ゲーミフィケーションサミットNY 1日目(8) “Loyalty Goes Virtual”・・・「世界を面白くするGamification」第41回 | GameBusiness.jp

ゲーミフィケーションサミットNY 1日目(8) “Loyalty Goes Virtual”・・・「世界を面白くするGamification」第41回

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ずいぶん間が開いてしまいましたがサミットレポートの続きです。本セッションは、大手企業のポイントプログラムと連動したチェックイン型のLBS「TopGuest」のCEO、Geoff Lewisのプレゼンテーションです。TopGuest社、今見るとこちらのリンク先がページがないのですが、つい先日に買収されたというリリースが流れました。

Early checkout: Travel startup Topguest acquired by ezRez

同記事中にも記載がありますが、TopGuestはヒルトングループやユナイテッド航空のロイヤリティプログラムと連携しており、特定の場所でチェックインをすると各ロイヤリティプログラムでのポイントがもらえるというサービスです。買収後もサービス自体は継続するとのことです。買収したのはezRezという企業で、旅行業者や金融業者の優良顧客向けのロイヤリティサービスをSaaSで提供しているとのことです。

本セッションでは、Geoffがロイヤリティプログラムを変えようとしていることを話してくれました。彼によれば、「ロイヤリティ」という言葉は「エンゲージメント」という言葉に置き換えられるべきだとのことです。冒頭、彼はジョークとして

「現在、財布の中にはたくさんのロイヤリティカード、ポイントカードが入っている。これを見なおさなきゃいけない。どうやって・・・?もちろん、バッジを使って

と笑いを取っていました。この場面個人的には非常に印象に残っていて、これがジョークになるだけの素地がオーディエンスの中にあるんだなという驚きがありました。このセリフが笑いになるためには、

・ゲーミフィケーションの有効性が十分に理解されていること
・ゲーミフィケーションは顧客ロイヤリティの向上という文脈で活用できることが理解されていること
・ゲーミフィケーションの活用方法は単にバッジを導入するということではないこと
ということが少なくとも理解できている必要があります。そういう意味で、参加している人たちも相当勉強しているということが見て取れる場面でした。

Geoffはロイヤリティの歴史を紐解きながら、結局はロイヤリティとは何かしら報いがあるということだ、と話します。大きなリターンが将来的にあるので機能するものだ、ということです。退職金制度はその典型的な事例である、とも言います。ロイヤリティは、短期的に金銭的に得する選択ではなく将来的なリターンを選択する場合にロイヤリティがある、ということができます。

ただ、近年ではロイヤリティの考え方が変わってきたと彼は言います。本当に、長い目で見て得をする事ができるのか?ということが疑いの目で見られるようになってきました。またこれまでは、エンゲージメントに対する報酬としては金銭的なものしか提供することができませんでしたが、ソーシャルやモバイルの時代になることで、企業はユーザの様々な行動をトラッキングできるようになります。ロイヤリティプログラムからエンゲージメントプログラムに移行をしつつあるのが現状です。TopGuestはこうしたことを実践しています。エンゲージメントはすべてのユーザにとってパーソナルな体験であり、データとリアルタイムでのカスタマイズに基づいて構築されるものなのです。

本セッションは以上のような内容でした。ロイヤリティとエンゲージメントは似た概念なのかと思っていたのですがこれを聞くと明確に区別していますね。ロイヤリティは「得するのは何か」ということをユーザが考えた結果、短期的な報酬よりも長期的な報酬を選択する行為である、というニュアンスが濃厚な印象を受けました。そういえば、歴史的には日本でも戦国時代の忠誠心というのはあくまで自分にとっての便益を図ってくれる人であるということが中心にあり、そうでなければ違う所に行くのが当たり前である、というものでした。根本はそこにあるのかもしれませんね。
《深田浩嗣》

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