Indigo Ingotsが開発している、「死刑囚の少女をいつでも処刑できる」アドベンチャーゲーム『イツカノヨル』。展示会に出展されたバージョンに存在したある不具合をきっかけに多くの人々の目に触れることになった同作を巡って、さまざまな議論がSNS上を飛び交っています。
ゲームの存在自体がミソジニー(女性蔑視)の発露?引用ポストには過激な意見も飛び交う

今回話題となったゲーム『イツカノヨル』は2023年10月にUnityroomで公開され、「死刑囚となった竜族の少女を見守る任務と、彼女とのコミュニケーションと、いつでも彼女を処刑できるボタンとの葛藤」が評判を呼んだアドベンチャーゲームです。現在、多言語対応やボイス・収録曲の追加が行われるSteam版・ニンテンドースイッチ版の開発が行われています。

改めて本作が注目を浴びたのは、X(旧Twitter)上で"最強のバグ"談義が盛り上がったことを受け、『イツカノヨル』の制作者が「展示会バージョンでは処刑ボタンを押さないと先に進めなくなってしまっていた」とポストしたことを受けてです。
本来ならばプレイヤーが少女の直接的な生殺与奪を望まずして握ることになった葛藤を描く作品なのに、即処刑しかできないのはどこをどう見ても本末転倒のコメディのようだ、ということで注目を浴びたこのポストに対しての反応は、その多くが「バッドエンド確定か」「人の心とかないんか?」といったなかばジョーク的なものでした。
しかし……そうして多くの人々の注目を集めた結果、それらとは異なる毛色の、攻撃的な意見が多く見られるようになっています。
少女を処刑するという設定が生理的に受け付けない。
少女を無条件で殺害できるゲームという存在自体がおかしい。これはミソジニー(女性蔑視)が形になったものではないだろうか。
死刑囚が少女である理由は何なのか。プレイヤーの加虐性を助長しているとしか思えない。こういったゲームは規制すべきだ。
設定が現実的ではない。死刑囚は中年~壮年男性にすべきだ。
こうしたゲーム作品への特定の視座からの抗議は、直近でもノベルゲーム『いちばん美味しいゴミだけ食べさせて』が発表された際にもみられ、その際は同作の制作者が「差別や蔑視の意図はない」という声明文の発表に至りました。
もともとは同好の士を楽しませようと「ゲームが台無しになる不具合」を紹介しただけだった『イツカノヨル』製作者の行動は、おそらくは予期しなかった衝突と自身への大きな負担へとつながってしまうのでしょうか。
『イツカノヨル』はPC(Steam)版が開発中で、現在同作のデモ版がプレイできます。また、UnityRoom版もフリーゲームとしてプレイできます。









