
グッドスマイルカンパニーは5月13日、高品質維持と生産性の向上を目的とした、AIを用いたアニメフィギュアの検査システムの導入を発表しました。
急増する日本製フィギュア需要がもたらす課題
グッドスマイルカンパニーは、これまでにも『ウマ娘 プリティーダービー』の「アグネスタキオン」、『フォールアウト』の「ボルトボーイ」など、数々の人気キャラクターを同社のデフォルメ可動フィギュアブランド「ねんどろいど」シリーズで発売してきました。
そして2020年と比較して2022年、2023年の海外売上は約3倍と急拡大しています。

しかし、その販売数量を誇っていても、日本製フィギュアは非常に繊細な作業が多く、自動化が難しい工程も含まれるため、製造および検査は人による作業が依然として主流です。加えて“小ロットで多品種”ゆえ設備コストの課題もあり、「高品質」と「効率化」が相反する問題を抱えていました。
それを受け、グッドスマイルカンパニーの鳥取県倉吉市にある楽月工場にて、MENOU社の「検査AI MENOU」を導入。「ねんどろいど」の面相パーツ検査に導入しており、ヒューマンエラーによる見逃しを減らし、ロス削減を図っています。
検査員ごとにバラついていた検査基準の高レベルでの統一を目指し、現在の検査精度は99.2%にも達しているそうです。

ものづくり業界で働き手不足が深刻化する中、AIを用いた検査で、日本の緻密でハイクオリティなフィギュアの品質維持と生産性の向上を狙うこの取り組み。今後は、さまざまな種類の面相パーツでの活用も予定しているとのことです。