『VA-11 Hall-A』開発元が描く、新たなサイバーパンクの世界へ。“完成間近”な新作『.45 パラベラム ブラッドハウンド』試遊レポ&開発者インタビュー【TGS2026】 | GameBusiness.jp
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『VA-11 Hall-A』開発元が描く、新たなサイバーパンクの世界へ。“完成間近”な新作『.45 パラベラム ブラッドハウンド』試遊レポ&開発者インタビュー【TGS2026】

アクション初心者も楽しめる独自の戦闘システムや、ゴスロリ少女が関西弁を話す理由とは?開発者インタビューを交えてお届け!

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2026年発売予定となるSukeban Gamesの新作『.45 パラベラム ブラッドハウンド』が、このたび「東京ゲームショウ2026」に出展。

本記事では、「サイバーパンクアクティブタイムアクションゲーム」とされる本作の試遊についてや、開発者のChristopher Ortiz(クリストファー・オルティス)氏へのインタビューもお届けします。

Christopher Ortiz氏

レトロなビジュアルと、クセの強いキャラクターたち。戦闘は考えること多し

試遊では、トレイラーでも感じられたように町の景色や冷たい空気感がひしひしと伝わってきました。大きなマンションやビルが建ち並ぶ一方で古い住宅街も残っており、可愛らしいナース服の女の子やスタイリッシュな看板も目に入ります。しかし空は霧がかったように白く、まるで主人公「レイラ」の心を映し出しているかのようです。

カメラワークもPS時代を思わせる固定カメラで、画面が切り替わるとキャラクターが奥から手前へ進んでくるなど、どこか懐かしい感覚を味わえます。

レイラの行く先々に現れては、しきりに話しかけてくる謎の少女「アナ」。彼女はレイラを「レーちゃん」とあだ名で呼んでくるなど気さくな印象のキャラクターですが、話の内容からは本作の世界の不穏さが垣間見えました。

道の途中にある赤い扉の先には謎の「空間」が広がっており、管理人の「マリヤ」とゴスロリ少女の「ジュリエッタ」が迎えてくれます。ここでは、戦闘時に使う「スペル」の調整に加え、装備や回復薬の購入も可能。また、奥に進むと砂嵐の映るテレビが並ぶ廊下が延びていますが、その先に何があるかは分かりません。

戦闘は、左上のバーにある「ACT」と「PSY」を管理しながら進めていきます。ACTは使うと消費され、時間とともに回復して溜まると攻撃できるようになります。一方のPSYは、消費することで特殊能力を使えるようになるもので、前方に向かって自動で攻撃するタレットのようなものを出すこともできます。

緑色の「VIT」は体力ゲージです。

試遊の段階では、近接、ピストル、グレネードランチャーのような銃の3種類を使用できました。攻撃を選んでいる間は時間が止まりますが、ACTが溜まるまでは敵の攻撃を避けながら、次の一手を考えなければなりません。

また攻撃範囲も存在し、範囲外の敵には攻撃が届きません。そのためある程度近づく必要がありますが、近寄りすぎると攻撃中に反撃を受けてしまうこともあります。最初は慣れずに苦戦しましたが、システムを理解していけば敵の行動を先読みし、バトルを有利に進める手順を頭の中で組み立てながら戦えるようになるのではないかと感じました

敵が2人いる時は誘い込んで広範囲攻撃を行えば、2人同時にダメージを与えることも。

ゲームオーバーになってしまうと、これまたテレビの積まれた空間で目覚め、「アメリカ」という女性から頼み事を託されます。この頼み事も、物語の鍵を握っているのでしょうか。

15分という短い時間ながら、ビジュアルのクールさやキャラクターの個性、ローカライズの質のいずれも抜群で、心惹かれる体験となりました。戦闘面では、どのようなボスが待ち受けているのかも気になるところです。

クリス氏へのインタビュー、『VA-11 Hall-A』と『.45pb』の違いとは

――現在の開発状況はどのくらいでしょうか?

Christopher Ortiz氏(以下、クリス)ゲームはほぼ完成していると言っていい状態です。第7章まで仕上がっていて、全体としても完成している。ブラッシュアップ作業もほぼ終わっています。

ストーリーやカットシーンといった要素は揃っていて、あとはサウンドの最終確認などを行う段階です。発売時期を具体的にいつと言い切ることはまだできませんが、そう遠くない時期にお届けできるという確信はあります

――アナがレイラの行く先々に出てくるところが印象的でした。気の抜ける雰囲気や口調、台詞も気に入っています。

クリス:以前別のインタビューでも話したんだけど、「スターシステム」ですね。僕は、あるゲームのキャラクターを別のゲームでも登場させるのが好きなんです。

実際、多くのゲームキャラクターが他の作品に登場するし、僕もそうやって登場させるのが好きなんですよ。ただ、他の作品に出るからといってキャラクターや設定が変わるわけではありません。あくまで「その役を演じている」という感覚ですね。

――私はグラスホッパー・マニファクチュアのゲームが好きなので、アナが行く先々に登場するのは『killer7』のトラヴィスやイワザルを少し思い出しました。

クリス:ええ、その通りです。『killer7』はこのゲームにとって非常に大きなインスピレーション源の一つだったと感じています。具体的にはセリフのスタイルそのものではなく、なぜあのようなセリフ回しになっているのか、その理由という点で。

文章のスタイルについては、直接的な影響を受けたわけではないですが、あのような書き方になった背景には共通する理由があるのか​​もしれません。

――何故「ジュリエッタ」は関西弁なのでしょうか?

クリス:彼女が関西弁を話す理由についてですが、彼女はアメリカ南部のような訛りで話す設定だったんです。ただ、僕は「見た目と振る舞いにギャップがあるキャラクター」を書くのが好きでして。予測不可能なキャラクターにしたいという思いがありました。

ゴシック系のキャラクターで関西弁を話すというのはあまり見かけないパターンですし、もしかすると、彼女が初めてかもしれませんね。

――リリース時に日本語ローカライズも用意されているそうですが、こちらはどなたが担当しているのでしょうか?

クリス:Taku(山中氏)という方が日本語のローカライズをしています。ゲームはスペイン語、英語、日本語で同時に開発されています。まさに同時進行。開発ツールも、この3言語を最優先に設計されています。

これには一つの利点があって、例えば僕がゲームを作っている時、英語のセリフを書くとその下にスペイン語版用の小さなウィンドウが表示されるんです。そうすると、ローカライザーが質問があるたびに直接僕に質問できるんです。彼がセリフを更新し、僕がそれに対応する。すべてが相乗効果を生み出していて、ゲーム開発においてこれは非常に珍しいことだと思います。

――その中で印象に残ったやり取りはありますか?

クリス:日本語の翻訳者にとっては、「このキャラクターは一体何者なのか?」「なぜこんな話し方をするのか?」「なぜこの女の子は関西弁なんだ? 関西弁にするべきか、それとも別の解決策があるのか​​?」といった点に苦労させられることが多々あります。そのため、英語から日本語へローカライズされた似たような作品を探し、それらがどう対応していたかを確認する、といったことをよく行っています。

――今回試遊で初めてプレイしたのですが、時間を考えながら誘導しつつ戦うバトルが面白いですね。

クリス:ええ、それは意図的なものです。『VA-11 Hall-A』をプレイしてくれた方々にも、ぜひこのゲームを手に取ってほしかったから。正直なところ、当初は純粋なアクションゲームにしようと考えていたのですが、最終的にはその中間のような形に落ち着きました。

私たちにはアクションゲーム制作の専門的なノウハウがあるわけではありませんし、このスタイルなら学びの機会にもなります。それに、普段はビジュアルノベルを遊んでいるような方々にも、アクション要素の強いゲームを楽しんでもらえる良いきっかけになると思ったんです

――攻撃時に時間が止まるとはいえ、自分が攻撃出来ない間は敵が動きますし、避ける必要がある。そのやりくりをしっかり考えないといけないので、バトルが好きな人でも楽しめるものになってると感じました。

クリス:そうですね。ゲームバランスに関しては、まさにそこを重視しました。こういうアクションゲームに慣れていない人でも一時停止して何をすべきか考えながらプレイできるから、慣れる時間があるってことなんだよね。

そうして最後までプレイすれば、より本格的なアクションゲームへとステップアップする準備ができる……そんな感じでしょうか。だからこそ、時間を止められるようなバトルシステムは、経験の浅いプレイヤーが本格的なアクションゲームの遊び方を学ぶための入り口になるのかもしれませんね。

――『VA-11 Hall-A』ではバーテンダーが主人公で、日常と地続きである中で外で戦争が起きている、という状態でしたが、今回は戦いが近くにあるため、よりその面が見られるかと思っています。

クリス:『VA-11 Hall-A』と『.45 パラベラム ブラッドハウンド』の脚本を書く上で面白い違いの1つは、先ほどセリフ回しの理由についてお話ししましたが、そこにはある種の実用的な設計意図があるということです。プレイヤーの皆さんに、「これはたくさんの文字を書ける時のSukebanだ」「これは限られた文字数しか書けない時のSukebanだ」といった違いを感じ取ってもらえたら嬉しいですね。

――今年の6月に『VA-11 Hall-A』が10周年を迎え、ジルやドロシーのフィギュアが出たり、ライブを行うなど様々な告知がありますが、日本でライブを行うと決めたのはどのような経緯からでしょうか?

クリス:主に運営面での利便性が高いからです。私たちの本社は実は日本にありますし、開発作業の多くはアルゼンチンや日本などで分担されていますが、作曲家はベネズエラにいます。メンバーは世界中に散らばっていますが、会社として実際に物事を進めるとなると、今は技術的には日本の会社になっているため日本で行う方が簡単なんです。

それに、いずれは世界の他の地域でも開催する方法を学んでいきたいと思っています。アメリカやヨーロッパ、特に南米でもライブコンサートをぜひ実現したいので。まあ、それは今後の展開次第ですね。

――最後に、Sukebanのファンの方にひとことお願いします。

クリス:とにかく、このゲームを実際に手に取ってもらえたらと心から願っています。長い開発期間を経て、様々な出来事を乗り越えてきました。それらすべてが、最終的に報われるものになればいいなと……。皆さんに楽しんでいただければ、本当に嬉しいです

――ありがとうございました!


.45 パラベラム ブラッドハウンド - サイバーパンクアクティブタイムアクション』は、PC(Steam)向けに2026年発売予定です。

《もぐ水@Game*Spark》
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