カヤックが語る、「ウェブ屋が一年でGame屋になるまで」・・・第8回iPhoneGames勉強会 | GameBusiness.jp

カヤックが語る、「ウェブ屋が一年でGame屋になるまで」・・・第8回iPhoneGames勉強会

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株式会社ハッチアップが開催する「TechBuzz」の「第8回iPhoneGames勉強会」の後半ではカヤックの嶋田氏が「ウェブ屋が一年でGame屋になるまでのまとめ」と題された報告を行いました。
  • 株式会社ハッチアップが開催する「TechBuzz」の「第8回iPhoneGames勉強会」の後半ではカヤックの嶋田氏が「ウェブ屋が一年でGame屋になるまでのまとめ」と題された報告を行いました。
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株式会社ハッチアップが開催する「TechBuzz」の「第8回iPhoneGames勉強会」の後半ではカヤックの嶋田氏が「ウェブ屋が一年でGame屋になるまでのまとめ」と題された報告を行いました。

嶋田氏はカヤックのプロデューサーかつフロントエンジニアのチームリーダーを勤めています。もともとウェブ制作事業においてFlashアニメーションやデザインなどを行なってきましたが、今回はそれらの経験をゲーム制作にどのように活かしたかが説明されました。

嶋田氏はゲーム制作では企画、演出、デザインを担当しています。制作に携わったゲームはすでに6タイトルありますが、その中で企画を行ったものに沿って説明が行われました。

まず基本の制作スタイルが説明されました。もともとFlashのアニメーション出身であるため、ゲームの作り方は分からなかったと嶋田氏は振り返っています。そのため、自分が使えるFlashでモックアップを作り、それをプログラマーに見せることで実装したといいます。

最初に企画した『モンスターを集めてまいれ』では、まずランキングと評価が高いアプリを200本ほどダウンロードして、作るゲームのジャンルを絞りました。その中でも、「なめこ栽培キット」や『ゆけ!勇者」などの「待ちゲー」(放置系ゲーム)のジャンルなら自分でも作れると思い、制作を開始したそうです。

ジャンルを絞った後に嶋田氏が行ったことは、二番煎じと思われるアプリを100本ほどダウンロードして、ユーザーレビューで叩かれているアプリとそうではないものの分析です。その分析から、レビューで叩かれているものは完全に真似をしているか、劣化しているものであり、叩かれていないものは真似をしているがクオリティが高いか、オリジナリティがあるものであることが導かれました。

そこで当時、人気があった「待ちゲー」にスーパーファミコンテイストのドット絵を取り入れることで差別化を図った「モンスターを集めてまいれ」を制作しました。ゲームシステム自体は『なめこ栽培キット』とほとんど変わらないものの、ユーザーからの反応は良く、それなりのヒットを飛ばしました。

そして本作を作ったことで、嶋田氏はウェブ制作とゲーム制作の違いを認識したといいます。ウェブや広告の世界では、一瞬を楽しませれば良いのに対して、ゲームではより長く楽しませる工夫が必要だと、嶋田氏は指摘しています。そのため、続編の『モンスターを集めてまいれ2』では、ユーザーを長く楽しませるスキルを磨くために作ったといいます。

そのために『モンスターを集めてまいれ2』では、経験値やレベルアップなどの成長要素を追加しました。またマップ画面などのリッチ化を図り、よりRPGを遊んでいる雰囲気を演出したといいます。さらに売上向上のために、直接アイテムに課金するのではなく、ゲーム内通貨の課金システムを導入しました。

しかしながら、この続編はスタート当初にバグがあったため、予想以上にヒットすることはなかったといいます。ただし、当初の目標であったアクティブユーザーの増加と売上向上には成功しました。そこから、嶋田氏はカジュアルゲームではスタートダッシュに失敗すると挽回するのが難しいこと、アイテムの売り方で売上が変化することを学んだといいます。

3番目に企画したゲームは「スパット斬れ」では、自社のゲーム間でいかにユーザーを流入させるかを目標にあげて制作しました。ゲーム自体は、『モンスターを集めてまいれ』に登場するモンスターをフリックで斬るだけの単純なものです。しかしながら、アプリは予想よりもヒット、さらに『モンスターを集めてまいれ』のダウンロード数と売上も向上し、目標通りゲーム間のユーザーの流入に成功しました。
この「スパット斬れ」の制作を通して、嶋田氏は当初、自社アプリの紹介という手法を「格好悪いもの」であると認識していました。しかし、ユーザーから見れば「似たゲームを探す手間が省ける」というメリットがあることに気付いたといいます。

最後にApp Store BEST OF 2012に選ばれた『タップ忍者』の事例が説明されました。このゲームの目標は、世界を狙うことであったといいます。そのため、嶋田氏は500本ほど『Temple Run』などのランニング系のゲームをダウンロードして分析を行いました。さらにその500本から、ダウンロードランキング、セールスランキング、レビュー評価の高いアプリを50本選びました。

その50本を重点的にプレイし、嶋田氏自身が面白いと感じるアプリと面白くないと感じるアプリを徹底的にやり込んだそうです。そこからユーザーが面白いと感じる仕掛けを解明するため、30秒で面白いと感じた回数、出現アイテムの数、スピードやアクションのタイミングなどの項目を比較分析したといいます。

特にアニメーターの経験を活かし、ゲームのスピード感に嶋田氏は注目しました。体感値のスピードとアニメーションのフレームなどを比較した結果、実際に大ヒットを飛ばしている『Temple Run』がすべてにおいて最適値を示していることに気付いたといいます。そこで『Temple Run』を参考に、海外でのマーケットを見込んで忍者をテーマにした『タップ忍者』を制作しました。

結果、「タップ忍者」はダウンロード数自体はこれまで以上に良く、ヒットを飛ばし、App Store BEST OF 2012にも選ばれました。しかしながら、マネタイズに失敗し、さらに日本でしかダウンロードされなかったため、売上はともなわなかったそうです。

とはいえ、「面白いゲームを作るノウハウ」については学ぶことができたと、嶋田氏は振り返っています。1つはバナー広告の制作ノウハウはアクションゲームにも活かせるということです。アクションゲームでは、ユーザーに面白いと思わせるアニメーションの動かし方やタイミングが重要であり、『タップ忍者』でも忍者の回転する動きなどにバナー制作の経験が活きているといいます。

また面白いゲームを分析する際に、ユーザーレビューを含めた大勢の人たちの意見を参考にする重要性を、嶋田氏は指摘しました。単に自分が面白いと感じるだけではなく、客観的になぜ楽しいのか、なぜ飽きるのかを分析することが重要だといいます。

そして以上から、面白いゲームを作るための分析方法を以下のようにまとめました。第一に同じ系統のアプリを膨大にダウンロードしてみること。次にリリースされた時系列に並べ、どのアプリがどのアプリを参考にしたかを細かくチェックします。そして、その中からユーザーからの反応が良いアプリを選択し、模倣したアプリのどの部分が面白いのかを分析します。このような分析を通して、自分の面白いという感覚を多くのユーザーの感覚に同期させれば、制作するゲームはユーザーの期待から大きく外れたものにはならないと嶋田氏は説明しました。

最後にFlashアニメーションから『タップ忍者』を作るための制作過程が説明されました。嶋田氏は自身のFlashの技術を活かし、『Temple Run』などのゲームを参考にアニメーションを制作しています。フレーム数を変化させることで、スピード感を演出し、最適な形に調整したそうです。背景グラフィックも担当のデザイナーがいなかったため、Flashで制作したそうです。

嶋田氏の報告の後、会場では懇親会が行われました。ゲストスピーカーも含め、新年早々から大勢集まった参加者たちはお互い交流し、iPhoneでのゲーム制作やマネタイズのノウハウを交換しました。次回の「TechBuzz」の「iPhoneGames勉強会」は2月15日に行われる予定です。
《今井晋》

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