オートデスク気鋭の最新ツール/ミドルウェアをチェック〜 Autodesk HumanIK 2012 | GameBusiness.jp

オートデスク気鋭の最新ツール/ミドルウェアをチェック〜 Autodesk HumanIK 2012

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CGツール/ミドルウェアのオートデスクで、注目製品のレクチャーを受ける短期集中連載。最終回となる今回は、キャラクタアニメーションの定番ミドルウェア「HumanIK 2012」について伺います。
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■FBIKを提供する定番ミドルウェアがiOSとVitaにも対応

リアルタイムキャラクタアニメーションのための、定番ミドルウェアがHumanIKです。同社のキャラクタアニメーション制作ツール、MotionBuilderの機能をベースとしたミドルウェアライブラリで、PC、Xbox 360、PS3、Wiiなどの主要プラットフォームに最適化されています。最新バージョン「2012」では、新たにiOSとPS Vitaにも対応しました。

HumanIKの機能はシンプルで、FBIK(フルボディ・インバース・キネマティクス)とリターゲットに集約されています。そのため高速に安定して動作します。

IK(逆運動学)とは体の末端部分の動きに応じて、途中の骨や関節などの動きを逆計算し、自然な動きに見せる手法のこと。キャラクタが歩行する際に、股関節、膝、足首と順番に動きを計算するのではなく、まず足の裏が地面に設置するように動かし、それに伴って足首、膝、股関節と動きを逆計算するという考え方です。これによって複雑な計算を効率化しつつ、キャラクタが床の上を滑るような表現を防げます。

この考え方を全身に応用したのがFBIKで、手足を動かすと、それに伴って自然に全身を動かすことができます。HumanIKでは2足、4足のキャラクタをサポートし、15〜170種類のジョイントを制御できます。またIKと反対の考え方となるFK(フォワードキネマティクス)で作られたアニメーションデータと混在させることもできます。






手足の動きから自然に全身を動かす


リターゲットとは体格やジョイント数の異なるキャラクタ間で、モーションデータを自動的に補完して、コピーできる機能のこと。一つのモーションデータを複数のキャラクタで使い回せるので、モブシーンなどで大量のキャラクタが登場する際に多用されます。またFBIKとリターゲットの適用範囲をゲームプログラム側で制御(プレイヤーキャラクターの周囲にいるNPCのみに適用するなど)も可能です。


異なるモデルに同じモーションデータを付加する



フルボディIKの設定と実際の動き


■アサシンクリードで威力を遺憾なく発揮

このようにHumanIKを使用すると、キャラクタアニメーションのリアリズムや、表現力のアップ、アニメーションの再利用が可能になります。その結果、ゲームプレイの質が向上するとしています。

「Beast 2012」に続いて解説を担当した門口洋一郎氏は、2009年の段階でEA SPORTSや「プリンス・オブ・ペルシャ」など20作以上のゲームに利用されており、代表例として「アサシンクリード」をあげました。同作の代名詞ともいえるフリークライミングや、群衆内でのキャラクタの自然な挙動、さらには起伏のある土地を適切に走る馬の動きなどは、HumanIKならではとのことです。


既に多くの実績がある


さらに門口氏は、オートデスク製品を用いて、効率的なパイプラインが構築できるメリットを指摘しました。「アサシンクリード」の場合では、キャラクターモデル作成に3ds Maxが使われ、アニメーション作成にはMotionBuilderを使用、その上でゲームプログラムとの統合にHumanIKが使用されています。

「これによって、アーティストがDCCツール上で作成したアニメーションと、まったく同じ動きが、ゲーム実行環境であるランタイム側でも再現できるようになりました。この効果は大きいのではないでしょうか」と門口氏は説明しました。パイプライン全体を提供することで、問題が最小限に抑えられたのです。

ちなみにHumanIKは、Maya上では機能自体が統合されており、そのまま使用できます。3ds Maxではアニメーション作成ツールのBipedが使用される例が多いため、エクスポーターとして提供。SoftimageではHumanIKの機能をプラグインで提供しているので、HumanIKを使用するSoftimageユーザにはプラグインを提供するとのことでした。


SoftimageやUnreal Engine 3と統合されている


■様式美かリアリズムか・・・ゲームデザインの幅が広がる

このようにHumanIKを使うと、キャラクタアニメーションに対して、ゲーム環境内でプロシージャルに変更をかけることができます。門口氏はこれにより、ゲームデザインの幅が広がると説明します。

たとえば格闘ゲームの場合、あるボタンを押すと、決まったモーションで技が繰り出される、という動きに留まっていました。しかしHumanIKを導入することで、キャラクタが相手の腕をつかんで引き倒したり、体格の異なるキャラクタ同士が自然に組み合ったりなどの、複雑なインタラクション表現が可能になります。

この好例としてあげられたのが、総合格闘技(MMA)を題材とした「EA SPORTS 総合格闘技」です。本作でもHumanIKが使用されており、MMAの複雑なアクションを自然に表現することに成功しています。いわば日本の格闘ゲームが様式美の世界なら、「EA SPORTS 総合格闘技」などは、よりリアリズム重視のゲームだといえるでしょう。


EA SPORTS 総合格闘技


もっとも、門口氏も「様式美とリアリズムの、どちらが優れているというわけではない」と念を押します。その上で、HumanIKというツールを使えば、ゲームデザイナーが企画を立てる上で、より選択の幅が広がるというわけです。アイディアに合わせて、うまく使いこなして欲しいとアピールしていました。
(HumanIKの評価の申込はjp_middleware@autodesk.comまで御連絡ください。)

(C) 2010 Electronic Arts Inc. EA, EA SPORTS and the EA SPORTS logo are trademarks of Electronic Arts Inc. All other trademarks are the property of their respective owners.
《小野憲史》

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