株式会社JR東日本企画、株式会社JR東海エージェンシー、株式会社JR西日本コミュニケーションズ、JR西日本イノベーションズの4社は、2025年2月1日から3月15日まで実施した「東名阪交通系ICカード・デジタルラリー」の結果を発表しました。
この施策は、交通系ICカードをタッチして鉄道車両をモチーフとした限定NFTを獲得できるデジタルラリーで、JR3社のエリアにまたがる9か所のスポットを巡る形式で実施されました。実施結果によると、参加人数は3,418人で、タッチ回数は累計3,954回でした。
987個のNFTが発行され、参加者の70%はNFTに初めて触れるきっかけとなったことがわかりました。「交通系ICカードのタッチ」という日常的な行為がNFT/Web3体験の入口として有効に機能したことが示されています。

今回のNFTは、スマートフォンゲーム『ソダテツ』上でアイテムとして使用することが可能です。ゲーム内で活用した参加者のうち79.5%が2か所以上のスポットを訪問し、15.4%が全スポットを制覇しており、積極的な回遊行動が確認されました。NFTを他サービスと連携させて「使える場」を提供することで参加者の行動意欲を高める効果があることが示されています。

一方で、Web3ウォレットの開設率は15.1%にとどまり、操作の複雑さや初めての技術に対する心理的ハードルが影響した可能性が示唆されています。

参加者へのアンケートでは、参加理由として「鉄道が好きだから」が62.2%と最多で、「スタンプラリー形式が楽しそうだったから」が36.2%と続きました。鉄道という身近なIPとラリー形式の組み合わせが、NFT未経験者の参加意欲を高める効果があったといえます。
全体の満足度は84.6%と高評価を獲得。改善点としては、キャンペーン期間の延長や対象エリアの拡大、アクセスしやすいスポットの増設などが挙げられました。

4社は今回の知見を活かし、引き続き共同での施策を継続的に展開するとともに、異業種との協業を通じた新たな価値創出を目指すとしています。Web3技術を活用した取り組みに関心のある企業・自治体からの問い合わせも歓迎するとのことです。
