
東京芸術大学は、大学院映像研究科修士課程の新たな専攻として2026年4月に「ゲーム・インタラクティブアート専攻」を開設します。先端技術や情報通信環境が高度化したデジタル社会における新しい芸術領域として、ゲーム分野に係る教育研究を開拓するものです。
同大学では、美術や音楽、映像、プログラミングなどのデジタル技術等様々な要素を統合的に組み合わせて構成されるゲームを、「現代における新しい総合芸術」として位置づけ、2019年に映像研究科メディア映像専攻・アニメーション専攻内にゲームコースを開設し、ゲームに係る教育研究を進めてきました。

今回開設したゲーム・インタラクティブアート専攻では、ゲームコースでの実績を発展させ、芸術分野のアプローチからゲームの多様性や可能性をさらに拡大させるべく教育研究を展開していく予定です。入学定員は20名(収容定員40名)、専任教員数は7名(教授4名、准教授1名、助教2名)とし、取得できる学位は修士(映像)です。
養成する人材像として、「ゲーム分野で主体的な創作・研究活動を行える人材」、「デジタル技術を駆使して新しい表現の開拓や社会的問題解決に取り組むイノベーティブな人材」、「他分野に関する専門性とゲームやインタラクティブメディアに関する専門性を併せ持ち、ユニークなコンテンツを生み出す人材」、「グローバルな視野で創作・研究を捉えられる人材」を掲げています。
カリキュラムの特色は、ゲームおよびインタラクティブアートにおける表現の実践的な探究を重視し、制作を通じた研究の深化を目指していることです。日常的な制作指導は少人数のゼミ形式で行い、分野を横断した協力関係を築く力を養います。
5つの研究領域「企画・ゲームデザイン領域/ゲームテクノロジー領域/映像表現領域/社会応用領域/文化・美学領域」を設定し、1年前期ではまず各研究領域のアプローチを知るための特別演習授業が組まれます。その後、学生はいずれかの研究領域に所属しますが、講評会やプレイテストを通じて他領域の教員から指導を受けることも可能です。
また、VRやイマーシブ環境などの表現技術や、空間AIやセンサー技術などの開発基盤技術、またゲームが辿ってきた文化的歴史や背景に関する授業を通じて、創作活動の基盤となる技術や知識を習得します。
就任予定の教員には、ナムコで『アイドルマスター』『湾岸ミッドナイトMAXIMUM TUNE』などを手がけた小山順一朗氏や、スクウェア・エニックスでAI研究に従事する三宅陽一郎氏などが名を連ねています。
入学者選抜の対象には、芸術系学部の出身者だけでなく、理工系学部や高等専門学校等のバックグラウンドを有する者も含まれ、創造的な活動の成果に加えて、修士課程での研究構想を総合的に評価して選抜を行います。
2026年度入学生に係る入学試験は2026年1~2月に実施する予定で、詳細は8月上旬に公開予定の募集要項で発表されます。なお、7月24日に専攻開設発表会「藝大がゲーム専攻を作る理由」、8月30日に入試説明会をそれぞれ開催する予定です。
就任予定の教員
・企画・ゲームデザイン領域担当 教授 小山順一朗氏

・ゲームテクノロジー領域担当 教授 三宅陽一郎氏

・社会応用領域担当 教授 桐山孝司 教授氏

・文化・美学領域担当 教授 八谷和彦氏

・映像表現領域担当 准教授 牧奈歩美氏

・助教 金井啓太氏

兼担・協力教員(予定)
・岡本美津子氏 (東京藝術大学 大学院映像研究科 アニメーション専攻 教授)
・亀川徹氏氏(東京藝術大学 音楽学部 音楽環境創造科 教授 兼 演奏芸術センター長)
専攻開設発表会概要
イベント名:専攻開設発表会「藝大がゲーム専攻を作る理由」
日時:7月24日(木)17:00~18:30
場所:渋谷404 Not Found - 404 PARK https://www.404shibuya.tokyo/floor/
東京都渋谷区桜丘町1-4 Shibuya Sakura Stage SHIBUYA SIDE 4F
登壇予定者:東京藝術大学長 日比野克彦氏
ゲーム・インタラクティブアート専攻就任予定教員
参加費:無料
参加方法:予約フォームより登録
入試説明会概要
日時:8月30日(土)13:00~14:30
対象:ゲーム・インタラクティブアート専攻入学希望者
場所:東京藝術大学 上野キャンパス 美術学部中央棟 第1講義室
登壇予定者:ゲーム・インタラクティブアート専攻就任予定教員
参加費:無料
参加方法:事前登録(8月4日受付開始予定。方法は追って藝大HPで案内)