
KLabは2026年12月期第2四半期(4月~6月)の連結決算を発表し、第2四半期単体(4月~6月)の売上高が32億6,300万円(前四半期比91.3%増、前年同四半期比113.9%増)、営業利益が4億9,300万円の黒字に転換したことを明らかにしました。
スクウェア・エニックスをパブリッシャーとし、KLabが開発を担当した『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』(以下『DQスマグロ』)の順調な立ち上がりが業績を大きく押し上げ、第1四半期に計上した4億5,300万円の営業赤字を吸収。上期累計でも3,900万円の営業黒字を確保し、モバイルゲーム事業の回復基調を鮮明にしました。
決算サマリー:売上高は前四半期比91%増
第2四半期単体の売上高は32億6,300万円。前四半期の17億600万円からほぼ倍増し、前年同四半期(15億2,500万円)と比較しても2倍以上の水準に達しました。売上総利益は12億8,200万円(売上比率39.3%)と、前四半期の1億3,300万円(同7.8%)から大幅に改善しています。
営業利益は4億9,300万円。前年同四半期が3億5,900万円の赤字だったことを踏まえると、実に8億5,200万円の増益となります。暗号資産評価損1億3,600万円を計上したものの、第2四半期単体の親会社株主に帰属する四半期純利益は3億8,300万円を確保しました。ただし上期累計では経常損益が9,500万円の赤字、純損益も1億2,500万円の赤字が続いており、営業損益の黒字転換が先行した形です。
海外売上高比率は約30%に低下しましたが、これは『DQスマグロ』の国内売上寄与が極めて大きかったことによるもので、『BLEACH Brave Souls』(以下『ブレソル』)の北米、『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』のアジア・中東を中心とした海外売上自体は底堅く推移しています。
タイトル別動向:『DQスマグロ』が業績を牽引
第2四半期の業績拡大をけん引したのは、4月21日にリリースされた『DQスマグロ』です。スクウェア・エニックスをパブリッシャーとするスマートフォン向けローグライトRPGで、KLabは開発を担当。リリースから2か月強の期間で十分な収益を確保し、課金・広告収益等のレベニューシェアが売上高の倍増に直結しました。
既存タイトルでは、『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』が周年キャンペーンやワールドカップ開催の追い風を受け、日本版・海外版ともに前四半期比で増収。一方、『ブレソル』は前年下半期からの軟調な推移が続き、前四半期比では概ね横ばいとなっています。
なお、2026年8月6日には『僕のヒーローアカデミア UNITED SURVIVAL』(通称『ヒロサバ』)が中国大陸を除く全世界でサービスを開始しました。原作コミックスの世界累計発行部数は1億部を超える有力IPで、配信はKLab、開発はKLabとgumiが共同で手掛けています。

第2四半期の業績には含まれませんが、第3四半期以降の収益ドライバーとして期待されるタイトルですが、既にApp Storeでダウンロード数1位を獲得するなど好調な滑り出しとなっているようです。
費用構造と新作投資
売上拡大に伴い、費用面では外注費・業務委託費が前四半期比146.1%増の10億7,100万円に拡大しました。新作タイトルの開発に係る一時的な費用増が主因で、これに伴いソフトウェア仮勘定として資産計上する他勘定振替額も6億2,600万円(同48.5%増)に増加しています。
広告宣伝費は3億円と、前四半期の6,000万円から5倍に急増。『キャプテン翼』の周年キャンペーン費用に加え、『DQスマグロ』の広告宣伝費の一部負担が反映されました。こうした積極投資をこなしつつ、売上高の急拡大によって営業黒字を達成した点は、事業の収益構造が改善しつつあることを示しています。
通期見通し:売上高170億円、営業利益10億円を据え置き
2026年12月期通期の連結業績予想は、売上高170億円(前期比147.9%増)、営業利益10億円(前期は13億400万円の赤字)で据え置かれています。第1四半期の営業赤字の影響により、現時点での進捗率は低いものの、会社側は「順調に進捗」と説明。第3四半期以降は利益を着実に積み上げる方針です。
パイプラインでは、WANDA CINEMAS GAMES(互愛互動)をパブリッシャーとし、共同開発する『ジョジョの奇妙な冒険 黄金讃歌』(JoJo's Bizarre Adventure: Golden Spirit)が2026年8月13日に配信開始予定。決算説明資料では事前登録者数150万突破と報告されていましたが、8月7日の発表時点では200万を突破しており、配信への期待感の高まりがうかがえます。配信エリアは日本・中国大陸・香港・台湾・マカオを除く全世界です。
ゲーム事業の枠を超えた新規事業の拡大
決算説明資料では、ゲーム事業以外のトピックスにも多くのページが割かれています。GPUサーバー販売及びGPUクラウド運用受託事業は、中小企業経営強化税制を活用した節税メリットと計算資源販売による収益を両立させるビジネスモデルで展開。第2四半期は販売件数の減少によりその他売上高が前四半期比73.2%減の8,800万円にとどまりましたが、ノーススターアドバイザリーとの提携による販売網拡張など、基盤整備が進められています。
さらに、UAEに設立した現地法人「KLab UAE」を拠点に、RF技術企業との間で対ドローン防衛システムの導入推進に向けた覚書を締結。電波妨害技術等を活用し、不正飛行するドローンを探知・識別・無力化する統合防護システムのUAE導入を推進するとしています。世界のドローン防衛市場は6兆円規模(出典:Future Market Insights)への拡大が予測されており、ゲーム事業で培った収益基盤をテコに、非ゲーム領域への事業多角化を加速させる戦略が鮮明になっています。






