『エヴァンゲリオン』完全新作の脚本を書くのは誰? 実は1,000万本もの大ヒットゲームのディレクターを大抜擢 3ページ目 | GameBusiness.jp

『エヴァンゲリオン』完全新作の脚本を書くのは誰? 実は1,000万本もの大ヒットゲームのディレクターを大抜擢

【注 ネタバレあり】「エヴァンゲリオン」完全新作シリーズのシリーズ構成・脚本に抜擢されたのは、ゲームクリエイターのヨコオタロウ氏でした。これまでどんな作品を手がけてきたのか、その特徴に絞って紹介します。

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『エヴァンゲリオン』完全新作の脚本を書くのは誰? 実は1,000万本もの大ヒットゲームのディレクターを大抜擢
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■『ニーア オートマタ』:希望の代償は「他者のための犠牲」

2017年2月23日に発売された『ニーア オートマタ』は、ヨコオ氏が手がけた作品の中で最も世界的に知られ、かつこれまでの作風の集大成とも言える作品です。

物語の舞台は、異星人が送り込んだ「機械生命体」によって地球が奪われ、人類が月に逃げ延びた遥か未来。地球を奪還するため、人類が作り出したアンドロイド兵士たちが地球に降り立ち、果てしない戦争を繰り広げます。そしてプレイヤーは、アンドロイド兵士のひとり「二号B型(通称:2B)」となり、戦場にその身を投じます。

本作でもマルチエンディングが採用されており、周回プレイによって主人公を入れ替わらせつつ、多角的な視点から物語が紐解かれていきます。「人類vs異星人」という構図でありながら、実際に戦うのは「作られた命」であるアンドロイドと機械生命体。この代理戦争の虚しさや、科学の業を感じさせるテイストは、ヨコオ作品らしい風味と言えるでしょう。

ゲームを進めるにつれ、機械生命体側の真意や、この戦争の裏に隠された驚愕の真実が明らかになるにつれ、今回も「勧善懲悪」では語れない複雑で残酷な物語が浮き彫りになっていきます。

そして、いくつもの切ないエンディングを経て、最終ルートの先に待っているのは、前作でも提示された「セーブデータの削除」です。しかし、本作におけるその意味合いは、過去作とは一味違う切り口となっていました。

最後のエンドにたどり着く直前、プレイヤーの前には極めて難易度の高いシューティングゲームが立ちはだかります。どんなにテクニックがある人でも一人では挫折しかねないほどの手ごわさですが、しかしオンラインに繋いでいると、見知らぬ他のプレイヤーからの「救援」が届きます。そして彼らの助けを得ることで、クリアへの道が開けるような作りになっていました。

しかし、本作に用意された展開は、ここからが真骨頂。困難なステージを乗り越えた後、プレイヤーが問いかけられます。「自分のセーブデータを消去して、他の誰かを助けるために捧げるか?」と。

実は、さきほど自分が受けた「救援」は、「セーブデータを失ってでも誰かを助けたい」と願った先人たちの犠牲によって届いたものでした。自分のデータが消えても、世界のどこかにいる、まだ最後のエンドに辿り着けていない誰かの助けになれるなら。そんな想いが込められた「救援」だったのです。

かつて受けた恩を、見知らぬ誰かに返すために、自分の大切な歩みを消すのか。「救いと引き換えの代償」だった『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』に対し、「誰かのための献身」というテーマへと進化したこの選択は、プレイヤーにとって衝撃的なプレイ体験となりました。

厳しい世界を描き、希望には必ず痛みや代償が伴うと投げかけ続ける。そうしたヨコオ氏の手法が、『ニーア オートマタ』に集約されています。


ヨコオ氏の代表作である『ニーア オートマタ』は、発売から約9年が経過した2026年2月に、全世界累計販売本数1,000万本という大記録を達成。国内だけに留まらず、世界が認める作品に成長しました。

ヨコオ氏がこれまで手がけてきた作品の数々は、常にプレイヤーの心に深い傷を残し、同時に「生きることの痛みと美しさ」を刻んできました。だからこそ、『エヴァンゲリオン』という作品と関わることでどんな物語が生まれるのか、期待は高まるばかりです。


《臥待 弦@インサイド》

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