コミュニケーション+プレイ=ゲーム?・・・イバイ・アメストイ「ゲームウォーズ 海外VS日本」第7回 | GameBusiness.jp

コミュニケーション+プレイ=ゲーム?・・・イバイ・アメストイ「ゲームウォーズ 海外VS日本」第7回

テレビゲームの歴史の半分以上は、プレーヤーと画面に映るキャラクターとの相互的な関係がゲームの主なセールスポイントでした。画面上で、プレーヤーの命令に従って動くキャラクターがいるのは、今も昔も、とても魅惑的な事です。数世代に渡って、ゲーマーは新しい世界

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テレビゲームの歴史の半分以上は、プレーヤーと画面に映るキャラクターとの相互的な関係がゲームの主なセールスポイントでした。画面上で、プレーヤーの命令に従って動くキャラクターがいるのは、今も昔も、とても魅惑的な事です。数世代に渡って、ゲーマーは新しい世界に飛び込み、楽しさと驚きを体験するために、ゲームをプレーしてきました。冒険、アクション、スリル、レジャー・・・どれもゲームという言葉にぴったりと当てはまるでしょう。

しかしここ数年、ゲーム業界における技術的な発展は素晴らしかったものの、新しくユーザーを驚かす事は余り見つけられませんでした。勿論、文学や映画のような他のメディアの世界でも、“これ以上、観客を驚かせられない”という段階をはるか前に経験しています。そして、それでも生き残っています。

それでは、この壁を超えるには、どうすれば良いのでしょう? テレビゲームを支持しているゲーマーはまだ大勢いるし、メジャーなゲーム機の更新サイクルにはまだ時間がありますから、産業そのものは数年以内に大きく変わらないと思います・・・。が、ユーザーがゲームにスリルを感じなくなる前に、この壁を乗り越える必要があると思います。答えは私にも解りませんが、産業を見ると、2つの動きがあるように思います。
1.更に優れたグラフィックと壮大なストーリーのゲームを作る 
2.更にインタラクティブな作品を作る

今回は、この2点目に関して、お話をしたいと思います。

ゲームが生まれてから、ゲームのコンセプトは、日常生活からかけ離れたゲーム内の素晴らしき空想世界を紹介するものでした。しかし、近頃(2、3年)ゲームそのものを日常生活に取り入れる動きが見られます。今までコンシューマーゲームしかプレーした事のないゲーマーにとっては痛々しい事実かも知れませんが、ソーシャルゲームは、今までゲームと言うものに全く興味のなかった幅広い人間に感動と驚きを与える役目を果たし、新しい層のプレーヤーを生み出しています。

ソーシャルゲームは、産業としては未知の世界ですが、ディズニーやグーグルのような米国の大企業も大変注目しており、海外の中小開発会社にとっても、コンシューマーゲームの開発に比べて資本を集めやすいという事実があります。ユーザー数もコンスタントに増える一方です。コンシューマーゲームに比べるとソーシャルゲームは課金システムが複雑なので、市場はどこまで延びるのか予想がつきにくく、こればかりは、世界の石油埋蔵と同じで、いつまでもつかと10人に聞けば、全員の答えは違ってきます。そういう意味で、ソーシャルゲームに本気を出して挑戦すべきかどうか迷っている企業の気持ちも分かります(ましてや、iPhoneアプリの開発にも乗り遅れたせいで、損した開発者も大勢いますので、皆慎重である事は、当然な事だと思います)。

さらに、「ソーシャルゲームの人気は確かに高いですが、真のゲーマーがこのようなゲームに時間を使うなんてありえない」と考える人々は少なくありません。なるほど、私も長くコンソールゲームを愛していましたし、PCゲームやカジュアルゲームでもそれほど完成度の高い作品に出会えた事もありません。但し、PSP版の『モンスター・ハンター』のように、仲間とコミュニケーションをとりながらプレー出来るからこそ、大人気になった作品もあります(2年前は、マクドナルドに入ると、必ず数人はモンハンをやっていましたよね)。そういう意味で、日常生活にゲームを持ち込んだソーシャルゲームには、多いに期待しています。ストーリーは浅い事が多いし、サウンドトラックでさえないので、カジュアルすぎるかもしれないですが、そのコミュニケーション能力は、私は好きですね。

将来はどうなるか分かりませんが、コンシューマーゲーム開発者は、ソーシャルゲームを恐れずに、その面白さを盗めば、業界自体はもう一度元気がでるような気がします。そして、ユーザーも”驚き”をもう一度体験できるはずです。

皆さん、どう思いますか?
《イバイ・アメストイ》

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