エージェンティックAIが既存ソフトの50%を代替し、使いこなしで大きな格差生む。「スーパーエージェント」立ち上げたBase44 CEO マオール・シュロモ氏に聞く(CloseBox) | GameBusiness.jp

エージェンティックAIが既存ソフトの50%を代替し、使いこなしで大きな格差生む。「スーパーエージェント」立ち上げたBase44 CEO マオール・シュロモ氏に聞く(CloseBox)

Base44のCEOであるマオール・シュロモ氏に、ヴァイブ・コーディング、エージェンティックAI、そしてBase44の目指す未来について話を聞きました。

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Webサイト構築最大手企業であるWixの傘下となり、日本市場への本格参入を果たしたのが、AI搭載アプリ開発プラットフォーム「Base44」。

プログラミング知識がなくても、自然言語による指示だけで本格的なカスタムアプリを数分で構築できるプラットフォームとして注目を集めています。

今回、Base44のCEOであるマオール・シュロモ(Maor Shlomo)氏に、ヴァイブ・コーディング、エージェンティックAI、そしてBase44の目指す未来について話を聞きました。

ヴァイブ・コーディングという言葉は好きではない?

Base44は現在、ヴァイブ・コーディング(Vibe Coding)というAI駆動の開発手法を採用したプラットフォームとして紹介されることが多いです。しかし、筆者が「最初にプロダクトを考えた時はこの言葉はなかったのでは?」と尋ねると、シュロモCEOからは次のような答えが返ってきました。

▲Base44のマオール・シュロモCEO

「その通り、言葉自体が存在しませんでした。ちなみに、私は個人的に『ヴァイブ・コーディング』という言葉があまり好きではありません。なぜなら、これは単なる『ヴァイブズ(雰囲気)』ではなく本格的なソフトウェアを作るものであり、また人間が『コーディング』をするわけでもないからです」。

当初、彼らは自らを「AIアプリビルダー」と呼んでいたそうです。

Base44はノーコードツールに分類されることもありますが、実態は大きく異なります。従来のノーコードツールは使いやすさと複雑なカスタマイズ性がトレードオフの関係にありましたが、Base44ではユーザーが自然言語で指示を出し、裏側でLLMが大量の複雑なコードを書いています。これにより、従来では不可能だった複雑なゲームやグラフィック制御などのアプリケーション構築が可能になりました。

競合との決定的な違いは「インフラの垂直統合」

AIを活用したコーディング支援ツールは多数存在しますが、同じプロンプトを入力しても完成度に大きな差が出るのはなぜか。

シュロモCEOは、どのツールもベースとなるLLMモデルは同じであり、システムプロンプトの違いだけでもないと説明します。

Base44の最大の強みは、データベース、ユーザー管理、外部連携、分析機能など、ソフトウェアの実行に必要なインフラをすべて一箇所で垂直統合している点にあります。サードパーティのサービスを複雑に組み合わせる必要がなく、バックエンドやAPIの知識がなくても、高度で実用的なアプリケーションを構築できる……そうシュロモCEOは強調します。

エージェンティックAIはソフトウェアのあり方を根本から変える

昨今注目を集めるエージェンティックAI(Agentic AI)について、シュロモCEOは「我々が今使っているソフトウェアの50%程度がエージェンティックAIに切り替わっていく」と大胆な予測を立てています。今後は従来の画面操作ではなく、チャットやエージェンティックAIを通じて仕事をしていく時代になるというのです。

Base44は先日、独自のエージェンティックAIである「Superagent(スーパーエージェント)」を発表しました(現在英語圏のみのロールアウト)。

シュロモCEOが挙げるエージェンティックAIの強力な点は以下の3つ。

  • 24時間休まず稼働し続けること(人間のように怠けない)

  • SlackやCRMなど、日常的に使う既存ツールと簡単に統合できること

  • ブラウザを自律的に操作できること

PCへのフルアクセスを与える他のAIエージェントにはセットアップの難しさやプライバシーリスクがありますが、Base44のスーパーエージェントはクラウド上のサンドボックス内で安全に稼働し、ユーザーが共有するデータを明示的にコントロールできる設計を採用しています。

筆者は、ローカル環境で自分専用のエージェンティックAIを育てていますが、ごく少数派でしょう。

インタビュー当日朝にはNVIDIAのジェンスン・フアンCEOがGTC 2026でNemoClawを発表しました。

これは、自由度が高く、その分危険性も問われているエージェンティックAI、OpenClawをより安全に使うための仕組みで、筆者もDGX Spark互換機であるASUS GX10にインストールしました。

しかし、すでに走らせている自作エージェンティックAIとの整合性で問題が生じたりしてインストールしてチャットができるようになるまでかなり手間取ったこともあり、一般ユーザーが使えるようになるには相当高いハードルが存在するのは実感しました。

シュロモCEOは、スーパーエージェントを「AIを日常的に使うようになる次の数十億人(マスユーザー)のための入り口」と位置づけています。

APIキーやターミナルなどの難しい知識なしに、数回のクリックで自然に使い始められるように設計されているそうです。筆者も導入し、TelegramやLINEでエージェントbotを作り、そこに指示した通知が届くような仕組みが簡単にできました。無料ユーザーだと回数制限があるため、実用的に使うにはBase44の有料プランが必須となるでしょうが、導入口として簡単なチャット形式のエージェンティックAIを使うという戦略はうなずけるものです。

▲LINEチャットで指示を出し、結果を返してくれる

「どう作るか」から「何を作るか」の時代へ

「AIアプリビルダー」として自然言語から複雑なシステムを構築し、「エージェンティックAI」によって自律的な業務代行まで実現するBase44。技術的な開発プロセスがAIによって解決されつつある今、ボトルネックは「そもそも何を作り、何を自動化すべきか」というアイデアの部分に移行しています。

Base44は今後、単なる開発ツールにとどまらず、ユーザーの設計やアイデア出しをサポートする「パートナー」へと進化し、誰もがソフトウェアやオートメーションを生み出せる「ユニバーサルビルダー」を目指していくと、シュロモCEO。

3つのメジャーLLMの個人的な評価と使い分け

インタビューの最後に、個人的な質問として「現在、一番使っているLLMはどれか?」と尋ねてみました。

シュロモCEOは「タスクや時期によって変わる」と前置きしつつ、現在の3つのメジャーLLMの特徴と使い分けについて、次のように率直な評価を語ってくれました。

  • Claude(最新版はOpus 4.6):新しい機能や新しいアプリケーションの構築に最適。

  • GPT(最新版はGPT 5.4):コード内の難しい問題やバグの解決に非常に優れている。

  • Gemini(最新版は3.1 Pro):ロジック面ではベストではないかもしれないが、デザインやユーザーインタフェースを美しく仕上げる用途において最適。

それぞれのAIモデルの強みを的確に捉え、タスクごとに使い分ける姿勢は、AIをフル活用して少数精鋭(最初はほとんど一人)で野心的なプロダクトを生み出してきたBase44のCEOならではのリアルな視点と言えるでしょう。

今、多くの人が複数のLLMを活用しているように、今後はSuperagent、自作のものも含めた複数のエージェンティックAIをうまく使いこなしていくスキルが必要となるのでしょう。

《松尾公也》

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