
2026年4月21日、サンリオは自社パブリッシングによるゲームブランド「Sanrio Games」を立ち上げ、2026年秋に第1作目タイトルとなるコンソールゲーム『サンリオパーティランド』をグローバルで同時発売すると発表しました。
これまではライセンスアウトするだけだったサンリオが、ビデオゲーム業界に自社パブリッシングで参入する狙いとは? メディア向け戦略発表会の内容を基に紐解きます。
2年前に発表されていたゲーム事業への参入
サンリオのビデオゲーム事業参入は上記「Sanrio Games」の発表で突然行われたものではなく、2024年5月12日付けの「中期経営計画―不確実な成長から、安定・永続成長へ2025年3月期~2027年3月期(PDF)」においてすでに行われていました。同資料においてサンリオは「上がれば落ちる」とすら言える、ボラティリティ(≒不確実性の大きい成長曲線)を安定的なものにするために「IPポートフォリオ拡充」「グッズ活用以外の価値創造」に注力すると発表。ゲーム事業への参入は、その施策のひとつです。


サンリオは上述の中期経営計画において、実績豊富な国内外の開発スタジオと組んで複数本のゲームタイトルを制作中であるとしていました。内訳は「コンソールとモバイルでカジュアルゲームを2本程度」「新領域・新感覚のゲームを3本程度」「ゲームを起点としたグローバルメディアミックスを3本程度」とされています。スイッチ/スイッチ2ソフト『サンリオパーティランド』はこのうちの1本であると考えられます。

複数タイトルを同時展開することによるリスクヘッジ
メディア向け戦略発表会ではサンリオ 代表取締役社長 辻朋邦氏と共に常務執行役員の濵﨑皓介氏が登壇し、同社がゲーム事業に参入する意義を深掘りしました。
地理的制約に縛られづらいゲームでグローバル化を推し進める
サンリオは450以上のキャラクターを有しますが、物理的/地理的な制約などからグッズやテーマパークなどを販売/提供できていない国や地域も存在します。グローバルで場所を選ばないプラットフォームであるビデオゲームに参入すればそうした場所に住むファンにもサンリオキャラクターの魅力を届けやすくなり、グローバル化の助けとなります。
多様なタイトルを複数本走らせることによるリスクヘッジ
サンリオキャラクターのような大きな魅力を持つIPであっても、ゲーム化の成功が約束されるわけではありません。そこはサンリオも熟知しており、濵﨑氏は「ゲーム制作は、1本作って必ず当てる(ヒットさせる)というものではありません」とコメント。
さまざまなジャンル/サンリオキャラクター/ターゲット層のゲームを複数展開することで成功事例を生まれやすくし、そこから得られた知見を元に人気作をナンバリング展開する、人気作の周辺領域を重点的に攻めていくなどのアプローチでリスクヘッジに務める狙いです。
ゲームで「サンリオ時間」を創出し、IPのさらなる拡大を目指す
サンリオは同社のビジョン「One World, Connecting Smiles.」の達成度合いを示すものとして「サンリオ時間」という指標を用いています。サンリオ時間は「寄り添い時間」と「夢中時間」の2つで構成されており、寄り添い時間は、ファンが日常生活で例えばグッズを身につけたり、身の回りに置いたりしている時間、夢中時間は、映像やゲームなどを通じてサンリオキャラクターに没頭している時間と定義されており、2025年3月期のサンリオ時間は夢中時間と寄り添い時間を合わせて年間1,140億時間を創出できたとしています。


さらに、Sanrio Gamesが今後3年間で提供する10タイトルのゲームで、さらに20億時間規模の夢中時間を創出することを期待しているとのことです。10年平均成長率10%超という急成長を続けるサンリオは、ビデオゲーム事業への参入で成長にどのような影響を及ぼすでしょうか。サンリオゲーム事業参入第一弾タイトルとなるスイッチ/スイッチ2ソフト『サンリオパーティランド』は、パッケージとダウンロードの両形態で今秋にリリース予定。価格帯は、“一般的な(買い切りの)ゲームと同程度”が予定されているとのことです。










