
エバージェントは、同社が提供するAI活用解約予測ツールを日本の大手ゲーム会社が導入した結果、94%の解約予測精度を達成したと発表しました。
今回ツールを導入したゲーム会社は、獲得コストの増大とヘビーユーザーの離脱増加に直面しており、1タイトルあたり数十万人の高課金ユーザーの離脱可能性という課題を抱えていました。エバージェント独自のAIモデルは、わずか8週間で導入され、軽量なデータ統合のみで実装が完了しました。
200万人以上にのぼるユーザーのデータセットを分析し、ログイン頻度、プログレッション・メトリクス、トランザクション・アクティビティなどの行動シグナルを評価することで洞察の生成を開始。離脱の定義は「14日間連続してプレイしていないこと」と設定されました。
本モデルでは、各ユーザーに1から100までの解約スコアを割り当て、ユーザーを低リスク、中リスク、高リスクの3グループに分類。このアウトプットにより、ゲーム会社は戦略の優先順位付け、リテンションオファーのパーソナライズ、将来のキャンペーンのスケーリングを、定量化された解約リスクに基づいて行うことが可能になりました。
導入の結果、行動モデリングと限定的なユーザーデータを使用した94%の解約予測精度を達成したほか、リスクと価値によるセグメンテーションによりターゲットを絞ったリテンション戦略が実現。積極的なアウトリーチによるユーザーエンゲージメントと収益化の強化に結び付きました。8週間という短期間での展開と実用的な洞察、将来の解約検出とライフサイクル管理のための拡張可能な基盤の構築も、成果として挙げられます。
エバージェントは、これまでメディアやエンターテインメント、通信プロバイダー向けにAIを活用したマネタイズおよび加入者管理ソリューションを提供してきました。同社の創業者兼CEOのVijay Sajja氏は「今回の導入の成功は、当社の次世代AIツールが業界をリードしているだけでなく、業界を超越していることを証明しています」とコメントしています。
同氏は、「ゲーム分野で94%の解約予測精度を達成したことで、従来の分野にとどまらないビジネスが、力仕事を必要とせず、行動データを実用的で収益につながる洞察に変える当社の実証済みの能力から多大な恩恵を受けられることを示しました」と続けました。
次の段階として、拡大したデータセットによるモデルの再トレーニング、継続的な改善のためのキャンペーン・フィードバックの統合、リアルタイムの解約スコアを利用したパーソナライズされたリエンゲージメント・キャンペーンの展開、さらにマーケティング・オートメーション・プラットフォームとの接続が挙げられています。ユーザー離脱に課題を抱えるゲーム企業にとっては、対策として検討の価値があるツールの1つとなりそうです。