Wipeout HD: Sony Computer EntertainmentのLiverpool Studioによって開発されて、2008年9月にPlayStation Networkでダウンロードのみで$20という統一小売価格で発売。グラフィックスもユニークで美しく、オーディオ、各メニューのデザインまで全てがよく出来ており、普段からレース系のゲームを遊ばないユーザーにでも受け入れられる雰囲気ではあったが、従来のレース系ゲームとあまりにもかけ離れた内容であったので、なかなか人気が出なかった。このゲームは「$20しかかからない」という、安価なイメージがあるが、PSNの通常の価格構成から比較すると異質に感じられる。Sonyは今後もこのタイトルに追加コンテンツを制作することでアップデートを続け、長期的に人気を保てるコンテンツにし、将来的にはPS3の3D化技術をアピールする為の看板タイトルに出来ると捉えられる。
Braid:元々2008年8月にMicrosoftの“Summer of Arcade”の促進シリーズの一部としてXbox Live Arcadeに出されたこのジョナサン・ブロー作のインディーズ・ゲームはMicrosoftのネットサービスだけで36万5000個も売れて(2010年4月の時点、Gamasutra調べ)、そこからはPC, Mac, PlayStation Networkでもリリースされて、そして2010年1月にはPCでのフル・リリースもされ、アメリカの大手小売店でも販売された。$15という統一小売価格で、驚くような値段ではないが、発売当初はむしろ高価であると捉えられていた。マルチプラットフォームのゲームは決して珍しくはないが、このゲームの有意な点は、単純な2Dスクロール・シューティングゲームの見かけによらず、実はインディーズとして開発された点、ユニークなストーリーとアート・スタイルが賞賛された。好評価なレビューと口コミ広告によって驚異的なセールスを誇った。だが売り上げの点よりもむしろこれからのインディーズの開発者の門戸を開いたとも考えられる。