安定性は高く、コストは低く―「Alibaba Cloud」が提供するゲームソリューションの魅力【CEDEC 2019】 | GameBusiness.jp

安定性は高く、コストは低く―「Alibaba Cloud」が提供するゲームソリューションの魅力【CEDEC 2019】

世界最大の流通総額を誇る中国のEコマースカンパニー、アリババグループ。同社が注力しているクラウドサービス「Alibaba Cloud」が今、ゲーム業界に熱い視線を向けています。中国最大のパブリッククラウドによるゲームソリューションの魅力とは?

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安定性は高く、コストは低く―「Alibaba Cloud」が提供するゲームソリューションの魅力【CEDEC 2019】
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世界最大の流通総額を誇る中国のオンラインモバイルコマースカンパニー、アリババグループ。同社が提供するクラウドサービス「Alibaba Cloud」が今、ゲーム業界に熱い視線を向けています。中国最大のパブリッククラウドによるゲームソリューションとはどのようなものなのでしょうか? そして、その魅力はどこにあるのでしょうか?

本稿では、2019年9月4日から6日にかけてパシフィコ横浜で開催された「CEDEC 2019」のセッション「Alibaba Cloudで構築するゲーム基盤 ~対談:なぜマイネット社がAlibaba Cloudを選んだのか?~」のレポートを通じAlibaba Cloudに迫ります。

◆MAU7億人超のサービスを支えるAlibaba Cloudとは


まずセッションにはSBクラウド事業企画統括部の松井巧海氏が登壇し、アリババグループの概要が紹介されました。SBクラウドはソフトバンクとアリババグループの共同出資によって2016年1月に設立され、Alibaba Cloudを日本により一層普及させることをミッションとしています。

中国・杭州に居を構えるアリババグループは、ECモールの取扱高はAmazonを抑えて世界一を誇ります。さらに、QRコード決済の「Alipay(支付宝)」、短文SNSの「weibo(微信)」、中国最大の動画サイトの「Youku(优酷)」なども運営しており、そのどれもが数億人単位のユーザーを抱えています。

同社によるAlibaba Cloudは、MAU(Monthly Active Users)7億人を超えるアリババグループの各サービスを支える基盤であり、大アジア最大のパブリッククラウドサービスです。松井氏は、その設計思想が「"絶対に落ちない"極めて高い安定性を誇るインフラ(の実現)」と、「ビッグデータの活用」にあると語ります。



そう断言する背景が、中国で毎年11月11日に行われる大規模なECセール「W11(ダブルイレブン)」です。同日におけるアリババの取扱高は1日で3.5兆円、発送依頼件数は10憶件以上にもおよびます。もともとAlibaba Cloudは、そんな膨大なアクセスが一気に押し寄せるこの大規模イベントを落とすことなく乗り切るために開発されたため、「絶対落とさない」と「ビッグデータの活用」が設計思想の根底にあるのです。

続いて、SBクラウドのソリューションアーキテクトである有馬茂人氏が登壇し、Alibaba Cloudでのゲームインフラ構成の特徴・魅力について紹介しました。有馬氏は、ゲームに求められシステム要件を以下のように定義しました。

アベイラビリティ:ユーザー離れの一因となるシステムのダウンタイムをできるだけ抑えられること
スケーラビリティ:サーバーを必要なときに必要なだけ迅速に調達できること
パフォーマンス:スパイク等のアクセス負荷に耐えられるスペックが選択可能であること
ヴィジュアライゼーション・アナリシス:ユーザーの動向を分析し、視覚化できること
セキュリティ:不正な送信元からのトラフィックやアタックを防げること
モニタリング:アプリケーションやシステムの状態を適宜把握・監視できること

そして、Alibaba Cloudのプロダクトを用いたゲームの構成例を提示し、その主要なプロダクトにとなるAnti-DDoS Premium、Server Load Balancer(SLB)、Elastic Compute Service(ECS)、Cloud Monitor、Log Service、Function Compute、Container Service for Kubernetes、Data Transmission Service(DTS)についての特徴や強みが紹介されました。






続いて、Elastic IP、SLBr、ECS、ApsaraDB for RDS MySQL、 ApsaraDB for Redis、Alibaba Cloud ElasticSearchを利用したマイネットによる導入事例イメージが提示され、有馬氏は「このように、Alibaba Cloudを利用した場合でも、ゲームインフラのアーキテクチャを十分に構成できます」とまとめました。


◆Alibaba Cloudを導入して実感したメリット


セッションの後半は、マイネット エンジニアリング統括部長の堀越裕樹氏と、ビヨンド システムソリューション部部長の佐藤聖賢氏による対談が行われました。2006年に設立されたマイネットは、他社が開発したスマートフォンゲームを買取や協業により仕入れ長期運営を図る"ゲームサービス事業"を主力事業としています。

2007年設立のビヨンドは、MSP(サーバーの運用、監視、保守)事業、サーバーサイド開発事業、Webサービス事業の3つを柱とする企業です。MSP事業については「サーバーのことは全部丸投げ」を掲げ、エンジニアによる24時間365日の有人監視、ChatWorkやSlackによるクイックレスポンスの実現によって24時間365日安心、安全、安定したサービス運用を支援しています。

セッション一つ目のテーマは、「マイネットがAlibaba Cloudを導入した理由」について。ゲームサービス事業を営むマイネットが直面した課題は、複数社から様々な時期に開発されたタイトルを移管するだけに、タイトルごとに設計思想やアーキテクチャが大きく異なることでした。

その都度、解析・分析を行ってブラックボックスをなくし、現在の技術に合わせて最適化していくのですが、その過程で知ったのがAlibaba Cloudの存在でした。堀越氏は「後発のクラウドの中では、Alibaba Cloudのコストパフォーマンス、プロダクトの豊富さは群を抜いていると思います」と語り、具体的な削減効果は一概には言えないとしながらも、月にかかるコストが半減したタイトルもあるとのことです。

Alibaba Cloudの魅力を語るマイネットの堀越裕樹氏(写真左)と、ビヨンドの佐藤聖賢氏(写真右)

続く「Alibaba Cloudを導入して、構築フェーズで感じた特徴や難しさ」に関しては、ビヨンドの佐藤氏が回答。「エンジニアから「(使ってみて)ほとんど違和感はない」と聞いています。直観的に理解できるポイントがしっかり押さえられているという印象です。サポートの質も高く、その点でもスムーズに構築から移行までを進めることができました。データ移行用にDTS(Data Transmission Service)があるのも大きかったですね」と語りました。

「運用して感じたAlibaba Cloudのメリット」という質問に対しては、堀越氏が「コスト(パフォーマンスの高さ)」と即答。「しかもそれだけでなく、他社のサービスと比べていい意味で違いがないんです。だからこそ、低コストという魅力が一層引き立ちます」と続けました。佐藤氏はコストパフォーマンスに加え、安定性の高さを挙げています。

最後に「今後Alibaba Cloudに期待すること」という質問が投げかけられると、佐藤氏は「気になるサービスがたくさんありますが、ドキュメント類が中国語にしか対応しておらず、二の足を踏んでしまうことも。英語にも対応してもらえれば」と語り、堀越氏は「今のまま、高い安定性を保ち続けてほしい。これからは(Alibaba Cloudの)規模がより大きくなっていくと思いますが、今後も挑戦する姿勢や革新的なプロダクトの提供を続けていただければ嬉しいです」と語りました。


世界第3位の規模と、20のリージョン、60か所のアベイラビリティゾーンを誇るAlibaba Cloud。成長率は前年比で90%超を記録し、第1位のAmazonと第2位のMicrosoftをしのぐスピードでユーザーを獲得しています。安定した母体があるからこそ実現できる豊富なプロダクトと優れたコストパフォーマンスを武器に、Alibaba Cloudはゲーム業界でより一層の存在感を発揮していきそうです。

「CEDEC 2019」SBクラウドブースの様子

《蚩尤》

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