『The Last of Us Part II』で痛々しく描かれる「暴力」が伝えるものとは……共同ディレクターにインタビュー | GameBusiness.jp

『The Last of Us Part II』で痛々しく描かれる「暴力」が伝えるものとは……共同ディレクターにインタビュー

共同ゲームディレクターのカート・マージーノ氏にインタビュー。進化したメカニックから物語の背景、ゲーマーなら気になるであろう小ネタに至るまで、様々な質問を投げかけました。

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『The Last of Us Part II』で痛々しく描かれる「暴力」が伝えるものとは……共同ディレクターにインタビュー
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5月28日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)とノーティードッグは『The Last of Us Part II』のコメンタリー映像と初披露シーンを含むゲームプレイを公開しました。特に後者はボリュームも充分で、来る発売日に向けてさらに期待が高まったファンもいらっしゃるのでは。午前5時からの配信だったとは言え、平日の早朝から感情を揺さぶられたゲーマーはきっと少なくないはずです。

「State of Play」配信の翌日、Game*Spark編集部は『The Last of Us Part II』で共同ゲームディレクターを務めるカート・マージーノ(Kurt Margenau)氏への合同インタビューに参加しました。長尺プレイ映像とメディア向けに提供された事前プレイの機会をベースにしつつ、進化したメカニックから物語のバックグラウンド、ゲーマーなら気になるであろう小ネタに至るまで、様々な質問を投げかけました。

なお、インタビュー内には「事前プレイで体験したゲーム内容」に触れるやりとりが含まれます。ゲームのネタバレに繋がる恐れがあるため、閲覧の際にはご留意いただけるようお願いします。



ーーエリーの卓越したサバイバル能力や戦闘の熟れ具合は、やはりジョエルから伝授されたものなのでしょうか。それとも、ワイオミング州ジャクソンの若者のみんながこうしたスキルを体得しているのでしょうか。


カート・マージーノ氏(以下、カート):エリーの能力については前作におけるジョエルとの旅で、ある程度の素質と片鱗が見られたと思います。エリーはジャクソンで定期的に感染者を撃退する巡回をこなしていました。もともと持っていたポテンシャルと技術を、そのパトロール任務で更に磨いていった……という背景があります。

ーーState of Playの映像での番犬を火炎瓶で焼殺するシーンは衝撃的でした。こうした暴力表現はオプションで消せるのでしょうか?

カート:人間はみんな犬が大好きなので、心苦しいと思います。しかし、本作のテーマは「暴力の連鎖」「復讐」にあるので、たとえ残酷と思える行為でさえも躊躇なく表現していくことが重要だと考えました。

ーーゲームプレイ映像で、「PS Vitaで『ホットライン マイアミ』を遊ぶキャラクター」が登場しましたね。なぜ『ホットライン マイアミ』を選んだのでしょうか。テーマ的な共通点があると思いますが、特別な意図はありましたか。


カート:「PS Vitaをプレイしているキャラクター」は他のいくつかのシーンでも登場します。『ホットライン マイアミ』を遊ばせるのは、ディレクターであるニール・ドラックマンのアイデアでした。「どんなゲームを遊ばせるか」という話になったとき、PS Vita版の『アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-』を候補にしたこともあったのですが、暴力に対する表現やシナリオの語り方を踏まえると『ホットライン マイアミ』がぴったりなのでは、という結論に至りました。

ーー『The Last of Us』『The Last of Us Left Behind ‐残されたもの‐』をプレイした海外のファンの間で、「エリーが同性愛者かどうか」という議論が盛んでした。今作ではエリーとキスを交わす女性キャラクターが登場しますが、この設定にはどのような意図があったのでしょうか。


カート:エリーの性的指向において、特別に協議したことはありません。ただ単に「エリーが女性と恋に落ちた」というだけです。ティーンエイジャーらしく恋愛を楽しむ一面を見せたかったのです。敢えて「女性同士の恋愛を描きたいから」というわけでなく、ただ自然に起きたことでしかありません。

ーー1作目である『The Last of Us』を未プレイの方でも、本作を楽しみきれるでしょうか。

カート:Naughty Dogのシリーズ作品すべてに言えますが、続編であってもそれひとつだけで独立したストーリーを体験できるようになっています。『TLoU』を未プレイでも問題はありませんが、当然ながらクリアまでプレイしてれば物語をもっと深く理解できるでしょう。

ーーPS5向けリマスター版『TLoUII』の発売は有り得ますか。
カート:今はPS4でリリースする『TLoUII』に対して、最大限の力を注いでいます。その先について言えることはありません。

ーー発売前の先行プレイを通して、PS4でリリースされた『アンチャーテッド』シリーズ2作と比べて、アクション/ストーリーを楽しませる各パートが更にシームレスに表現されていて感心しました。今作の開発に当って、それらの演出があるシーンで苦労した点はありましたか?

カート:前提として、プレイヤーから操作を奪うシーンは少なくしたかったのです。どうしても操作できないシーンなど、必要なところだけにしたいと考えていました。また、そこから「プレイヤーをゲームプレイに戻す」という流れもなるべく自然にしたかったので、単なるカットシーンで終わらない「シームレスな遷移」を心がけました。

ーーロープなどの新メカニックを絡めたゲームデザインで、特に苦労した点はありますか?

カート:前作の開発中に「(ギミックとして)ロープを入れたい」というアイデアがチーム内で生まれたのですが、今作でようやく実現できました。ロープをどのように扱わせるか、どうインタラクティブに作用させるかの調整は困難でしたが、放物線を描きながら投げられるように実装できました。他のゲームでは見られない、ユニークな仕組みになっていると思います。

ーーエリーが敵に与える攻撃の表現がとにかく痛ましく、快楽性を排して描かれていると感じました。暴力的な描写で特に気をつけた点、こだわった点について教えてください。


カート:本作の重要テーマは「暴力の連鎖」です。暴力を伴う復讐という行為がどのような結果を招いてくのか、という点が物語にとって重要でした。そのため、矛盾のないリアルな暴力表現を描くことに気をつけていましたね。

ーー事前プレイの中で、「敵を倒したとき、彼らがお互いの名前を呼び合う」という描写を確認しました。敵NPCの全員に名前がつけられているのでしょうか。


カート:その演出に関しては、自動で状況を判別して音声を再生するダイナミックなシステムを採用しています。そういう意味では、すべてのNPCが特定の名前を呼ばれる可能性があります。敵NPCにも人間としての感情やバックグラウンドがあり、その上で主人公にインタラクトしていくというリアルさを表現したいと考えています。

ーーNaughty Dogのスタッフは、本作のように文明が崩壊してもゲームを作り続けると思いますか?


カート:良い質問ですね。『TLoUII』のような世界になったあと、PCや開発環境がどれくらい残っているのかによって、変わってくると思います。個人的にはサバイバルスキルに自信がないのでそういう世界にならないでほしいですけどね。

ーー本日はありがとうございました。
《文章書く彦/Game*Spark編集部@Game*Spark》

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