ゲーミフィケーションフレームワークについて(1)・・・「世界を面白くするGamification」第55回 | GameBusiness.jp

ゲーミフィケーションフレームワークについて(1)・・・「世界を面白くするGamification」第55回

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拙著「ソーシャルゲームはなぜハマるのか」にて、「ゲーミフィケーション・フレームワーク」(以下、GFW)という考え方を提示しています。その後、自分自身あるいはゆめみとしてのお仕事でもこのフレームワークを使って実践する機会が増えてきました。様々な場面で使うことが出来る考え方だと実感しているので改めてこちらでもご紹介しようと思います(そういえば、本ブログではちゃんと取り上げたことがありませんでした)。

GFWはこのような図で表現されます。様々な意味がこの図には込められているのですが基本的にここに書かれている6つの要素で構成されています。これはゲーミフィケーションのコンセプトを実際のサービスに導入する際に、何をどのような手順で考えていけばいいのかということを提示するものです。ここに記載されている番号順に考えていくことでゲーミフィケーションをサービスに適用することができます。

1)目的と利用者
図の一番上に表現されている「目的」を定めるのが第一歩です。そのためにはまず利用者をしっかりと理解する必要があります。利用者はなぜこのサービスを使うのか?真の動機をつかむのがこのステップで実施することです。誤解してはいけないのは、ここではあくまで利用者に動機にフォーカスを当てることです。決して、サービス提供者(企業であることが多いでしょう)の動機ではありません。

以前、「広告主がいるサービスの場合、広告主の動機にもフォーカスを当てるのか」という質問を頂いたことがありました。おっしゃるようにこの場合にはサービスの利用者として、

・広告主
・(広告を閲覧する側となる)一般ユーザ

の2種類が考えられます。この場合でも後者の動機にフォーカスを当てます。一般ユーザが満足してこそ広告媒体としての価値がでますので、順序はそこからです。

「動機が複数考えられる場合はどうするのか?」という質問を頂いたこともあります。理想的にはそれぞれの動機を満たすようなゲーミフィケーションデザインを考えることですが、実際は複雑さの度合いが増すためまずは1つの動機に絞るほうが現実的です。より多くの人の動機となっている方を選ぶのが効果が出やすいためまずはそれを仮説として1つ設定してみてはどうでしょうか。

2)可視化要素
動機を1つ絞れば、次にそれを可視化することを考えます。可視化とは、数値化と考えても構いません。動機の実現に近づいていることを表現する数値を設定してみましょう。例えば動機が「健康になりたい!」であるとすると、「健康度」を数値で表現することを考えることになります。あるいは「自分の知見を披露したい!」なら「披露出来ている度」を数値で表現することを考えてみましょう。

このような数値は、実際はどのような要素に分解されるでしょうか?ゲーミフィケーションを適用しようと考えているサービスが提供できる何かを基準に考えてみてもいいですし、その数値がそもそも表現していることを基準に考えてみてもいいでしょう。

例えば健康度であれば、Nike+を例に取れば「ジョギング」という切り口でこれを表現することになります。走った距離、スピード、継続日数、などといった要素への分解が考えられます。また燃焼したカロリー量、体重、血圧といった要素もあり得ますね。また仮にNike+を拡張して、ジョギング以外の切り口で健康を実現することを含めるとすると、食事、睡眠、といった要素を新たに加えてもいいかもしれません。

ここでは、「この数値が向上・改善すれば動機の実現に近づくであろう」と考えられる数値を出来るだけたくさん挙げてみましょう。

3)目標要素

3−1)アクションの決定
可視化要素としてあげたこれらの数値について、全てが実際のサービスの中で取得できるわけではありません。ここでは実際のサービスの中で具体的に取り得るアクションを基準として、2)で挙げた数値のうちどれを表現することが可能なのかを検討します。ここでいうアクションとは、例えばNike+であれば「ジョギング」が主となりますが、Webサービスであればログインした、商品を閲覧した、検索した、購入した、レビューを書いた、フェイスブックでシェアした、といったアクションが挙げられます。

Nike+の上記の例ですと、体重はNike+単体としては直接には取得しづらい数値になりますので、一旦省いたほうがいいでしょう。

ただし、現在のサービスに用意されている機能としては取得できない数値であったとしても本来的にあったほうが良いという場合には、将来的な機能拡張の有力な候補となりますのでそれはそれで拡張を考えても良いでしょう。

サービスの中で取り得るアクションは様々にあると思いますが、それらの複数回、あるいはいろいろなアクションの組み合わせが具体的な目標要素となります。

ちなみに1)で考えた「目的」とは言葉が似ていますが、GFWではこの2つは明確に区別しています。目標は具体的なアクションとして記述でき、達成したかどうかが明確に判定可能なものです。目的は(健康になりたい、というように)必ずしも達成が明らかではありません。

3−2)難易度のデザイン
こうしたアクションが決まってくると、今度は難易度を考えます。当然ながら簡単な目標と達成が難しい目標があります。Nike+の例で挙げれば1km走るのは容易でも100km走るのはそう簡単ではありません。

アクションの量、頻度、結果などに応じて達成が困難な目標と容易な目標をいくつか設定します。2)で分解した各数値要素を表現するアクションについて、簡単にできることとなかなかできないこと、いろいろな段階を設けて表現してみましょう。それぞれが利用者にとっての目標となります。

3−3)フィードバックのデザイン
最後に、それぞれの目標を達成した時にどんなフィードバックを利用者に返すのかをデザインします。簡単なものであれば簡単なりの、難しいものであれば難しいなりのフィードバックを考えましょう。

この際に、そのサービスならではの特典があるとなおよいです。

さて、長くなりそう(というか、今日は力尽きた・・・)なので続きは次回に。
《深田浩嗣》

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