海外で売れない和ゲーの憂鬱 ・・・イバイ・アメストイ「ゲームウォーズ 海外VS日本」第6回 | GameBusiness.jp

海外で売れない和ゲーの憂鬱 ・・・イバイ・アメストイ「ゲームウォーズ 海外VS日本」第6回

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最近、日本のゲームメーカーには、海外でのコンシューマーゲームの売り上げの低下を、非常に困った目で見つめている所が少なくないと思います。「英語以外は売れないので、ドイツ語やフランス語のバージョンを出すのはやめよう」、「中国語にローカライズをしても、海賊版が多く本数が取れない」など、海外進出に消極的なコメントしか聞こえてきません。

国内の市場も至極渋い状況ですので、このように考えても仕方がないと私も思いますが、同業者としては、仲間の元気がない状況を見るのは辛いことです。但し、戦後これだけ輸出に頼ってきた国であるにも関わらず、これだけ海外進出に苦しんでいるのは理解できない部分もあります。まるで、責任転嫁するように「作品は面白かったが、ユーザーがこの面白さをわかってくれなかった」と発言するプロデューザーさえ存在します。

では、和ゲーの海外における売り上げが低迷している理由は何でしょうか? もちろん、携帯ゲームの普及、パソコンゲームの文化が残っていること、違法ダウンロードの問題などが主な原因ではありますが、それでも最近の落ち込みは激しすぎると考えます。他にも理由があるのではないでしょうか?

弊社では自社の主な商品であるゲームローカライズの品質を向上させるために、欧州でアンケートを実施しました。その結果はどれも上記の事由に当てはまらないものでした。その中で、「日本のRPGは好きですか?」と言う質問に「YES」と答えた人ら「最近買わなくなった理由」を尋ねたところ以下ような返答がありました:

1. メインキャラクターが女か男なのかわからないような格好をしていて、感情移入できない
2. アクションをしたいのに、ストーリがくどい
3. 全体的に子供っぽい
4. 自分の言語へのローカライズの精度の悪さ、もししくはローカライズをされていない

極端な意見も含まれているかと思いますが、日本のクリエーターと海外に住んでいるユーザーの間に、大きなギャップがあります。日本では、「こんな素晴らしいものをつくったのに、売れない」、海外では、「全く新鮮味のないゲームをわざわざ購入したくない・・・」。私が思うに、今日の売り上げの低迷は、ここ数年の流れに対する当然の結果です。

この流れと言うのは、主に二つに分かれます。

1. 若いタレントの不足

世紀が変わっても、カリスマのあるプロデューサーは90年代から全く変わっていない。 簡単に言えば、新陳代謝が行われていない。

2. ブランド力の低下

ワインはボールド、スポーツカーはイタリア、アニメやゲームは日本・・・と言うのが以前の常識だったが、日本では政府を含めてこのイメージを支える努力をしてこなかった。「ゲーマーは結局面白そうなものしか 購入しないから、ブランディングなんて必要ない」と考える人もいるかと思いますが、素晴らしい才能や頭脳をもった中小企業 の海外進出をサポートできれば、和ゲーと言うブランドはさらに広げられると思います。

考えてみれば、私が業界に入ったのも、日本の優れた作品を、海外に紹介するためです。海外での売り上げが落ち込んでいるのは、外国人の代表としてお詫びしますので、その代わりに、どうか海外のユーザーを興奮させるような、超面白いゲームを作っていただけませんでしょうか?
《イバイ・アメストイ》

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