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日野晃博が明かす、少年時代のルーツとレベルファイブの見据える未来

『妖怪ウォッチ』の大ヒットにとどまらず、クロスメディア戦略による新規タイトルを続々と生み出している、福岡のゲームメーカー レベルファイブ(LEVEL-5)。

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■レベルファイブが見据えるゲームの未来


――今、世の中の流れとして、『ポケモンGO』に代表されるようにゲームの遊び方が変わっている感じがします。そういったアプローチに対し、レベルファイブとして何か考えを持っていたりはするのでしょうか。

日野: 確かに、ゲームの遊ぶスタイルというのはかなり変わってきていますので、それにあったゲームデザインを意識することは普通にやっていくと思います。ただ、レベルファイブに関しては、世間のスマホへの移行についていけていない部分があります。子供たちをターゲットにしたコンシューマー向けのゲームの仕掛けに比重を置いてきていますので、スタッフのゲームを作るスキルもどちらかというとコンシューマーよりになっています。スマホに関してはもっと勉強していかないといけないところです。

――今のレベルファイブのゲームのファンというのは、日野社長も言われたようにお子さんがターゲットですが、その彼らがあと10数年したら、その子ども達が大人になって新たな顧客となっていきます。その頃にはスマホではないインターフェースの世代になっているかもしれませんが、未来の顧客を今作りだされている気がします。

日野: 『イナズマイレブン』は来年復活する作品ですが、初代から8年経過していますので、当時の小学生たちが大人になりつつあります。ある意味ちょっと上の層に向けたコンテンツも作れるかもしれません。

――先ほど家庭用のゲーム機の話が出ましたが、現在はパッケージ市場が少し厳しくなっている状況です。家庭用ゲームに関して、今後の展望は何かありますか。

日野: VRや任天堂さんを含めた新ハードは、基本的には力をいれていこうとは思っています。完全にスマホだけをターゲットにしていくことはなく、従来通り家庭用ゲームもやっていきます。

――アメリカでも『妖怪ウォッチ』をリリースされていますが、海外展開はいかがでしょうか。特に新興国のアジアについて。

日野: 中国に関しては市場が大きいということもありすごく重要視しています。『妖怪ウォッチ』は中国のみ展開していませんし、そこは慎重に準備して展開しようと考えています。北米・欧州に関してはもちろん、アジア圏の様々な国々や巨大な市場としての中国は今後も重要視していきます。

――現地に向けたタイトルを作るような計画はあるのでしょうか。

日野: 今、現地に向けて作っているものはあります。日本でも展開するかもしれませんが、海外優先のものです。

――先ほど家庭用ゲームが厳しいというお話をしましたが、ARやVRによって転換期はあるとお考えでしょうか。

日野: 僕は、プレイステーション4はエンターテインメントとしてお客さんに届ける形が、オンラインも含めしっかりとできていると思います。展望は明るいのではないでしょうか。

――いろいろな会社とコラボを行っていますが、それは日野社長がお声がけしているのでしょうか。それとも会社として面白そうだからと提案しているのでしょうか。

日野: いろんなパターンがありますね。コラボを持ちかけられることもあるし、こちらから提案することもあります。ゲームクリエイター同士の繋がりもありますし。

――吉田さん(スクウェア・エニックス『FF14』ディレクター吉田直樹氏)ともお親しいですし『FF14』ともコラボもされてますよね。

日野: 他のコラボはお断りすることが多いのですが、吉田さんのお子さんも『妖怪ウォッチ』の大ファンということもあります。そういったクリエイター同氏の繋がりの部分でのコラボですね。

――先ほども話にありましたが、『ポケモンGO』で最近の子供たちのゲームの遊び方が変わってきているともいます。将来的には子供たちの遊びはどう変化していくと思われますか。

日野: 『妖怪ウォッチ』を作りながら感じたのですが、昔は『ドラクエ』のように一人で遊ぶものがゲームの主軸で、攻略すべきはゲーム自体でした。最近では対戦型のような人と競い合ったり、人と一緒に協力して何かをするような、マルチプレイのほうが断然エキサイティングであるという感じになっています。逆に対戦要素が少ないと、面白いと感じてもらえないようになっています。その人と一緒に遊ぶ仕掛けが、より重要視される状況になっていると思います。大人の世界でもそうですし、特に子供の世界では。

――そういった子供の目線を維持できるのはなぜなのでしょうか。

日野: それは僕もゲーマーだからではないでしょうか。ゲームにものすごくお金を使っていますし(笑)。

――最後に、レベルファイブのゲームファンに対してメッセージをお願いします。

日野: レベルファイブは新しいことを皆さんに届けたいと思っていますし、もしかすると失敗もあるかもしれません。でも、常に見たことがない新しいもの、本当に新しい体験ができるものに対して力を注いでいきます。過去のものを長く続けていくことも大事だと考えていますが、それ以上に新しいIPを立ち上げて、新しい作品を世の中に出して業界を盛り上げていきたいですね。もちろんお客様を楽しませることをモットーにしているので、そういう点にも注目してもらいつつ、これからも僕らの作品で楽しんでいただきたいと思います。

――どうもありがとうございました。

次ページ: 取材インタビュー後記
《編集部》

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