人事評価は可視化とソーシャル化が肝?社内制度をゲーム化する・・・「世界を面白くするGamification」第50回 | GameBusiness.jp

人事評価は可視化とソーシャル化が肝?社内制度をゲーム化する・・・「世界を面白くするGamification」第50回

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今回は1/25放映のNHK「クローズアップ現代」で特集された、ゲーミフィケーションを人事評価に導入したシンクスマイルの事例をご紹介したいと思います。

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シンクスマイルの主事業は飲食店やエステサロンなどの割引サービスを紹介するウェブサイトの運営。会員の数は創業から5年足らずで20万人を突破したとのこと。番組内ではその急成長の原動力として先述の人事評価システムが紹介されています。 シンクスマイルコーポレートサイト: http://5smile.com/
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評価システムの名はCIMOS。このCIMOSがうまく機能しているポイントは、評価を可視化/ソーシャル化したことにあります。下記、評価の可視化/ソーシャル化とは何か?なぜそれが上手くいったか?今後の運営で気をつけるべき点は?など詳細に見ていきます。

◆CIMOSとは?



社員同士が互いの長所や行動に対して、WEB上でバッジを贈り合うことができるシステムです。そしてそのバッジ獲得数が昇給や昇進に反映されます。

バッジの種類は全15種類。感謝を表す「サンクス」バッジや何かに挑戦した人に贈る「チャレンジ」バッジなど多岐に渡ります。このバッジに関して特筆すべきは2つ。

まず、バッジの価値尺度が多様なこと。「MVP」バッジのような成果を評価するものから、笑顔の素敵な人に贈る「スマイル」バッジなど、その人自身の長所・行動まで評価できます。

次に、社外の人も参加できること。Facebookでログインすると「顧客感動バッジ」「サンクスバッジ」「スマイルバッジ」の3つを社外の人も贈ることができ、顧客と接点になります。(同じバッジが10個集まるとメダルをもらえます)





バッジの結果はランキング形式でコーポレートサイトに表示されます。コーポレートサイトには、この「バッジランキング」以外にも「いいね!ランキング」という評価形態が載っています。

◎「バッジランキング」



◎「いいね!ランキング」

全社員が各々のFacebookページを所有し、そこでのいいね!数をランキングで表します。また、いいね!数が50を超えると「アイドル」バッジがもらえます。



◆CIMOSが機能するポイントとは?

それは、評価を可視化/ソーシャル化した点です。これにより、人事以外の評価が可能になるため、社員がフィードバックを受ける機会が増え、モチベーションの向上が見込めます。またソーシャル化により、自社のブランディングにもなります。シンクスマイルの事業であるサイト制作にも、そのノウハウが活かせます。

◆評価の可視化/ソーシャル化とは?

このシステムでは4つの欲求「競争」「協力」「コミュニケーション」「自己表現」を原動力としたソーシャルアクションが行われています。

1. 競争
評価の結果がランキングとして表示され、その結果が人事評価に繋がるため、社員がこのシステムを利用するモチベーションとなります。

2. 協力
自分に評価をつけてもらうためにはコミュニティが盛り上がっている必要があります。コミュニティを盛り上げるには、自ら参加し、他人にバッジを付与しなければなりません。このため自然な協力心理が働き、アクションが活性化します。

3. コミュニケーション
協力に近いのですが、このシステムはコミュニケーション欲を刺激します。情報発信し合うことで、社員同士や顧客との間で会話の糸口や共感ポイントが見つかりそうです。またバッジを贈る際に追記できるコメント機能により、フィードバックを何度でも見返せます。



4. 自己表現
この徹底ぶりがこのシステムの特筆すべき点なのですが、このシステムは社員の自己表現、そして自己成長の場にもなっています。コーポレートサイト内に個々の社員を紹介するページがあり、ここで集まったバッジにより、一目でその社員の事が分かります。



バッジをもらうことで社員は自身の個性、つまり強みを知ることができ、それは仕事の方向性を決めるのに役立つはずです。また欲しい評価を得るための自助努力を促すことにも役立ちます。「オシャレ」バッジが欲しければ服装を変える工夫が出来ますし、その行動の結果はバッジの有無ですぐにフィードバックされます。

「いいね!ランキング」の件で述べましたが、全員が所有する自身のFacebookページも自己表現の場の一つとして与えられています。このことは社員の情報感度の向上にも繋がりそうです。

◆なぜCIMOSはうまく機能するか?

その理由はフィードバックが一貫してポジティブなものだからだと考えます。「バッジ」の尺度で共通しているのは相手を「褒める」たぐいのものであること。コメントもWEB上で誰でも見ることができるためか、基本的にポジティブなものが見受けられます。「バッジ」以外の評価である「いいね!」もやはりポジティブな性質のもの。このように、ソーシャル化と評価を組み合わせるには「ポジティブであること」がポイントになるのではないでしょうか。

◆今後の運営で気をつけるべきことは?

社員が離脱しないようシステムを機能させること、つまりプレイサイクルをうまくまわすことです。人事評価システムと言えど、社員のCIMOSへのモチベーションが下がるとこのシステムはうまく機能しません。「強要されても楽しくなければ続かない」という点は社内向けであってもユーザー向けであっても共通するゲーミフィケーションの特徴と言えるかもしれません。開始から半年間が経過しても社員のFacebookページへの投稿が盛んである点などを見ると、このシステムはうまく機能していると言えそうです。更に言うと、CIMOSの今後を追って行くと、社内にどうゲーミフィケーションを活用するかの示唆が得られるかもしれません。

最後に筆者が現行のシステムで上手だなぁと思う点をご紹介すると、バッジの付与が月に一度まで、と設定されていることだと思います。この頻度ならば無理なく続けることが出来そうです。このあたりの感覚もこの事例からは学ぶことができそうですね。



※この記事はシンクスマイル様の公開情報を元に構成しています

《深田浩嗣》

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