海外メディアThe Game Businessは、10月30日にリリースされた『The Outer Worlds 2』を手掛けたObsidian Entertainmentのポッドキャストを公開しました。
興味深いトピックとして、Obsidianが独自に導入した「RPGのようなキャリア」が注目を集めています。
老舗スタジオObsidianはキャリアまで“RPG仕様”!?新たに導入された独特な制度

Obsidian Entertainmentは、現在はマイクロソフト傘下にあるアメリカの開発スタジオ。10月30日にリリースされたばかりの『The Outer Worlds 2』をはじめ、今年の2月にはファンタジーRPG『Avowed』をリリース、7月には小人サバイバルADV『Grounded 2』の早期アクセスを開始するなど、今年だけでも3タイトルをリリースしています。


今回The Game Businessが公開したポッドキャストでは、ObsidianのMarcus Morgan氏とJustin Britch氏へのインタビューが実施され、20年以上続くスタジオの開発手法やRPGのような独自のキャリア制度などについて語っています。
なかでも注目を集めているのは、Obsidian独自のキャリア制度。The Game BusinessはObsidianのクリエイターの定着率の高さに触れており、Justin氏は「ゲームをリリースするまでのプロセスから学ぶことはたくさんあるので、10年、20年と働きたいと思えるような場所であってほしい」とコメント。
あらゆるジャンルやチームで、さまざまな仕事に取り組むことで、同じスタジオでであっても新鮮さを保てるのが秘訣だと語っています。

Obsidian独自の取り組みとして、Marcus氏は「在職期間による記念報酬」を導入したことを明らかにしました。Obsidianでは入社時に「戦士」「盗賊」「魔法使い」と3つのクラスのうち一つを選ぶことができ、盾、斧、兜、マント……など、あらゆる節目でさまざまな報酬アイテムを受け取れます。
アイテム集めの最初は『D&D』のダイスから始まります。『D&D』はObsidianのルーツでもあるとMarcus氏は語っているほか、現時点では3つのクラスしかないものの、20年以上勤務を続ければ複数のクラスを選択できるとも付け加えています。


大型タイトルの開発で見えてきたObsidianの“アイデンティティ”

Obsidianは『Fallout』シリーズ作のひとつ『Fallout: New Vegas』を手掛けたことでも知られています。一方で、過去10年間では独自のIPを構築することにも注力してきました。Marcus氏は、「私達がゲームを発表するごとに、ネット上では誰もが、“次の『New Vegas』はいつ出るの?”と聞いてくることを知っています」とコメント。
『The Outer Worlds 2』や『Avowed』といった作品の大規模な開発プロセスのなかでは、他のスタジオのAAAタイトル作品の要素に従うべきなのかという、自問自答があったことも明かされています。
その過程で得た答えは、「自身のルーツに忠実であり続け、他人を追いかけるのではなく、自分たちのゲームを作り続ける」という、RPGを作り続けてきたObsidianの“アイデンティティ”を貫くことでした。「私たちは常に、あらゆるRPGからインスピレーションを得ていますが、同時に私達だけのRPGスタイルも持っています。」とMarcus氏は語っています。

さらに、ポッドキャストではリリースされたばかりの『The Outer Worlds 2』をはじめ、“100年存在し続けたい”スタジオの今後の展望などについても語られています。ポッドキャストはYouTubeで視聴可能です。







