
任天堂の代表取締役フェローである宮本茂氏は、ワシントン・ポストの取材で同社がビデオゲーム以外で自社のIPを使用することに消極的だった理由について語り、「次回作制作の際に、制約や制限を受けないようにしたかったため」と説明しました。
次回作を自由に創造できるようにマルチメディア展開を控えていた

1889年に京都で創業され、世界有数のゲームメーカーへと成長していった任天堂。長い歴史の中で『スーパーマリオ』や『ドンキーコング』といった様々な国民的IPが産まれてきましたが、実写映画「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」のような一部の例外を除いて、マルチメディア展開は行わない方針でした。
マルチメディア展開を行わない理由として「次回作を自由に創造できるようにしていたから」とワシントン・ポストで語る宮本氏は、何十年も経つうちに自分の中で考え方が変わったと続けてコメント。ゲームが普及していない国ではキャラクターの魅力が伝わらないように、「ゲームだけではIPの影響力に限界があると思うようになった」と言います。
そうして他のメディア展開を通じ、キャラクターの魅力を伝えることに繋がったという旨を説明。例えば、2021年には大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンで「スーパー・ニンテンドー・ワールド」がオープン、続けて「ドンキーコング・カントリー」も拡張されたことは記憶に新しいでしょう。
続いて2023年には映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を公開するなど、ゲーム以外の分野でもIPを展開する方針をみせている任天堂。2026年には『スーパーマリオ』の新作映画、2027年には『ゼルダの伝説』実写映画が公開することも発表されており、今後のマルチメディア展開にも注目が高まっています。