【GDC2011】日本と世界を繋ぐ第一歩に・・・IGDA日本が初のラウンドテーブルを開催 | GameBusiness.jp

【GDC2011】日本と世界を繋ぐ第一歩に・・・IGDA日本が初のラウンドテーブルを開催

GDC4日目、国際ゲーム開発者協会(IGDA)日本はラウンドテーブル「IGDA JAPAN SIG」を開催しました。今年で25周年を迎えるGDCですが、日本人のモデレータによるラウンドテーブルが開催されたのは、おそらく今回が初めてとなります。

その他 その他
GDC4日目、国際ゲーム開発者協会(IGDA)日本はラウンドテーブル「IGDA JAPAN SIG」を開催しました。今年で25周年を迎えるGDCですが、日本人のモデレータによるラウンドテーブルが開催されたのは、おそらく今回が初めてとなります。
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GDC4日目、国際ゲーム開発者協会(IGDA)日本はラウンドテーブル「IGDA JAPAN SIG」を開催しました。今年で25周年を迎えるGDCですが、日本人のモデレータによるラウンドテーブルが開催されたのは、おそらく今回が初めてとなります。

GDCで開催されたIGDA日本主催のラウンドテーブル


モデレータを勤めたのはグローカリゼーション専門部会(SIG)の共同世話人でもある、筆者こと小野憲史です。そこで、いささか手前味噌ではありますが、当日の模様をレポートします。

とはいえ、そのまえになぜIGDA日本がGDCでラウンドテーブルを開催することになったのか。なぜ「JAPAN SIG」なのか。その背景について、ご紹介しましょう。

IGDAはアメリカを中心に、全世界で9000名以上の会員を数える、世界最大のゲーム開発者向け組織です。全世界で81カ所の支部を持ち、IGDA日本もその一つ。支部ごとの活動(チャプターミーティング)や、IGDA全体としての活動(グローバルゲームジャムの企画運営、GDCへの協力・出展など)以外に、専門的な活動を行う31のSIG(専門部会)があります。

GDC会場に設置されたIGDAブースIGDAの支部は全世界に広がっている
GDCで開催されたIGDAの年次総会昨年11月に常任理事となったゴードン


チャプターミーティングとSIGの大きな違いは、その活動スタイルです。チャプターミーティングは都市ごとに開催され、セミナーをはじめとしたリアルイベントが中心。一方SIGは全世界に会員が存在し、それぞれが独自の活動を行いながら、メーリングリストなどで情報を共有しています。このSIGの会員が年に1度顔を合わせて総会を行うと共に、コミュニケーションを図る場がGDCというわけです。

そのためGDCでは通常のラウンドテーブルとは別に、各SIGごとに「アニュアルミーティング」(年次総会)が開催されています(プログラムではラウンドテーブル欄に記載されています)。またプログラムには載っていませんが、チャプターやSIGの垣根を越えて情報を共有し合うセッションも開催されています。

一方IGDAの昔年の課題の一つが国際化に向けた枠組み作りで、現在も継続して議論がなされています。そもそもIGDAはアメリカで誕生したため、会員も半数近くが北米在住で、それ以外のチャプターの存在が見えにくいのが現状です。そこで昨年後半から本体の主導により、全世界のチャプターやSIGの「見える化」を促進する取り組みが、Facebook上で進められるようになりました。

ここで改めて浮き上がってきたのが、日本支部の存在感です。日本と海外には高い言葉の壁があること、ゲーム開発者の約9割が東京に在住していること、東京ゲームショウやCEDECをはじめ、業界団体主催の活動にも企画協力を行っていることなど、限られた地域の中で例外的とも言えるほどの成長を遂げるまでになりました。もちろんそこには「ゲーム大国日本」という意味合いもあります。

TGS名物となった「センスオブワンダーナイト」。日本支部独自の活動だ今年の2月に発足したSIG-TAは一番新しい専門部会筆者が共同世話人を務めるSIG-Glocalizationのセミナー


一例としてSIGについても、いまや国内限定で11のSIGがあり、独自の活動を行っているほどです。しかも、そのほとんどが東京にあるため、オンライン上で議論を行う必要がなく、セミナーなどの活動が中心となっています。ここが日本と海外の大きな違いで、日本ではSIGの活動が活発で、チャプターミーティングが低調という現状を生み出しています。
 
ただし、これらの活動がすべて日本語で行われているため、本家IGDAとの連携が乏しく、独自の進化を遂げつつあります(いわゆる「ガラパゴス化」です)。一方で海外からみれば日本だけが固まって、独自に運営を行い、大きな力を持ち始めているようにも見えます。実際、日本支部はスーパーチャプターと呼ばれており、今や世界最大の支部と言われるまでになりました。

そのため昨年後半からIGDA日本ではIGDA本体と連携をとりながら、国際化を標榜し、世界と日本とのギャップを埋めて、情報共有を推進する動きを進めています。こうした背景から今年度のGDCでははじめて、SIGのアニュアルミーティングという形式を利用して、IGDA日本主催のラウンドテーブルを開催し、より一層の情報共有を進める運びになったのです。

とまあ、かなり枕が長くなってしまいましたが、さっそくレポートを始めましょう。当日は日本支部および日本のゲーム業界に関心のあるゲーム開発者や学生、そして昨年後半からIGDAの運営責任者となった、ゴードン・ベレミー氏も参加して、さまざまな議論が繰り広げられました。ゴードンはテスター(デバッガー)をふりだしに、EAやアクティビジョンといった大手パブリッシャーを渡り歩き、「マッデン」シリーズなどの開発にも参加。今はゲーム開発の一線を離れ、昨年11月に正式に常任理事として活動を行っています。

左から大前氏・新氏・筆者・三宅氏日本企業に就職したい学生も参加も見られた


当日議論された主なトピックは▽IGDA日本と活動の紹介▽ゲーム開発者から見た、日本のゲーム業界の現状と問題点▽日本と海外でどのように情報共有を進めていくか、の3点でした。活動紹介では日本支部代表の新清士氏、業界の現状についてはSIG-AIの世話人も勤めるフロムソフトウェアの三宅陽一郎氏が解説。三宅氏は「日本はゲームデザイン大国だが、この7年間で大きな技術の差がついてしまった」と問題意識を提示。情報共有ではKH2Oの大前広樹氏が議論をリードし、ゴードンや他の参加者からも、さまざまな意見が(英語で)飛び交いました。

根底に横たわるのは、やはり言語の壁です。参加者には日本企業に就職したい海外の学生の姿もありました。日本支部ではGDC直前から国際化に向けたタスクフォースをスタートさせ、活動内容や海外ドキュメントの翻訳をはじめています。一方で日本語によって育まれた豊かな固有の文化が、日本のゲーム開発に大きく貢献してきたことも事実です。

立命館大学のサイトウ・アキヒロ教授はしばしば「日本文化の『おもてなしの心』が、日本特有の丁寧なモノ作りにつながり、国産ゲームの圧倒的な遊びやすさにつながった」といった趣旨の発言をしています。この「おもてなしの心」の源泉は、世界的に見ても非常に曖昧なことで知られる、日本語の特性に求められるといえそうです。

一方で世界の技術情報は圧倒的に英語が中心。ゲームの基盤技術が家電からPCにシフトするにつれて、英語圏の国々にに技術面で後れを取るようになりました。三宅氏の「ゲームデザイン大国だが、技術面では遅れをとっている」という問題意識とも符合しています。

こうした中、あるアメリカ人の参加者からは「言葉の壁は最後の問題に過ぎない。一番大切なことは、お互いに情熱を持って、わかり合おうとする姿勢があるかどうかだ」という発言がなされ、一堂が深く賛同するシーンが見られました。たしかに、言葉はコミュニケーションのツールにすぎず、大前提として互いに関心を抱くことが必要でしょう。

日本市場の縮小と共に、日本のゲーム業界に関心のある海外の業界人は、一時期と比べると明らかに減っています。「東京ゲームショウよりも、チャイナジョイに行きたい」という欧米業界人の声を、しばしば耳にするほど。一方で我々も海外事情に対して、どれくらいの情熱と関心をもっているのか。英語圏に対して、どれだけ情報発信を行っているのか。あらためて自問自答させられるシーンでもありました。

セッションの最後は、このラウンドテーブルはきっかけにすぎず、オンライン上での活動を通して、より積極的な情報共有を進めていくことが一堂で確認されました。なおIGDAではチャプターやSIGごとにFacebookでサイトを持ち、情報発信を進めています。IGDA日本の公式サイトと共に、ぜひチェックしてみてください。

■Facebookページ(一例)
IGDA http://www.facebook.com/IGDA.org
IGDA Japan http://www.facebook.com/group.php?gid=128964592826

IGDA公式サイト http://www.igda.org/
IGDA日本公式サイト http://www.igda.jp/modules/bulletin/
《古畑憲和》

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