。「足し算」以外の表現を見つけてもらえればと思います。

船田氏
船田:進化した『ソウルキャリバー』で活躍する、キャラクターそれぞれのボイスに耳を傾けてもらいたいなと思います。キャラの組み合わせによって、いつもと違うことを喋っていたりするので、ぜひ注目してください。クリエイションでのボイスエディットも、さらに幅広く設定できるようになっています。好きな声を作って白熱した戦いを繰り広げてもらえればと思います。開発者の方々には、僕はまだまだ新参者なので、若い力でゲーム業界を盛り上げていければと思っています。よろしくお願いします。

般若氏
般若:『IV』から参加して3回目なんですが、いつも思うのは、モードがたっぷりあることと、どれもマジメに創られているので、安心して遊べるということです。新キャラクターについても、ストーリーモードを遊ぶと、感情移入もできるのかなと思いますので。

開発者の方々には、自分はどうこう言える立場ではありませんが、モノを創る上でさまざまな葛藤があると思います。その中でも今回は、これだけはやろうという、自分なりのテーマを入れていけばいいと思いますし、僕もその考えで進めたいと思います。

夛湖氏
夛湖:ユーザーの皆さんには言うことはいつも同じで、『IV』から『V』が発売できたのも、ユーザーさんの声があってこそだと思っています。我々から言えるのは、ありがとうございましたということだけです。できれば今後も我々を支えていただければと思います。

開発者の方に向けてですが、同じゲームを作っている立場として、面白いゲームを世の中にどんどん出していきましょう。そのために考えなければいけないことは、技術面もさることながら、本当に面白いことだけに注力するということです。そのためには、ミドルウェアで出ている既存技術を何度も社内で作り直すようなことをせず、こういった外部技術を利用して手を抜けるところは抜いて、よりソフトが面白くなる部分にリソースを集中していきたいですよね。基礎技術の開発にリソースが取られすぎると、縮小再生産になってしまいますので、そうならないように、お互いに切磋琢磨していきましょう。

―――ありがとうございました

(c)NBGI

バンダイナムコゲームス未来研究所 シアターにて


CRI では、今回のインタビューに多く登場した「ADX2」のセミナーを実施しているそうです。CRI のオフィス(東京、渋谷)で随時開催しているそうなので、「ADX2」がどんなミドルウェアなのか、興味のある開発者の方は下記の情報を参考にしてみてはいかがでしょうか?

CRI・ミドルウェア「ADX2」セミナー(無料)概要

会場:CRI・ミドルウェア 本社会議室(東京、渋谷)
内容:「CRI ADX2」を使用した効率的なゲーム開発手法(所要時間約 1〜2 時間)
※トピックはお客様のご希望にお応えいたします。
定員:3〜30 名(会社単位での受付)

セミナーのお申込み・お問い合わせは以下のフォームから:
https://www.cri-mw.co.jp/contact/form/index.cgi?type=event

お申し込みは会社単位で受け付けております。
以下の(1)〜(5)を合わせてお知らせください。
(1)ご希望のセミナー内容:
・「CRI ADX2」の全体的な説明
・「CRI ADX2」の具体的な活用方法(サウンドオーサリングツールの説明など)
(2)ご希望の参加人数:
(3)対象プラットフォーム:
(4)ご希望の曜日/時間帯:
(5)その他ご希望等:
《土本学》

メディア大好き人間です 土本学

1984年5月、山口県生まれ。幼稚園からプログラムを書きはじめ、楽しさに没頭。フリーソフトを何本か制作。その後、インターネットにどっぷりハマり、幾つかのサイトを立ち上げる。高校時代に立ち上げたゲーム情報サイト「インサイド」を株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に売却し、入社する。ゲームやアニメ等のメディア運営、クロスワードアプリ開発、サイト立ち上げ、サイト買収等に携わり、現在はメディア事業の統括。

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