課金のきっかけの違い:飾る対価・・・「世界を面白くするGamification」第25回 | GameBusiness.jp

課金のきっかけの違い:飾る対価・・・「世界を面白くするGamification」第25回

その他 その他

さて、前回の投稿で課金のきっかけとしての時間の対価、仲間と楽しむ対価について述べた。これらは筆者も直感的に納得がいく課金のきっかけだし、個人的な体験からもそういうお金の使い方をソーシャルゲーム内ですることは理解できる。

ただ、以前に投稿したIT Girl上級者インタビューの際の気付き、「飾ることに対価を払う」プレイヤーがいるという事実は、個人的な違和感を感じながらも気になっていた。そこで、グリーの内製ソーシャルゲームであるクリノッペ、ハコニワを眺めてみたのである。するとやはりIT Girlと同じようなモチベーションで遊ばれているゲームではないかという感覚が強まってきた。やはり、「飾る」事に対して対価を払うようなのである。

両ゲームとも、有料アイテムの数がかなり多く、釣りスタや怪ロワのように書き出すことができない。そもそもここからして大きく異なっている。釣りスタや怪ロワでは、ゲームを有利にすすめる装備系のアイテムや、行動力などの回復系アイテムといった性質上、一定数以上の数にならないのである。怪ロワの装備系アイテムは数はそれなりにあるものの、同じ強さで見た目だけが異なるようなアイテムは例えば300コインの武器なら4種類だ。それが、クリノッペやハコニワでは各値段帯(20G〜400Gくらいの幅で5段階くらいに分かれている)につき10以上は存在している。そして、ゲーム内での具体的な効用は特にないのである。「見た目が変わる」アイテムがそれだけのバリエーション用意されている。

期間限定のアイテムも含めると、有料の装飾系アイテムは常時100前後は用意されているのではないだろうか。ゲームが開始してからかなりの期間が経過するが、いずれも現時点でも頻繁にイベントの更新やアイテムの追加投入がされているところから、クリノッペやハコニワも課金プレイヤーはそれなりに存在していると推測できる。


IT Girlも含め明らかに女性プレイヤー向けのゲームとなっているが、こうした層に対しては「飾る」アイテムが有料で売れるということになる。今までのインタビューなども含めて課金のきっかけを考察すると、「自分の気に入るデザインの装飾系アイテムが見つかったときに課金する」という仮説となる。やはり、期間限定性といった後押し要素は課金のきっかけにつながるようなので、そうしたイベントはここでも重要になっているようだ。

「気に入るデザイン」が見つかるためには、やはりアイテムの数が多くないといけないので、必然的に販売されるアイテムの種類も数が豊富になっていくのではないか。もう1つのきっかけは、他のプレイヤーの装飾を見て「これかわいい!欲しい!」と思うという点だ。IT Girlでもそのような声が聞けたが、クリノッペやハコニワでもそうした現象が起こるようだ。

こうなると、幅広いテイストのデザインを用意し、様々な好みに合致するような装飾が出来るようなアイテムを用意すること、それぞれのテイストにおいてオリジナリティを発揮できるようなバリエーションを用意すること、うまく人の目に自然に触れるきっかけを作ること、期間限定などを組み合わせること、などが飾る対価を払うために重要な要素になるだろう。ただ、時間の対価や仲間と楽しむ対価と比べると感覚やセンスによるところが大きく、その分難易度が高い課金要素と言える。現在グリーのソーシャルゲームを見ても、育成系やニワ系ゲームがあまり残っていないのはこうした難しさを象徴しているのかもしれない。

こう考えると、そもそもの課金のきっかけとは他にももっとあるのかもしれない。筆者もまだ具体的に見つけられているわけではないのだが、何かそのヒントになることがないだろうか(以降、次回)。

■著者紹介

深田浩嗣(ふかだこうじ)
株式会社ゆめみ(代表取締役 社長)。1976年京都生まれ。京都大学大学院情報学研究科在学中2000年1月に株式会社ゆめみを設立。高い技術力を駆使し、モバイルEC、メール配信、大規模CRMの開発やソーシャルゲームプロバイダなど「モバイルを戦略的に使うためのコンシェルジュ」として、モバイルインターネットサービスの企画・開発・運営を手がける。ゲーミフィケーションの詳細はコチラ公式ブログほか、Twitterはコチラ。facebookはコチラです。

《深田浩嗣》

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら