プロeスポーツチーム運営およびゲーミング関連事業を展開する株式会社REJECTは2025年12月5日、株式会社みずほ銀行と中長期的な成長に向けた融資契約を締結したと発表した。
今回の資金調達は、M&A(企業の合併・買収)を中心とした「ロールアップ戦略」の実行と、組織・事業基盤の拡張を目的としたもの。
事業領域拡大、6月に映像制作会社の完全子会社化も
REJECTは「EMPOWER GAMING LIFE ゲーマーをもっと豊かに」をミッションに掲げ、プロチームの運営、ゲーミングギア開発、タレントマネジメント、イベントプロデュースなど多角的な事業を展開する企業だ。
今回のみずほ銀行による融資は、同社が推進するM&A戦略を資金面からバックアップするものだ。REJECTはすでに2025年6月、国内外のトップクリエイターによるミュージックビデオなどの映像制作を手がける株式会社サイランの全株式を取得し、完全子会社化している。
この買収により、REJECTは内製でのクリエイティブ表現の幅を拡張。eスポーツチームとしての発信力に加え、映像産業のプロフェッショナルを取り込むことで、より高品質で魅力的なコンテンツを提供できる体制を構築するとしている。今回の資金調達は、こうしたエンターテインメント領域での事業拡大と、さらなるM&Aを見据えた動きだ。
競技実績と多角化経営を評価
REJECTは競技シーンにおいても『PUBG MOBILE』『Apex Legends』『STREET FIGHTER 6』などの人気タイトルで世界大会優勝を含む実績を持つが、金融機関からの評価ポイントは、競技成績だけではないようだ。
みずほ銀行の大手町法人第一部 部長 遠藤礼次郎氏は、REJECTが国内No.1の獲得賞金額を誇るチームであることに加え、「ゲーミングギア開発やタレント事業など関連事業を多角的に展開し、著しい成長を続けている点」を高く評価したとコメントしている。
eスポーツを「次世代産業」と位置づけ、新たなカルチャーの創出という社会的意義、そしてM&Aを通じた成長戦略の実現可能性が、今回の融資決定の決め手となったようだ。
ゲーム・テック・エンタメの融合を目指す
株式会社REJECT代表取締役の甲山翔也氏は、創業以来「世界と渡り合えるチームとカルチャーの確立」を目指してきたと語る。
今回の資金調達を契機に、同社は新たな成長ステージへと踏み出す。今後はM&Aやグローバルパートナーとの連携をさらに加速させ、eスポーツを起点として「ゲーム」「テクノロジー」「エンターテインメント」が融合するエコシステムの構築に取り組む方針だ。







