ヴィレヴァンが思うコラボ展開のキモ―年間200件以上の事例から見出した極意とは【アニメ・ゲームサミット 2022 Summer】 | GameBusiness.jp

ヴィレヴァンが思うコラボ展開のキモ―年間200件以上の事例から見出した極意とは【アニメ・ゲームサミット 2022 Summer】

「ヴィレヴァンが思うクリエイターコラボの極意 ~スタッフと創る意外なヒット~」のハイライトと登壇者へのインタビューをお届けします。

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ヴィレヴァンが思うコラボ展開のキモ―年間200件以上の事例から見出した極意とは【アニメ・ゲームサミット 2022 Summer】
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プロモーション戦略室 室長・立山龍廣氏(左)、課長兼個人クリエイター・長谷川朗氏(右)

DMM.comは、2022年8月31日から9月2日にかけて、オンライン展示会「アニメ・ゲームサミット 2022 Summer」を開催。事前の登録を済ませておけば講演の聴講はすべて無料で、イベントでは6つの基調講演が予定されています。

本稿では、その中から「ヴィレヴァンが思うクリエイターコラボの極意 ~スタッフと創る意外なヒット~」のハイライトと登壇者へのインタビューをお届けします。

基調講演には、ヴィレッジヴァンガードコーポレーションよりプロモーション戦略室 室長の立山龍廣氏と、同社同部署の課長兼、個人クリエイターとしても活躍する長谷川朗氏が登壇しました。

この講演では、まず丸一日かけて「サステナブルに対してのアンチテーゼのメタファー」や「ナゼナニSDGs全部お答えしますスペシャル」といった講義が入り、そして二日目には「プロ野球二軍キャンプ視察」が予定されています……なんてことはありません。改めてですが「ヴィレヴァンが思うクリエイターコラボの極意」という内容になっています。講演動画も30分ほどとなっていますので、ご安心ください。

◆一般常識を疑っていこう


アイスブレイクの軽いジョークから入ったこの講演、まず初めはヴィレッジヴァンガードの紹介から。「ヴィレッジヴァンガード」とは「遊べる本屋」をキーワードに全国約300店舗以上を展開する小売店。売れ筋のものにくわえ、サブカル感溢れるマニアックな商品を取り扱い、イベントやコラボ展開なども多数実施。店内イベントスペース等を活用し、何かをやりたい・表現したいクリエイターへの支援も積極的に行っています。通称は「ヴィレヴァン」。足を運んだことがある方も多いのではないでしょうか。

約30年の歴史を持つヴィレヴァンですが、長谷川氏は約10年間、下北沢店に勤務。下北沢という街柄故に、クリエイティブなお客様が多く、その人達へ常に新しいものを届けるという使命感を持っていたといいます。そして、その10年はヴィレヴァンにとっても転換期だったようで、お店だけで完結するところから、コラボやイベントで外に向けての発信が多くなるという変化がありました。

そんなヴィレヴァンのモットーは「一般常識を疑っていく」。他社との差別化を第一に考え、利益を度外視してでも、自分の置きたいものを置く。自分の好きなものを知ってもらいたい・広めたいという情熱的な姿勢が、クリエイターとのコラボ・支援に繋がっています。

◆自分より下の世代の話を聞こう


そしてここからが本編。「クリエイターコラボの極意」についてです。

まずは「コアターゲット」をしっかりと認識することが肝要、と立山氏。客層と同年代の頃は、自身が手掛けたものがなんでも当たる事もあったそうですが、やはり歳を重ねるにつれて感性はズレていきます。ヴィレヴァン自体も若年層の女性が年々増えてきており、そんな中で若者向けの商品開発を40代がやっても大体、売れないとのこと。

そこで大事になってくるのがコアターゲット―つまり今のヴィレヴァンで言えば、若年層の女性―と同世代のスタッフの意見をきちんと取り入れられているかということ。年間200件以上のコラボ展開を実施しているヴィレヴァンでは、お客様と足並みをそろえ「一方通行なコラボ」にならないように、自分より若い世代の話を聞くことで、チューニングが合っているようで、動画内でも「キッコーマン豆乳」とのコラボなどを事例に語られています。

そして、若者の意見を取り入れるだけではなく、自分自身もトレンドに「慣れていく」こともクリエイターコラボを実施する上では大切とのこと。感性が変わり、トレンドに追いつけなくなっても、ひたすら触れて慣れていく事はできるのではないかと、立山氏は語ります。今は共感の時代。お客様に合わせつつも、常に「好き」をしっかり商品に反映していくことが大事だといいます。このあたりは動画内でも、立山氏・長谷川氏両名の経験談が語られていますので、ぜひ動画の視聴を!


【ミニインタビュー】

――今回、アニメ・ゲーム業界のイベントで講演を行うことにした理由みたいなものはあるのでしょうか。

立山今は若い方がアニメ・ゲームコンテンツを趣味としていることも多く、弊社でも多くコラボを行っています。今回の講演も、何かのきっかけになればいいなと思いまして。

――最近本当に多いですよね。

立山多いですね。私自身もスマホのゲームやアニメに触れながら勉強しています。若いスタッフも多く、話についていけなくなったら仕事にならないので(笑)。弊社にはアイドルのファンも多く、それらも含めて今や自信を持って趣味と言える世の中になって来ましたね。そろそろ履歴書にも書けるかもしれません。

長谷川それが仕事につながることも多いですからね。書いていいと思いますよ。

――個人的なイメージですが、昔のヴィレヴァンはアングラな感じがして、若干入りにくかったような気がしていて。でも、今はすごくオープンな感じになったなと。

立山実はヴィレヴァンって、専門的なショップではないんですよ。ただ、カルチャーやサブカルの入り口として使っていただけるようなお店づくりにしています。

長谷川昔からそうですよね。

立山ですね。自分が知っているところに関しては浅いなと思うけど、知らないところだとマニアックに感じる。人によって感じ方が違うお店かなと。

――講演では「スタッフからの企画立案」もあるとのことでしたが、どの立場のスタッフから企画を挙げられるのでしょうか。

立山ベテランでもアルバイトでも、誰でもできます。

長谷川お店のスタッフであれば、店長に話して、そこから本部に伝わると言った流れですね。なので、店長はスタッフと雑談レベルでも話しながら、今これがキテるというのを感じるために常にアンテナを張っています。

立山アルバイトの方が自分で企画書を作って、(コラボ先の)お問合せフォームから送ったりもありますよね。そして意外とOKでたりも(笑)。そういう場合はきちんと本部でサポートに入ります。

元々、アルバイトの方にも予算を預けて仕入れをお願いするような、それこそ個人事業主みたいなやりかたを続けています。例え本部に頼らなくても、ある程度は自分で設計できるような環境はできていますね。

長谷川企画から販売まで自分の手でできるので、すごく愛着が湧くんですよね。だからこそ、熱の入った売り場が出来上がるし、その熱意がお客様に伝わる。上から降りてきたものをただ仕事としてやるのとは違うので、そこはヴィレヴァンの強みかなと思います。

立山声優さんとコラボしたときは、売り場づくりがすごすぎて、ファン一同からお礼の花が届いたこともありましたね(笑)。そしてそれが声優さんにも届いて、新しいグルーヴが生まれたり。

ものすごく大きな売上を取っていくよりかは、好きな人がある程度いるものに対して、しっかりファンの方が欲しい物・売り場を提供していくというのが、我々の存在価値かなと思いますね。

――好きなものを布教したい人にはいい職場かもしれませんね。

長谷川昔から今もそうですね。

立山自己表現の場でもありますね。

長谷川自分も『ストレンジャー・シングス』がまだ日本であまり知られていない頃に、どうしても広めたくて売り場を作ったりしていました。その頃はまだ売るものはなかったんですけど、関係の有りそうなものを集めて。でも熱意は伝わったのか写真を撮りに来てくださる方とかもいましたね。

そこから同作が日本で流行り始めてグッズとかが入ってくるようになると、以前のことを憶えてくださっているお客様がお店に期待感を持ってくれて、それが売上につながっていくということもありました。

――関わる人がみんな幸せになれるのは良いですよね。講演では若者の話を聞くことが大事とされていましたが、お互いどのような対応をするべきなのでしょうか。

立山まず下の世代の方たちは、「すごい売れてます!」など少し誇張してしまうことも多いのですが、そこはしっかり定量的に伝えることが大事だと思います。実際のデータを基に話してみると、世代の差は埋まりやすいのではないかと。

上の世代の人も下の世代からアイディアが生まれてくることをきっと待っているはずなんですけど、説明できないことが多かったりすると提案できずに終わってしまいます。そこはやはり日頃のコミュニケーションも必要になってきますので、お互い歩み寄って―おじさんは勉強するし、若者はきちんと事実を伝える―いくのが重要なのかなと思います。

――また、一方通行なコラボという話もありましたが、実際どのようなコラボが当てはまるのでしょうか。

立山コラボの当事者だけが繋がっていて、肝心のファンが置き去りになっていたり、知名度だけみて「有名と有名」みたいなものは弊社でもダメでしたね。そういうのは「誰のためのコラボ」なのかがわからないんですよね。コラボなのに、結果的には引き算になってしまう場合もあります。

――「有名だから売れるだろう」というのが透けて見えると、ファンとしても微妙な気分になりますね。それでは最後に一言、業界関係者向けのイベントということを踏まえてコメントを頂けますか。

立山「ヴィレッジヴァンガード」は全国に約300店舗以上、全都道府県にあります。日本のどこに住んでいても愛を運べると思いますので、ぜひ遊びに来てください。通販サイトでもコラボを展開していますので、そちらもぜひ。

かなりフットワーク軽く動ける会社ですので、ぜひお気軽にコラボの相談等もいただけると助かります。ネタには困っていますので(笑)。

また、何かを発信したい・自己表現したいという方を求めています。スキルは問いませんので、長谷川のように個人でクリエイターとして活動しているけど、発表の場がなくて困っているなどありましたら、ぜひヴィレヴァンで働いていただければなと思っています。服装・髪型も自由で入りやすい会社です!

長谷川最近は髪型自由なので、という方も増えてきましたね。また、自己表現したいけど地方だとやりづらい、という方もヴィレヴァンにはよく来てくれます。

立山ハロウィンとかだとコスプレもOKなので、コスプレ好きな方も良いかもしれません。アニメキャラの誕生日にみんなでその作品のコスプレをして働くみたいなのもあります。楽しい会社です。

《GameBusiness.jp》

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