【CEDEC 2012】「ウェブでこんなことができるのかよ!」という体験を ― Mobage今後の技術戦略 | GameBusiness.jp

【CEDEC 2012】「ウェブでこんなことができるのかよ!」という体験を ― Mobage今後の技術戦略

CEDEC2012の2日目に開催されたディー・エヌ・エー(DeNA)のセッションは、同社の戦略から、市場の変化、今後の展開を支える技術まで非常興味深い内容になりました。はたして今後のソーシャルゲーム開発はどうなっていくのでしょうか。

その他 その他
CEDEC2012の2日目に開催されたディー・エヌ・エー(DeNA)のセッションは、同社の戦略から、市場の変化、今後の展開を支える技術まで非常興味深い内容になりました。はたして今後のソーシャルゲーム開発はどうなっていくのでしょうか。
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■Mobageの現状

今回登壇したのは、ディー・エヌ・エーのソーシャルメディア事業本部水島壮太氏は、現在ディベロッパー向けの技術コンサルタントを担当しています。まず最初に説明されたのが海外展開の現状です。現在日米中韓の4カ国でサービスを展開中です。いずれの国も通信環境等、日本とは異なる部分があり、その中でも中国は、現在Google Playは展開していないなど、かなり違いがあるとです。そこで同社は、ローカルで強い企業とアライアンスを組みながら、グローバル展開をしています。「ローカライズも必要だが、マーケティングも重要」であるということです。

アプリの開発については、現時点ではngCore・Native・UnityのSDKを配布しており、全リージョンで同時展開が可能になっています。なお、スマートフォンブラウザ版、PCブラウザ版(yahooと提携)があるのは現在日本のみとのことです。

■8.15の衝撃

実は今年の8月15日に一つのターニングポイントが訪れました。同日より、AdobeがAndroid向けのFlashPlayerの提供を終了したのです。これにより、元々Flash未対応のiPhoneに続き、今後発売されるAndroid端末もFlash未対応(※現在インストール済の機種はFlash対応)になってしまうことになりました。「基本的にソーシャルゲームはFlashへの依存度が高い」ということで、「衝撃的な出来事」だったとのこと。しかし、現時点では影響が出ることもなく、8.15を過ぎました。実際にどのような対策がとられたのでしょうか。

■「ExGame」と「Screener」

その理由は、DeNAの開発した「ExGame」にあります。こちらはフィーチャーフォン向けのSWFコンテンツを、スマートフォン上で再生可能にするJavaScript製のFlashPlayerです。Android、iOSの両OSでの動作(Web Viewアプリ内も可)はもちろん、元ファイルの変更なくタッチ操作対応になります。ソースコードは非常にシンプルで、ほとんど手間をかけずに実装することが可能になっています。ちなみにこちらのソフトは今回のために開発されたわけではなく、フィーチャーフォンからスマートフォンへのスムーズな移行が主たる目的で、開発されました。なお、今回のFlashPlayerの提供中止をうけ、「全FlashをHTML5化することも検討した」そうですが、あまりに膨大な作業になってしまうため断念したそうです。

しかし、環境により差違はあるものの、Androidの低機能端末ではFlashPlayerより挙動が悪くなることもあるとのことで、さらにもう一つ対策をしていたといいます。それが「Screener」というプログラムです。こちらをアプリのページに実装しておくと、14日まではFlash未対応の場合は自動的にGoogle Playストアに誘導して、15日までにダウンロードするように促していたということです。

「実際にはiOSでやったことと、同じ対策をすれば問題なく乗り切れた」ということでした。現在もフィーチャーフォン向けにはFlash Lite1.1、スマートフォンならFlash Lite1.1+ExGameで継続開発が可能になっているそうです。

ちなみに、Android4.1以降はウェブブラウザがGoogle Chromeに変更になるので、CSSやHTML5Canavasなどの挙動が変更になります。ExGameについては近日対応版をリリース予定です。

■スマートフォン向けのタイトルはWebとネイティブアプリどちらがいいのか?

現在デベロッパー向けの開発コンサルを行っている水島氏は、よく「Webとアプリのどっちで開発すればいいのか?」と質問を受けるそうです。それぞれの特徴、市場規模、実際の例などから水島氏なりの解答がありました。

まず始めに売上ですが、現時点では5:5になっているそうです。「今後すぐにフィーチャーフォンが消えることはないだろう」ということですが、「今後もスマートフォンが割合を伸ばすのはほぼ間違いないだろう」と予想していました。スマートフォンが隆盛の時代でもまだまだフィーチャーフォンの売上も高く、「ExGameを利用すれば両市場を取り込める」ということです。

続いて、それぞれの特徴で両者を分析していましたが、どちらも一長一短があり、ややWeb版の方が有利な結果になっています。アプリで制作すると、どうしてもフィーチャーフォンをユーザーを取り込めず、現在の売上割合をみると少しもったいないと思われます。また、アップデートの手間や審査、インストールの要・不要、デバッグやQAコストもウェブ版に分があります。一方アプリ版は、UXやグラフィックのクオリティにおいてはウェブ版とは大きな差があります。

【アプリ版の事例:『Fantastica』】
水島氏が「スーパーファミコンみたい」「社員もこぞってプレイしている」と絶賛した、シリコンスタジオの『Fantastica』。配信国に関係なく、日本と同等の好KPIで推移しているとのことです。ちなみにこちらのアプリはngCoreで制作されたということです。水島氏は「アプリ系ソーシャルゲームは十分世界で通用する」とし、

・クロスプラットフォームエンジンを活用して、コスト削減
・ライブアップデート機能の活用
・アプリサイズ(ダウンロードの簡易化)と端末のクセ対応に一工夫

以上の3点を注意点としてあげていました。

【Web版の事例:『Rage of Bahamut(神撃のバハムート)』】
Web版については海外で通用しないという説が、会社内にもあり、水島氏も『Rage of Bahamut』がヒットするまでは、そのように考えていたそうです。理由として「UXが日本独自」
「電波状況が悪いからパケ放題がない」といったところや、同僚の中国人から「「中国人はスクロールする画面が出てきた瞬間やめる」と聞いたりしたからだそうです。

しかし、そんな予想をよそにアメリカで爆発的な売上を誇っています。まさに日本独自のUXであるフラッシュベースで、ExGameを使用して成功をおさめました。他にも同様のタイトルが海外でもヒットしていることをうけ、Web版でも問題なく通用することが分かったそうです。ちなみに成功の秘訣は「Flashplayerに依存しない=ExGameを利用する」ことだそうです。

以上のことからも分かるように、「Webが得意なパブリッシャーはWebで、アプリが得意なパブリッシャーはアプリで」やれば、十分に世界に通用するタイトルも制作可能だとしています。

■新しいExGameの必要性

ExGameがスマートフォン移行に大きく役立ち、海外でのヒットも生み出しましたが、一方で、「ExGameありきになってしまう一面もあり、スマートフォン向けのゲームも、未だに古くさいままの部分がある。」ということで、新しいExGameの必要性が生まれました。一部からはFlashをやめればいいとの指摘もあるそうですが、現場ではFlashの開発効率は高く、今までの人材とノウハウを生かして制作を続けたいというニーズは高いそうです。

■「Post ExGame」とは

そこで登場したのが、「Post ExGame(仮称)」です。基本的な機能はExGameと変わりませんが、とにかく動作が速く、使いやすく、作りやすくなっているとのことです。ただし、よりインタラクティブなHTML5ゲーム向けのソリューションになっているそうです。

実機でのデモ映像が公開になりましたが、「複数のSWFが動作一度に動作し、今までよりもリッチな体験ができます」ということです。

■今後の展望

まずは高速版ExGameというのを窓口に、既存のExGameとの置き換えをすすめたいとのことです。そこから、徐々に一部画面をリッチ化し、フラッシュ素材を使いつつアセンブリングしたユーザライクなUIを提供していきたいということです。そして、スマートフォンへの完全移行にあわせて、本格的HTML5ゲームを投入していく予定です。

■「ウェブでこんなことできるのかよ!」というような体験を

現在でもYahoo!MobageやngCoreのスマートフォンアプリではHTML5のような実装スタイルのゲームは数多くあるとのこと。「HTML5のWebゲームとはスマートフォンやタブレットのブラウザ上でそれをやるだけ」とのこと。

今後は「Flashがプラットフォームではなく、HTML5ゲームのアニメーション部品として利用するようになっていく」と水島氏は指摘しました。まずはPost ExGameでその経験をユーザーに提供していき、最終的には「Webゲームでこんなことができるのかよ!」と思わせるゲームをユーザーに遊んでもらえるようにしていきたいと熱く語り、セッションは終了しました。
《宮崎紘輔》

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