近い将来、日本の業界を変えうる力を持つ5つのこと・・・イバイ・アメストイ「ゲームウォーズ 海外VS日本」第17回 | GameBusiness.jp

近い将来、日本の業界を変えうる力を持つ5つのこと・・・イバイ・アメストイ「ゲームウォーズ 海外VS日本」第17回

社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)によると、2010年の日本国内ゲームメーカーによる家庭用ゲーム総出荷金額は1兆7,975億円と、前年比で約20%の落ち込み、金額では4,500億円も低下してしまいました。ここしばらく、ゲームは他のニーズにすっかりその座

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社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)によると、2010年の日本国内ゲームメーカーによる家庭用ゲーム総出荷金額は1兆7,975億円と、前年比で約20%の落ち込み、金額では4,500億円も低下してしまいました。ここしばらく、ゲームは他のニーズにすっかりその座
  • 社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)によると、2010年の日本国内ゲームメーカーによる家庭用ゲーム総出荷金額は1兆7,975億円と、前年比で約20%の落ち込み、金額では4,500億円も低下してしまいました。ここしばらく、ゲームは他のニーズにすっかりその座
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社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)によると、2010年の日本国内ゲームメーカーによる家庭用ゲーム総出荷金額は1兆7,975億円と、前年比で約20%の落ち込み、金額では4,500億円も低下してしまいました。ここしばらく、ゲームは他のニーズにすっかりその座を奪われてしまい、復活の機会を見出す必要があります。先駆的であり、かつ日本の産業の強みを活かして新興市場へと進んでいくための道を模索しなければなりません。

しかし、日本ゲーム市場の未来、先行きを想像することは難しく(10年前、携帯電話のオンラインゲームがこれほどまでの市場を持つと誰が思ったでしょうか?)、国外へ向けて新たなシェアを獲得することが火急の課題となっています。そして、いくつかの開発会社や販売元は、海外市場においてゲームや関連コンテンツで成功するための資質を持ちあわせています。

今回は、海外のゲームファンの心を刺激するに違いない、日本が発信するサービス、トレンド、会社、製品、取り組みを紹介させていただきます。

■次世代のデベロッパー

ここ数年、いくつかのスタジオが設立(ないしは再設立)されました。これらのスタジオの中には、かつて隆盛を極めた「メイド・イン・ジャパン」の名を改めて冠するに相応しい、世界規模のタイトルを作り出す才能を持ち、まったく新しいアイデアを作り出すことができる力のあるスタジオがいくつかあります。

例をあげれば、Tango Gameworks、Image Epoch、Grasshopper Manufacture、CyberConnect2、Platinum Gamesなどでしょうか。彼らは従来の開発会社とは違い、ゲームコンセプトそのものに焦点をあて、開発を進めています。欧米では、インディーズゲームが担っているような、新しいゲーム体験、これまでとはまったく質の異なる満足のレベルを追い求めています。これまでに『No More Heroes』や『ベヨネッタ』といったタイトルを発表しており、今後、ゲームファンはさらなる成果を目の当たりにするでしょう。彼らは海外ゲーム市場の性質について熟知しており、次世代の日本の開発者たちを先導する集団となるはず。きっと刺激的な未来を提供してくれるでしょう。

■協力組織

次世代のゲーム開発を継続的にうまく運営するためには、競争力をうまく高めあいながら協力し合うことが欠かせません。そのため、ここ数年の間にアメリカやヨーロッパではサポート組織やイベントがすでに確立されています。

欧米最初のサポート組織のひとつである、トロントのNPO法人The Hand Eye Society、革新的なゲーム製作をサポートする取り組みを2日間にわたって行うLudum Dare、同様にデジタル・アナログを問わず、ゲームのデザイン、開発者を行う参加者たちによる年に一度のイベント、Global Game Jam。直近では、International Game Developers Association(IGDA)をあげることができます。2011年には実に世界中の169もの都市から、6,500人のゲームクリエイターが集まりました。

日本でもこうした取り組みが進んでおり、GFF(Game Factory’s Friendship、福岡)、GIPWest(Game Innovators Portal West、関西)、そしてもちろんIGDAの日本版があげられます。また、8月27日・28日には、福島でもGame Jamが開催され、活発化し続けています。今後、大手開発会社や販売元と同様のインパクトを業界に与えるような存在になるでしょう。

■『キャサリン』

ここで個別のタイトルをあげることは少し違和感があるかもしれませんが、この作品は日本企業が海外ゲーム市場における未開拓の領域を切り開いた重要な事例です。

本作は、ESRB(北米でのレーティングシステム、日本でいうところのCERO)によって、北米では17歳以上のプレイが適切とされました。受け取ったマークは「Mature(成熟)」を意味する「M」。これはつまり、成人向けに提供される、大人のためにつくられたもの、ということになります。しかしながら、実際にはプレイそのものは年齢問わず楽しく遊べるものがほとんどで、子どもが見るべきではない下品な言葉や暴力的なグラフィックなどが要素として盛り込まれているだけ、というのが実情です。(日本でも同様かもしれませんね。)

『キャサリン』では、文字通り「Mature(成熟)」したコンシューマにふさわしいタイトルを、というテーマに取り組んでいるのです。その結果、本作は日本産のゲームとしては珍しく北米でスマッシュヒットを叩き出しました。

この作品の成功は、単なる一タイトルの成功ではありません。大人のためのゲームという、未開のジャンルにおける礎を築き、新たな市場開拓の一歩となる大きな成果を上げたのです。こうした理由から、『キャサリン』は特定のコンシューマを対象としてゲームを開発した、新しい独自の試みであると言えます。

これは日本においてのみならず、世界的にみても珍しいケースであるということができるでしょう。こうした新しい考え方に基づくゲーム開発が、他のスタジオにどのような影響を与えるか、非常に楽しみなところです。

■PLAYISM(プレーイズム)

これは、小規模のゲームクリエイターによる、すばらしい作品に触れる機会を提供するゲームポータルサイトのひとつです。既存の概念を打ち破り、新たなゲームの在り方を打ちたてることを目的としています。また、ゲームの多様性を保持し続けるための媒介となることを目指しています。

ゲームは本質的にエンターテインメントであると同時に、学習やアート的表現のためのものでもあるはずです。しかし、ゲーム開発には経済上の問題や融通の効かないところがあり、クリエイティブな作品、オリジナルな作品を世に出すことは、実は信じられないほど難しいのです。
しかし近年、広く利用可能となった技術や情報共有の機会の増加もあり、挑戦心を持ったベテランによる小規模なチームや小回りのきく若いクリエイターたちを中心に、「ゲーム」を表現媒介として用いる新たな時代に入っているように思われます。

PLAYISMは、世界中のインディーズクリエイターによる作品を集め、幅広いコンシューマへ、日本のゲームとは何が異なるのかを紹介するものです。また、新しいゲーム開発をサポートする、「クラウドファンディング」機能も兼ね備えています。このシステムは少額の寄付を多くのサポーターから募り、開発資金を集めるシステム。国内外を問わず、オリジナルの新しいコンテンツを世界へ発信する障壁を取り除いてくれることでしょう。日本におけるゲームや開発に関わる全く新しいサービス、ファンディング、配信のモデルとして切り札となりうるはずです。

しかしながら、日本において「クラウドファンディング」はまだまだ初期段階にあります。Kickstarterや8-Bit Fundingといったサイトによって、欧米において小さなスタジオがゲーム開発を部分的にでも寄付によって運営することに成功していることとは対照的です。

海外の有名な事例としては、後半部分すべてが寄付によって成立した、Octodadをあげることができます。これはグッズ販売等でも収益を上げており、日本からすればまったく新しい資金調達のモデルでしょう。開発者にとって有益なだけでなく、選択することでゲーマー自身にとってもゲームに関わり、サポートする機会を与えることになるのです。

■PS Vita

その詳細についてはまだすべてが明らかにされてはいませんが、この携帯端末が成功すれば、革新的な成功として語り継がれるものとなるでしょう。

SonyはPlayStation Suiteによって、PlayStationタイトルを携帯電話やタブレット市場でもプレイできるようにし、エンターテイメントのすそ野を拡大しようとしています。

にもかかわらず、彼らが次に出すPS Vitaは、ゲームファンのためにつくられた“ただひとつ”のハードウェアなのです。コンパクトであり、様々な価格帯のダウンロードタイトルをラインナップ。タッチスクリーンを利用できるインターフェイス、いつでもオンライン接続が可能であり、さらにゲーム専用のハードウェア、物理演算コントロールレイアウトが必須であったようなものまで組み込もうとしているのです。

多様なソーシャルツールや、エンターテイメントツールが身近にあることで、ゲーマーの時間が断片化されている今、「ゲームするためのツール」が、どこまでハードウェアの購入を促すことになるのでしょうか。

何にせよ、今現在は、他のどのような携帯ゲーム機であれ、Vitaにはとても太刀打ちできないでしょう。欧米のものであれば、なおさらです。どんなに優れた新規参入者であっても、既存の市場のシェアを切り崩すこと、打ち破ることは非常に難しいことなのですから。

このハードが成功すれば、これからの市場の興味深い指標となるでしょう。

以上、5つの事例をご紹介させていただきました。もちろん、この5つだけが今後の日本のゲーム業界において、動向を確認し続けるだけの価値があるものすべてではありません。ですが、エンターテインメントの新しいスタイルをゲームファンに提供してくれることは間違いないでしょう。
《イバイ・アメストイ》

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