『EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN』メディアイベントで岡島プロデューサーにインタビュー!目指したのは世界中のゲーマーの心を掴む『EDF』 | GameBusiness.jp

『EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN』メディアイベントで岡島プロデューサーにインタビュー!目指したのは世界中のゲーマーの心を掴む『EDF』

アメリカ・サンフランシスコで開催された『EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAINメディア向けプレビューイベントの様子と、ディースリー・パブリッシャーのプロデューサー岡島信幸氏に行ったインタビューをお届けします。

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2月7日、アメリカ・サンフランシスコのダウンタウンにあるHotel Emblemにて、『EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN(以下、EDF: IR)』のメディア向けプレビューイベントが開催されました。本作は『地球防衛軍』とは異なる世界観を描く『EARTH DEFENSE FORCE』シリーズの最新作。このイベントでは2019年4月11日の発売に先駆ける形で、世界中のメディアに向けてその魅力を披露していました。

会場はサンフランシスコ・ダウンタウンの中

本稿ではそのイベントの様子と、ディースリー・パブリッシャーのプロデューサー岡島信幸氏に行ったインタビューをお届けします。



大人びた雰囲気のライティングが印象的な会場には多くのメディアが集まっており、『EDF: IR』の注目度の高さを感じさせました。メディア向けに用意された試遊ブースはシングルプレイとオンライン対戦用がそれぞれ4台ずつ。プロデューサー岡島信幸氏の挨拶でイベントの幕が上がると、早速『EDF: IR』をたっぷりプレイできる試遊タイムがスタートしました。


試遊ブースでのシングルプレイのインプレッションは別記事でご紹介予定。ここからは、岡島氏へのインタビューの様子をお伝えします。



――『EDF: IR』はこれまでの『地球防衛軍』のようにナンバリング作品とされていませんが、その理由を教えていただけますか。

岡島氏: ナンバリング作品としては、最新作の『地球防衛軍5』が日本で2017年に発売されていました。こちらはおかげさまで約37万本(2019年2月時点)のヒットとなりました。欧米でも、いわゆるカルトゲームとしてコアユーザーの間でかなりの人気を集めたのですが、ライトユーザーにとっては「名前は聞いたことがあってもプレイしたことはない」という位置づけのゲームでした。

ただ、ゲームの内容は「巨大なエイリアンに対して人間が生身で立ち向かっていく」という非常に分かりやすいコンセプトですし、ダイナミックな部分もあり、ワールドワイドで人を選ばずに受けるゲームだという自負がありました。しかし、どうしてもカルトゲームの域を出ない、カルトメジャーとでも言うのでしょうか……。そこをなんとか世界規模で乗り越えたいというのが、我々のテーマでした。そのためにはコンテンツを欧米のユーザー向けに改変する必要があるだろうと考え、『アイアンレイン(以下、IR)』を生み出すことになりました。

ナンバリングシリーズを欧米向けに改変するという選択肢もあったのですが、それをやってしまうと、ナンバリングシリーズのコアユーザーにとってはハッピーな改変にならないかもしれない、と考えました。そこで、ナンバリングシリーズとは別で、新しい欧米向けの『EDF』を作るのがベストだろうということになり、『IR』が開発されたというわけです。

――ナンバリングシリーズと比較した『IR』の大きな違いは何でしょうか?

岡島氏: 一番大きな変更は、ロケーションです。ナンバリングシリーズの『EDF』は、日本が舞台。東京や関東の地方都市が出てきて、主人公が日本人です。これでは欧米のユーザーにとっては没入感がないと考え、まずはロケーションを変えました。欧米の人が誰でも映画で見てみたことがあるような街、サンフランシスコやLA、ニューメキシコなどを舞台にしました。

また、ワールドワイドに展開するため、自分の分身でもあるプレイヤーの肌の色、顔などを選べるカスタマイズ機能を追加しました。ゲームシステムに関しては、ナンバリングシリーズでは15年間くらいずっと変わらないシステムを採用していて、クラシックなゲームの要素が強いんです。ただ、今時のユーザーにはマッチしないだろうということで、昨今のメジャーなシステムに親和性があるようインターフェイスを変え、受け入れられやすくしました。

操作システムもそういったものを用意しましたが、以前からのファンも遊べるよう、ナンバリングシリーズの『EDF』と同じシステムも採用し、2タイプを用意しました。

――欧米ユーザーを意識した点としては、どんなことが挙げられますか?

岡島氏: ナンバリングシリーズでは、どちらかというと日本っぽいグラフィックを使用し、ジャパニメーション的な要素を打ち出していますが、『IR』ではもう少しリアルで写実的、アーミー的な要素を強くしたグラフィックにしました。『IR』はこういった点からもナンバリングシリーズではない別物として分類されていて、ストーリー上のつながりもありません。

――今回の開発パートナーにユークスさんを選ばれた理由を教えてください。

岡島氏: もともと、ナンバリング作品はサンドロットさんに開発してもらっていたのですが、今回はナンバリング作品ではないということで、ユークスさんに頼みました。ユークスさんは「WWE」のプロレスゲームシリーズを十数年続けていましたし、「パシフィック・リム」などを題材にした欧米向けゲーム開発なども行っていたので、欧米のユーザーの反応について経験としてご存知です。また、欧米向け作品でありながら、私が日本語で密にコミュニケーションを取ることができるのも重要な要素でした。さらに昔一緒にお仕事をした経験もあり、今回は安心した気持ちで数年ぶりに開発をお願いしました。

――『EDF: IR』でオンライン対戦モードを実装された理由について教えてください。

岡島氏: 欧米のユーザーはオンラインの協力プレイも遊びますが、「対戦が大好き」と感じていることに注目しました。そこで、開発当初から大人数の対戦要素をオンラインに入れようということで開発を進めてきました。また、ナンバリングシリーズを作っている時から、欧米のコアユーザーからは、「協力プレイもいいんだけど、対戦もほしいな」という声が上がっていたこともありました。こういったリサーチの結果、欧米のユーザーには対戦モードは不可欠だろうと判断し、開発初期段階から実装を目指しました。

実は『IR』開発当初は、仮タイトルとして『EDF: VS』と呼ばれていました。それくらい「対戦・対立 」などの意味を込めてこの開発に挑んでいたのです。『IR』では、「カインドレッド・レベリオン」というEDFの対立組織も出てきます。「対立」した構造を物語の中に入れたい、という想いもありました。

EDF(左)とカインドレッド・レベリオンのエンブレム(右)

――『IR』はナンバリングシリーズとは別物として開発されたとのお話でしたが、今後の展開はどうなるのでしょうか。

岡島氏:ナンバリングシリーズを欧米向けに改変してコアユーザーからの支持を得られなくなってしまうよりは、ナンバリングシリーズを聖域として残しつつ、新たに『IR』を立ち上げていこう、という選択をしました。つまり、ナンバリングシリーズが終わってしまって、今後『EDF』シリーズが『IR』のみに絞られていくとは考えていません。ブランドを二つに分けたと考えていただければ。        

――『IR』を体験したユーザーからの反応はいかがですか?

岡島氏: まだ発売前なので、エンドユーザーからの声は多く拾えていませんが、ゲームショーやイベントなどで試遊した日本のユーザーからは、「ナンバリングではないけれど、『IR』は『IR』として、ちゃんと『EDF』らしくなっているので良い」というお褒めの言葉をいただいています。また、欧米のユーザーはさらに『IR』を熱く捉えてくださっていて、「モダンに見えるし、今時のゲームとしてプレイしてみたい」と好評でした。発売してみないとまだ分からないところですが……。

――実際に試遊させていただきましたが、まるで映画を観ているような臨場感があってとても楽しめました。

岡島氏: ありがとうございます。『IR』は、日本映画を自らハリウッドリメイクするような感覚で作った作品だったので、映画のような作品と言われると、こちらが意図した部分が伝わっているのかと思えて、とても嬉しいです。

――ゲームの内容についての質問なのですが、本作のエネミーの数は全部でいくつなのでしょうか?

岡島氏: まだ発表していないものもあるのですが……ざっと数えただけでも20種類以上です。

――PAギアの導入により、新しいアクションが増えたかと思いますが、 発売後にアクション面のアップデートはあるのでしょうか。

岡島氏: アクション面についてはゲームバランスに直結しますので、今のところアップデートは想定していないです。ただ、追加コンテンツで武器・衣装(キャラクターをカスタマイズできるパーツ)、乗り物系などを用意しています。また、追加のミッションを大型ダウンロードコンテンツとして用意しようと思っています。追加ミッションの中で武器が増えたり、新しい敵が増えたりしますので、楽しみにしてください。



――欧米向けの作品でありながら、日本人のTAKUMAというキャラクターが「ブラスト小隊」の隊長となっているのは、何かこだわりがあったのですか?

岡島氏: クリエイターたちに自由にキャラクターを作ってもらう、という環境で生まれた一人がTAKUMAです。日本人を必ず入れるように意識していたわけではないのですが、日本の『EDF』ファンのためにも、隊長という役どころで日本人が現れることは良かったなと思っています。

――本作のクリーチャーデザインは大山竜さんが担当されているのですね。

岡島氏: はい、造形師の大山さんには、日本発の世界的クリエイターということを意識して、デザインをお願いしました。昆虫以外の生物をデザインしていただいてます。実はまだ発表していないキャラクターも2つくらいあり、そちらも大山さんにお願いしています。

――音楽は新垣隆さんが担当されていますが、起用された理由についてお聞かせください。

岡島氏: 新垣さんは、『鬼武者』などの音楽を手がけたことでゲーマーの間で有名です。また、大山さんも含め、日本のクリエイターで世界に通用する方という観点で起用しました。『EDF』は日本のコンテンツですが、世界レベルで受け入れられることを念頭に演出しました。また、ローカルな話ですが、実は新垣さんも大山さんも、私の知り合いの知り合いだったという偶然からお仕事をお願いすることができました。面白いものです。

――最後に日本のファンの方へメッセージをお願いします。

岡島氏: まず、『EDF: IR』は2011年に北米のデベロッパーVicious Cycle Softwareが開発した『Earth Defense Force: Insect Armageddon』の続編だと思われている方が多いようなので、「続編ではありません」とお伝えしたいです(笑)。『EDF: IR』はユークスさんと作り上げた新シリーズですが、実はユークスのクリエイターの中には、以前からEDF隊員だった方もいます。その人たちが「ぜひ!」と言って作り上げてくれたこの『IR』は、『EDF』に対するリスペクトが溢れていますので、それを堪能していただけたらと思います。

また、ナンバリングシリーズの『EDF』のファンの方にもお伝えしたいのですが、ナンバリングはナンバリングとして、これからも進化していく予定です。そして、『IR』は『IR』として、もうひとつの『EDF』として並存していきます。ナンバリングシリーズはコアなファンのための聖域として残しつつ、新たなチャレンジとしての『IR』を楽しんでいただけると嬉しいです。

――本日はどうもありがとうございました。
《chucco@Game*Spark》

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