EUの「内閣」にあたる行政執行機関の欧州委員会は、OpenAIのAIチャットボット「ChatGPT」を、デジタルサービス法(DSA)における「超大規模オンライン検索エンジン」に指定したと発表しました。
この発表では、ほかに掲示板型ソーシャルニュースサイト「Reddit」およびオンラインゲームプラットフォームの「Roblox」が「超大規模オンラインプラットフォーム」に指定されています。
この決定によって、EUは上記3サービスを、GoogleやFacebook、TikTokなどと同等の厳格な監督・規制の対象として取り扱っていくことになります。
これまで、EUで「超大規模オンライン検索エンジン」の指定を受けているのは、Google検索とMicrosoftの検索エンジンBingの2つだけでした。
そこへ生成AIチャットボットのChatGPTが加わるのは奇妙なことのようにも思えます。
しかし複数の国で構成され、複数の言語が用いられるEUでは、キーワード検索を主とする従来の検索エンジンよりも、言語によらずにクエリーを処理し、ユーザーが使用する言語で質問への回答を出力するChatGPTの能力を用いて検索をするニーズが高いという実態があります。
なお、RedditとRobloxが新たに加わった「超大規模オンラインプラットフォーム」には、Facebook、Instagram、X、TikTokといったユーザー生成コンテンツを中心とするSNSや、AmazonやAppleのApp Storeといったオンラインストアがすでに含まれています。

EUのDSAは、一定規模以上のプラットフォームに対して「超大規模」の指定を行い、通常より厳しいルールへの準拠を求めます。欧州委員会のテクノロジー主権・安全保障・民主主義担当上級副委員長のHenna Virkkunen氏は、今回の「新たな指定により、ChatGPT、Reddit、Robloxは市民と社会への大きな影響に見合った、より高い水準の精査と説明責任を求められることになる」と述べています。
ChatGPTがGoogleと同じ枠に分類されたということは、AIが急速に普及する中、EUが「情報を提供するサービス」としてAIチャットボットを検索エンジンと同列に扱い始めたことを意味します。これは、テクノロジー業界全体におけるAIチャットボットの認識を変える出来事とも言えそうです。
ちなみに、指定を受けた3サービスに課される主な追加要件は以下の通りです。
・自社サービスやアルゴリズムがもたらすシステミックリスクの評価と、その軽減策の説明
・違法コンテンツの拡散、未成年者や利用者の心身への悪影響、基本的権利への脅威、選挙や公共の安全への影響などのリスクへの対応
・欧州委員会による監督・調査への協力
3サービスはいずれも指定から4カ月以内に追加要件への準拠が求められます。DSAに違反した場合、年間世界売上高の最大6%に相当する制裁金が科される可能性があります。
EUによる今回の指定に対し、Redditの広報担当者は「EUのデジタルサービス法の遵守に取り組んでいる。超大規模オンラインプラットフォームの要件を満たす準備を進めており、Redditユーザーへの透明性を確保しながらEU規制当局と連携していく」とコメントしています。OpenAIとRobloxは取材時点でコメントを発表していません。












