「昔のRPGを遊んでいたなら刺さるタイトルです」韓国最前線を駆けるMMORPG『LOST ARK』とは何か? 日本運営会社インタビュー | GameBusiness.jp

「昔のRPGを遊んでいたなら刺さるタイトルです」韓国最前線を駆けるMMORPG『LOST ARK』とは何か? 日本運営会社インタビュー

韓国の大作MMORPG『LOST ARK』を日本で運営する、株式会社ゲームオンの嶋田真人氏へのインタビュー。

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「昔のRPGを遊んでいたなら刺さるタイトルです」韓国最前線を駆けるMMORPG『LOST ARK』とは何か? 日本運営会社インタビュー
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2020年9月23日より、日本にて運営が始まったF2PのMMORPG『LOST ARK』。本作は、これまでも強力なネットゲームを輩出してきた韓国から、新たなメルクマールとなり得る完成度を持つ一作です。

開発はSmilegate RPG。数々の人気オンラインゲームを輩出してきたSmilegateの子会社であり、『LOST ARK』は同社の高い技術によって開発されたタイトルです。

果たして、韓国の話題作はいったいどのような内容となっているのでしょうか? 今回は日本での運営を担当している、株式会社ゲームオンの嶋田真人氏にお話をうかがいました。

韓国で “久しぶりの大作MMORPG”と呼ばれたタイトル



――『LOST ARK』は9月にロンチしたばかりですし、まだまだ本作を知らない方も多いと思います。まずは簡単な説明をお願いします。

嶋田真人氏(以下、嶋田氏):『LOST ARK』は韓国のゲームで、約2年前にOBTをスタートしています。当時、韓国市場で久しぶりにMMORPGの大作が出たということで、公開されている数値としては、同時接続数が35万人を達成したなど好評となっていました。

韓国の人気ゲームの指標として、ネットカフェランキングがあります。そこで当初、1位・2位を獲得し、いまでもアップデートが入ると10位以内に入るので、韓国では人気を得ているゲームとなっています。それが今回日本に来るというかたちになりました。

――なるほど。韓国でも注目のタイトルとなっていたんですね。ゲーム内容はどうでしょうか。

嶋田氏:基本的にはMMORPGなのですが、 『LOST ARK』は“クォータービュー”視点を採用しています。3Dグラフィックでできているのですが、2Dチックな見た目で遊べる視点です。要求スペックも最新型のゲームとはちょっと違っていて、低いスペックのPCでも遊べるようになっています。

そして『LOST ARK』は、韓国の最大のゲームショウであるG-Starにて、大統領賞を受賞しているんです。G-Starとは、日本における東京ゲームショウ(以下、TGS)にあたるイベントです。そこで大統領賞を受賞するというのは、TGSで日本ゲーム大賞を受賞することに近い意味があるんです。

大統領賞をはじめ、『LOST ARK』は技術創作賞のうち、演出やストーリーなど多くの部門で受賞しているタイトルになります。なので『LOST ARK』の推しの部分は、他のゲームとは違ってたくさんあるんですよね。

――本作は韓国のゲーム業界で高い評価を得ているタイトルなんですね。

嶋田氏:はい。見せたいところがたくさんあるんです。たとえば戦闘やダンジョン、音楽や演出、ストーリーなど、全体的に推したい部分がたくさんあります。

――まずはMMORPGの華のひとつ、戦闘はいかがでしょうか。


嶋田氏:本作はクォータービュー視点で、基本的にはカメラの移動はあまりないんですね。あえてそういう固定視点にしている理由には、通常の3Dゲームだと視点移動に気を取られて戦闘に集中できない問題があるためです。

そこで視点移動をとっぱらって、戦闘に集中してほしいということでクオータービューになっているんです。

戦闘に関して、一言で言えば “本当に爽快感があふれるバトル ”です。すごくたくさんの敵が攻めてきて、それを一度にワッと倒すような、いわば無双感があるというか(笑)。

――MMORPGの繋がりでいえば、『Diablo』シリーズのようなハック&スラッシュみたいな手触りを想像させますね。

嶋田氏:そうですね。戦闘はかなり近いと思いますね。システム上はハクスラではないのですが、戦闘で味わえる体験は近いです。

――MMORPGならではのさまざまなキャラメイクも気になります! 本作では多くのクラスが用意されていますね。各クラスでどうゲームプレイがかわりますか。


嶋田氏:クラスに関して、まず基本としてベースクラスが4つあります。そこから各ベースクラスに上級クラスが3種あり、合計で12のクラスが用意されております。

ベースクラスは、「ウォリアー」という大きな剣を使うようなクラスと、「マジシャン」という名前のとおり魔法を使うクラスのほか、「ファイター」という肉弾戦を得意とするクラスに加え、「ハンター」という銃を使うクラスが用意されております。

――その4つから上級クラスに派生していくんですね。

嶋田氏:はい。ウォリアーであれば、「ウォーロード」という、巨大な銃剣や盾を持ったクラスになるほか、「バーサーカー」では大きい剣を持って闘うクラスなどに派生します。

マジシャンならば「サモナー」という上位職の魔法使いになるほか、「バード」という、ハープを使ってバフが使えるクラスになることもできます。あとは「アルカナ」という、カードを使った特殊なクラスにもなれます。このように上位職がたくさん用意されております。

――なるほど。クラスごとに戦闘はどんなふうに変わっていきますか。

嶋田氏:ファイターは基本的に近距離攻撃メインなので、接近戦で戦います。どちらかというと敵の攻撃を受けやすいクラスでもあります。一方、ハンターは遠距離攻撃が得意なクラスで、外から戦うタイプです。

たとえばファイターが敵と近くで戦っているところ、ハンターが後ろから支援する攻撃をしていくという構成になりますね。

――MMORPGでパーティを組んで戦闘するとき、たとえば敵を引き付ける「タンク」、攻撃を担当する「アタッカー(DPS)」、仲間を回復する「ヒーラー」の三位一体型のロール構成がオーソドックスですよね。『LOST ARK』ではロールに関してはいかがでしょうか。

嶋田氏:ある程度のロールはあるんですが、これがタンク、これがアタッカーというような、しっかりしたロールの住みわけがあるわけではないんですよ。

たとえば「この職業がいないとこのダンジョンは進めません」ということはあまりないです。ここは意見が分かれるところですが、回復なら回復だけのクラスとか、タンクならば敵のヘイトを溜めて攻撃を受けるクラスというように、しっかり役割が分かれているほうが好みだというユーザーさんもたくさんいるのはわかります。

でも本作に関しては、そこはちょっと曖昧になっています。どちらかというと、バランスもあるんですけど、あまりにもはっきりロールを分けてしまうと、使われるクラスによって偏ってしまうんです。「やたらとこのクラスが多いな?」とか(笑)。

――ありえますね(笑)。

嶋田氏:そういったことも起こりえますので、ユーザーさんの好みによるかもしれませんが、『LOST ARK』に関しては、ある程度の住みわけはありますが、たとえば「このクラスは全然攻撃ができない」というようなクラスはいないです。

ただ、回復できるクラスはバードだけとか、クラスによってある程度のスキル使用の制限はされていますね。「このスキルはこのクラスにしかできない」というものはもちろんあります。

――MMORPGならではの、いろんなゲームプレイのスタイルも受け入れてくれる懐の広さも気になります。

嶋田氏:『LOST ARK』はゲームを始めると、まずはストーリーに沿って進んでいただくのが主になります。メインクエストをこなしていくのが一番最初のゲームプレイになるんですね。

基本的にキャラクターのレベルキャップが50までとなっており、そこから先は、アイテムレベルを育てていくかたちになります。

要は武器の強化をして、もっと強い敵に挑んでいくようなゲームプレイになっていくんです。キャラクターレベル50までは、ストーリーに沿ったゲームプレイがメインですが、レベルが50になった段階から世界がガラっと変わり、広がっていきます。

そこから先はレイドボスを倒しにいったり、強力なダンジョンに行ったりするほか、強化素材を集めたり、強化のベースとなる武器や防具を手に入れて、育てていくかたちになります。

――なるほど、最初はストーリーを追いながらキャラのレベルを上げて、その後、プレイヤーは自由に目的を見つけてゲームプレイしていくかたちですね。

嶋田氏:そうですね。レベル50以降に「ハウジング」もできるようになります。これは『LOST ARK』では「遠征隊領地」と呼ばれており、国の領主から領地を頂き、好きなベッドや椅子を置いたりして、自分の住まいを作ることができるのです。

遠征隊領地にはNPCも呼べます。『LOST ARK』では各地に豊富なNPCがおり、各キャラクターに好感度があります。どんどん接して好感度を上げていくと、最終的に好きなNPCを領地に呼べるんですよ。なので推しのNPCがいたら、自分の領地に呼べることもひとつの楽しみだといえます。

――まさかのギャルゲー要素もあると(笑)。

嶋田氏:ただ男性NPCも好感度がありますので(笑)。

――おお!ではBLゲー需要までフォローしているということに!

嶋田氏:(否定せず)まあそうですね(苦笑)。

――ここまでにストーリーに沿ったゲームプレイを推していますよね。公式のストーリー動画も豊富に用意されており、力の入れようを感じるのですが、こちらの内容はいかがでしょうか。


嶋田氏:過去のMMORPGとの比較になるのですが、テキストの量がすごく多いんです。最初、韓国語なので、そこから一次翻訳として日本語にするんですね。そのあと、日本のプレイヤーに向けて、より読みやすく、日本の人にあった文章にしていくんです。

普段ならば社内ですべて回していくのですが、今回は韓国語から日本語にする一次翻訳は別動隊として、『LOST ARK』専門の部隊を作ったんです。そこに日本語訳のできる、ものすごく優秀な韓国人スタッフが何人か加わり、翻訳していただきました。

翻訳では、日本の人にわかるような小ネタを入れています。たとえば有名アニメのネタのようなものなど(笑)。そういったものが『LOST ARK』のテキストに入っているんですね。

そのまんまカルチャライズもしているので、ストーリーなどは読みやすいと思います。あとは先に挙げたようなNPCも、主要NPCも含めて5000人以上登場します。それぞれにボイスが入っており、主要なNPCには有名声優さんに演じていただいています。

――梶裕貴さんや中村悠一さん、そして黒沢ともよさんや田中理恵さんのほか、大ベテランに千葉繁さんなど豪華な布陣となっていますね。皆さんは本作でどんなふうに演技へ取り組んでいましたか。


嶋田氏:今回に関しては、『LOST ARK』のひとつの面白味としてダンジョンがあります。我々は「シネマティックダンジョン」と呼んでいます。

なぜそう呼ぶかと言うと、クォータービューでダンジョンを進むと、急にカメラが移動し、シームレスにイベントシーンになるんですよ。アクション性の高い画面に変わったり、映画的な演出というところがあるんです。

そうした演出を特徴としていたこともあり、今回声優さんたちにお願いしたのは、どちらかというと映画の吹き替えなんです。普段、アニメでやっている演技もあると思うんですが、どちらかというと吹き替えというイメージで演じていただいています。

――本作での演出プランはどのようなものでしたか。

嶋田氏:そうですね。声優の皆さんにはキャラクターの表情を想像してもらいつつ、ちょっとリアクションをオーバー気味にしてもらうとか、よりプレイヤーに伝わりやすくするようにお願いしています。

また、『LOST ARK』はもともと韓国でサービスが始まっているゲームですので、韓国の声優さんによるボイス収録もされているんです、なので、韓国版の演出手法を日本の声優さんが参考にしていただいて、声を当てていただくというボイス収録を行っていました。なので映画の吹き替え的にもなっているんです。

――やはり人気のある声優さんが声を当てているのもあって、このキャラクターを推したい! というのはありますか。

嶋田氏:基本的には皆さんを推しています(笑)! 公式サイトには主要なNPCが載っており、どなたが声を担当しているかわかりますので、そちらもぜひ。

――先ほどの「NPCの好感度を上げていく」ということでは、プレイヤーが推しの声優さんが演じるキャラの好感度をあげていくみたいな遊び方もできそうですね(笑)。

嶋田氏:できます(笑)! NPCの好感度を上げていったら、そのNPC特有のクエストが発生したりするので、そこで新しいボイスで話しかけられたりするわけです。中村さんなどが演じるキャラクターの好感度があがると、自分の領地にも来てくれたりします。

――あらためてストーリーのトレーラーを観させていただくと、世界観などに期待が持てますね。

嶋田氏:ストーリーに関しては、MMORPGのなかではすごく作りこまれています。私がプレイした体感を話させていただくと、いちばん最初に韓国語でテストプレイしたんですね。私は韓国語を読めないので、「もしかしたら、ストーリーはわからないかな……」と思っていたんです。

だけど普通に進めているうちに、だんだんとストーリーがわかってくるんです。これって演出だけでどういった場面かわかるようになっているんですね。そこに日本語ではテキストやボイスが加わって、さらに物語に引き込まれるようになっています。

そこでいろんな場面が用意されております。たとえば「やってやるぜ!」となるような場面や、泣いてしまうようなストーリーなどがメインクエストで展開されます。

日本でのサービス展開はどんなふうに行われるのか



――続きまして『LOST ARK』の日本での展開についてうかがいたいと思います。これからのロードマップについてはいかがですか。

嶋田氏:次は10月28日にアップデートがあります。「アビスレイド」というコンテンツが追加され、「ミスティック」というレイドボスが登場します。実装される中で最強のボスですね。本当のエンドコンテンツが実装されます。

その他にも、GVGのコンテンツが入ります。これは「ギルド対ギルド」のコンテンツがふたつ入りますね。ひとつがPvPで戦うギルド対戦が入り、もうひとつは討伐戦という、大きなモンスターをどのくらいの速さで倒せるかをギルドごとに競うものになります。

――2020年の年末にかけてはそうした展開なんですね。それ以降はどのような展開になりますか。

嶋田氏:2021年の予定に関しては、開発元と協議中です。今のところ新規大陸とそれに従う色とりどりの島がアップデートされる予定で、新ガーディアンレイドや多人数で協力し合う新アビスレイドなど様々なものを予定しております。その内に2021年に対するアップデート内容は公式サイトにて順次公開する予定ですので、楽しみにお待ちください。。

――あらためまして、ゲームオン様はどのような経緯で本作を日本で運営することになったのでしょうか。

嶋田氏:韓国で『LOST ARK』が最初に出た時に、国内の活況を我々もモニタリングさせていただいたところ、「これなら、日本のお客様にも受けるんじゃないか」と判断し、開発したSmilegate RPGさんと交渉を始めたのがはじまりでした。やっとのことで、日本でサービスが始まったのが今になります。

――なるほど。日本でサービスが始まってそろそろ1ヶ月になりますが、いまのところプレイヤーの反応はいかがですか。

嶋田氏:「韓国での実績もあるから、ある程度来ていただけるかな」ともともと想定していたのもありますが、ありがたいことに予測よりも上を行っている状況にあります。

人がたくさん来ていますし、今回はMMORPGが好きな方も、もちろんたくさん来ていただいています。年齢層で言うと、30代の男性にたくさん来ていただいているんですね。この層って、昔MMORPGをやっていた懐かしさを感じて来ていただいているが多いと思うんです。

それと同じくらい、20代前半の方が今けっこう入ってきているんですよ。この層って年齢的にMMORPGをぎりぎりやってるか、やってないかくらいなんです。

SNS上でおおきな話題となったCM。さまざまなプレイヤーがゲームへ入りこむ模様が描かれる。
これが『LOST ARK』への入口に。

今回、そういった方々が入ってきている理由って、CMの動画がけっこうバズったんです。Youtubeで360万回以上再生されて、コメントもかなり良いものをいただいています。

この動画は広告でも回しているんですが、「広告から直接見に来ました!」という方もけっこういらっしゃって。データ上でも、多くの方に最後まで見ていただいており、良い動画だと思っています。

――かなり広告動画に関してはシビアと思われるなか、その結果はすごいですね。

嶋田氏:なので、データ的にはすごくよかったです。そこからバズっているというのもあって、多少『LOST ARK』は広がったかな、という感があります。

あとは社内でテストプレイをしたときに、30代の方々は今まで通り、「昔のMMORPGみたいに、クォータービューで懐かしいね」っていう意見が出ていました。一方、20代前半の社員がプレイした時は、クォータービューが初めてだから、「すごく新鮮だ……」という話がありました(笑)。

ゲーム自体もすごく面白いって言ってくれるように、ゲーム自体の出来のよさもあり、そして今回YouTubeのCMのバズりもあって、上手く連動してくれたのかな、と思っています。

もうひとつ言うと、今回、「MMORPGを『LOST ARK』で初めてやりました」という意見もSNS上でけっこう挙がっていたりするので、本作は決まったMMORPGの市場というよりも、どっちかというと、広い層にも受けるんじゃないかなと感じております。

――これまでのMMORPGは、広大な3Dの世界をキャラの目線で冒険できる魅力があったじゃないですか。『LOST ARK』で面白いのは、今クォータービューを採用していることです。これって、ちょっとした先祖返り未定にも感じて、ちょっとMMORPGのトレンドに変化があったのかなと思ったんです。

嶋田氏:クオータービューはトレンドの変化というよりも、やはり今の時代にハマったのかなという気はしています。30代の方々には「懐かしい」と思ってやっていただいていますし、20代の方々からは「新鮮だ!」という意見をもらってますので、ちょうどそこにハマったのかなと。

『LOST ARK』はただのクオータービューのMMORPGではないんです。さっきも説明したように、 “シネマティックダンジョン”みたいなカメラが動く演出が入ったりしますし、実はグラフィックを拡大して見てみると、一個一個の背景やグラフィックは作りこまれています。キャラクターもめちゃくちゃ綺麗なんですね。

それをあえてクォータービューでやっていることも、お客様のなかで受けているんじゃないかな、と思います。

――クォータービュー視点を使ったことによって、スペックが低いPCでも遊べるように、広い層にアプローチできるという利点もありませんか。

嶋田氏:そうですね。いまの新しくリリースされたようなMMORPGよりも、全然スペックの低いPCで遊べますね。

最低スペックではグラフィックボードのGTX460とか、メモリも8GBとかなので、CPUもcore i3で動きます。なので新しめのノートPCでも動くくらいなんです。

――なるほど。広い層がかなりカジュアルにゲームプレイしやすいMMORPGになっているんですね。

嶋田氏:あとはオープンサービスを行ったタイミングも、新型コロナウィルスが流行したこともあって「家になるべくいましょう」というかたちになっていたのもあります。

かつ、PCの需要が少し上ったという話も聴いており、そういった要因もあるかと思っています。

――これまでゲームオン様ではさまざまなMMORPGの運営に関わられています。そらの運営と比べて、『LOST ARK』ならではの違いはいかがでしょうか。

嶋田氏:過去の運営のスタイルと『LOST ARK』の運営スタイルはちょっと違うんです。いままでゲームオンで運営してきたタイトルは、オフラインイベントを開いてお客様と直接会ったりしていたんです。

イベントで、お客様からゲームへのご意見やご要望を聞いてゲームへ還元するなど、外で活動する機会はけっこうありました。

しかし、今回の『LOST ARK』に関しては、新型コロナウィルスが流行している状況もあり、オフラインイベントができないんですよ……。ちょうど流行したタイミングでロンチしたので、今まで使ってきたオフラインイベントの手法は使えなくなってしまったんです。

――たしかにゲームオン様では活発にオフラインイベントを開催していることを、公式サイトにも載せていますよね。それができない難しさ、メディア側もわかる気がします……。

嶋田氏:「どうしようか?」と考えたとき、今回の『LOST ARK』は、今の時代に合わせて「オンライン上でやっていきましょう」ということに重きを置いていました。

なので今までだと、たとえばオープンサービスの日の発表では、オフラインイベントを行っていました。大きい会場を借りてカンファレンスを開いて、いろんなメディアさんに来ていただき、生放送を行って「いついつまでにサービス開始します!」と発表したり。芸能人も呼んで、けっこう豪華にやってたんですよ。

今回に関しては、私とMCふたりでオンライン上で社内の背景を変えて、生放送で粛々と発表してました(苦笑)。

――このご時世もあって、どこも急遽でオンライン対応していますからね……。


嶋田氏:ロンチしたあとからも、基本的にはYoutubeをはじめとした動画に力を入れています。過去のタイトルと別なんですけど、ゲームプレイのガイド動画とかちょっとした攻略や「こうしたら便利だよ」って小ネタとか、Youtubeの公式チャンネルから全部上げているんですね。

――ある意味Youtuberみたいな展開をしているんですね。

嶋田氏:そうです(笑)。もう本当そんなイメージです。私も出ていますし(笑)。なので「いままでの運営と違うね」とユーザーさんに言われている部分もあって、「公式からこういうガイドがあると助かる」とけっこう好評を頂いています。

いままでのMMORPGって、どうしても説明書みたいなものがないんです。ウェブサイトにいくとガイドはあるんですが、いまは皆さん動画をすごく観られている。動画もなるべく一本でいろんなことを詰め込むんじゃなくて、小分けにして検索しやすいにように工夫しています。

過去の運営タイトルではあまりそういったことはやってこなかったので、オンライン寄りにユーザーとコミュニケーションしているのが『LOST ARK』の運営での違いとなります。

――Youtubeで公式チャンネルが、さまざまなゲームプレイのレクチャーを行う点は面白いですね。

嶋田氏:また、Youtubeで動画を出すと、「これはすごく長く見られているので、興味があるんだな」とか「これはそんなに興味がないんだな」ということがはっきりするんですよね。

それが数字としてデータで見えて、今後作っていく動画の力を入れるべき部分もそこからわかるので、すごく便利だなと思いますね。

――Youtubeは動画の視聴時間や再生回数などの細かい数値のアナリティクスも揃っていますし、役立っているんですね。

嶋田氏:そうですね。そういったデータと、直接お客様から意見や要望をお問い合わせから頂くんですね。これに関しては全て目を通しています。

そこからゲーム内の数字的なデータや、TwitterやYoutubeといったオウンドメディア周りのデータをかけ合わせて、「今後、運営をどうしていくか」というのを考えていくので、より精細な運営になったのかなと思います。

――これからよりオンラインで運営する比重が高まっていく時勢になると思われる中、興味深いですね。

嶋田氏:ただ、個人的には、いままでオフラインイベントをたくさんやってきたので……(苦笑)。

――これはメディア側も同じ意見だと思うんですけど、やっぱり実際のイベントの空気に触れて、いろんな人と顔を合わせたりすることがないとフラストレーションが溜まりますよね(笑)。

嶋田氏:やっぱりずーっとオンライン上だと、心も暗くなっちゃいますから(笑)。なので、新型コロナウィルスの状況が明けたら、どこかのタイミングでユーザーの皆さまとお会いできる機会は作りたいなと思っています。

――よりダイレクトなコミュニケーションということで、ゲームオン様の社員さんも『LOST ARK』にプレイヤーとして参加されていたりしますか?

嶋田氏:そうですね。運営チームも普通にプレイヤーとして参加しています。プライベートでプレイヤーとしてやっています。

――ここまでのお話を聴いていると、今後Youtuber的な方向が加速して、たとえばマックスむらいさんならぬマックス嶋田さんとして動画で活躍していくのも期待してしまうんです(笑)。

嶋田氏:正直、僕が毎回動画に出てるんですよ(笑)! 顔出しだけじゃなく、声のみでも出ていて。

……ちょっとそれっぽい感じはありますね。だんだんYoutubeに力を入れ過ぎて、「本業どっちだっけ?」みたいなことがあるかもしれません(笑)。

――そうなったら僕は面白いですね! いや、ゲームオン様としてはちょっと……かもしれませんが。

嶋田氏:一般のユーザーさんに『LOST ARK』を知っていただけるだけで、僕らはハッピーなので……(しみじみと)。

ほとんどサーバーの問題やラグが起きない完成度!?『LOST ARK』の高い安定性



――海外に本社のあるMMORPGを日本で展開するとき、運営のやりとりなど気を付けていることはありますか?

嶋田氏:『LOST ARK』は過去に運営のしたタイトルとは違って、ゲームの完成度がすごく高いんですね。クローズドβテストなどやったところ、めちゃくちゃ安定しているんです。普通はテストでもサーバーが落ちたり、なにか不具合があって臨時メンテをしたり、予期せぬことが起こるんです。

でも『LOST ARK』に関しては、サーバーが落ちたりはないですし、お客様がプレイしていてもラグがほぼないんです。それって結局Smilegate RPGのほうで、サーバーの構成も含めてゲームがかなり作りこまれているということですよね。綿密にいろんなことが練られていたんだろうな、と思います。

――なるほど。最初から運営における完成度が段違いだったんですね。

嶋田氏:なので、それくらいゲームが完成されているものに対して我々のほうから「いや、ここは日本用にこうしてください」というのは、僕の中ではダメかなと思ったんです。それをやることによって、ゲームのバランスが変わってしまうかもしれない。

こんなにいいバランスを持っているゲームなのに、そのまま出さないで、ちょっといじってバランスがダメになってしまうのは考えられないことでした。なので『LOST ARK』に関しては、今回あえてほぼ韓国と同じような状況で出しています。

――これまでゲームオン様が運営されてきたタイトルで、サーバーの問題やラグの発生などプレイアビリティに問題が起こりやすいというのは少なくなかったのでしょうか。

嶋田氏:うちに限らず、基本的には日本のMMORPGを運営されてきた会社さんに必ず起こってきたことでもあります。過去を振りかえっても、結果的に多くのプレイヤーが集中するタイミングで、サーバーにトラブルが起こりやすかったんです。

今回の『LOST ARK』の完成度が非常に高かったのは確かです。国内のタイトルの中でもサーバーのトラブルはとても多いんです。しかしオンラインゲーム全体という意味では、本来起こるであろうトラブルが、『LOST ARK』に関しては本当に技術力のおかげで起こらなかったです。

――そこはすごいですね……韓国最大のゲームショウで大統領賞を取る理由に、そのあたりも大きそうですね……。

嶋田氏:クローズドβテストは、お客様のゲームプレイする内容をテストだけではなくサーバーの構成など裏のほうもテストするので、どうしても落ちちゃうんですよね。

でも今回、サーバーもかなりスペックの高いものを揃えました。弊社側も気合を入れてサーバーを用意したので、どっちもうまく噛み合ってゲームの安定性がうまれたのかなと思います。

――一見すると、少し前のスタイルみたいに見えるクォータービューと言った要素などありますが、ここまでのお話をうかがうと実際に触れてみたときの質が高いと思わされますね。

嶋田氏:昔から言ってるんですけど、このゲームは本当に遊んでもらうと価値がわかります。10分でもいいので、触ってもらえば絶対ハマるゲームなので。

見た目はやっぱりクォータービューなので、チープに見えてしまうかもしれません。でもいまは「単純にゲームが面白ければみんな遊ぶ」という時代になってきていると思います。

――最後にまとめとして、これから『LOST ARK』を遊んでみよう! と考えているプレイヤーに向けて、見どころを教えてください。

嶋田氏:やはり触ってみてわかるゲームなので、初めて遊ばれる方へ一番に言いたいのは、「一回でいいので遊んでみてください」ということですね。

見た目だけで判断されてしまうと、どうしてももったいないゲームなので、「本当に一回でいいので遊んでみれば絶対に面白いゲームだから!」というのが、我々のいいたいことですね。

さっきも言ったんですけど、このゲームは推しの部分がたくさんあるので、プレイヤーの皆さんそれぞれが過去のRPG――それこそスーパーファミコン時代のものなどをプレイして面白いと感じた人なら、『LOST ARK』を触っていただければどこかしら面白いと感じる場面があると思います。なのでそこも含めて、一度触ってみてください。

――ここまでのお話をうかがうと、そこまでMMORPGをどっぷり遊んでいるひとではなくともハマれる要素がありそうですね。

嶋田氏:開発元が韓国の会社なんですが、日本のゲームもめちゃめちゃやってる人たちなんですよね。日本のカルチャーもすごく詳しくて、ディレクターの方もスーパーファミコンを小さいころから遊んでいて、「ファイナルファンタジー」シリーズもずっとやっていたとか、「いままで遊んだ日本のゲームで一番好きなのが『クロノトリガー』です!」と言ってたりとか(笑)。

そういった方が担当されているので、『LOST ARK』を遊んでいると「あっ! 昔のRPGでこんな感じの仕掛けあったな!」みたいな「懐かしいな、この場面」とか小ネタがたくさんあるんです。

一個、例を言うと、ダンジョンの壁をすり抜けて通路があるんです。最初、進めたときはバグだと思ったんですけど、進んだ先にはアイテムがあるんです。こうした仕掛けは『ファイナルファンタジーlV』で見かけたもので、懐かしいな~! ってなったりとか(笑)。

――韓国のSmilegate RPGの皆さんも、いまの30代くらいが通過しているRPG体験があるのだと(笑)。

嶋田氏:そうですよ! まさしく! 心躍るというか(笑)。そういう思いや情熱が注ぎこまれたゲームっていうのが、昔のRPGをやったことがあるひとならわかる感じだと思います。そういうところがけっこう刺さったりするので、楽しみにしてやっていただければと。

――表向きは韓国らしいビジュアルを持つMMORPGですけど、実際に触れてみると古くからのRPGを遊んでいたような世代の琴線にかかる要素がそこかしこにあるんですね。

嶋田氏:他にも業績(『LOST ARK』の実績システム?)があって、それを獲得するとUIとしてポップアップされるんですね。そこで書かれている言葉もアニメっぽいやつとか、「俺の名を言ってみろ」みたいなセリフなど「これどっかで見たことあるな?」という物をもじったものとか(笑)。

そういうネタはいっぱい仕込まれているので、そういったものも楽しみにしてもらえればと思います。
《葛西 祝@Game*Spark》

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