学生たちがオリジナル作品で凌ぎを削る!東北最大級のアプリコンテスト「DA・TE・APPS!2019」レポート 2ページ目 | GameBusiness.jp

学生たちがオリジナル作品で凌ぎを削る!東北最大級のアプリコンテスト「DA・TE・APPS!2019」レポート

学生を対象とした東北最大級のアプリコンテスト「DA・TE・APPS!2019」が23日、宮城県仙台市にて開催されました。

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■ゲームコンテスト「GLS for Education部門」


こちらの部門では、ゲームの販売収益(広告収益含む)で最優秀賞を決定しました。仙台市内の専門学校から選抜された4チームが、地元企業の指導を受けながら半年間かけて開発したゲームと、フィンランド・オウル市から参加した2チームの開発ゲーム、合わせて6タイトルで競いあいました(2018年12月中のリリースを目標に、2019年2月18日時点までの売上で評価)。

それぞれが特別審査員を前に1分半のプレゼンテーションを行い、3分間の質疑応答の時間が設けられました。

1.『Nightmare Qube』/ヒューマンアカデミー仙台校


悪夢の世界に迷い込んだ少女を救うためにキューブを繋げ、高い所にある扉を目指す3Dパズルゲーム。少女が乗ったキューブをフリック操作で動かし、時にはキューブ同士を合体させたり、キューブを避けたりしながら高低差のあるゴールを目指していきます。ステージは全100あり、ゲームシステムに加え、ティム・バートン風のどこか不気味で可愛い世界観が推しポイントです。

大澤氏の「やってみると分かるけど面白い。グラフィックやキャラの動きを入れて化けたなと思った。どういった苦労がありました?」という質問に対して、「キャラクターをキューブの上に乗せて動かすということで、モーションをどちらの動きにも対応させなければいけない点で苦労した」と答えました。

2.『CuruCuruCrash』/デジタルアーツ仙台


画面角にあるスライドをスワイプすることによってサークルが回転し、ボールが壁にぶつかることで数がどんどん増えていきます。ボールの数が画面中央の赤い敵よりも多い状態でぶつかると倒せる仕組みです。「繋がる喜び、砕ける爽快感」を堪能して欲しいとアピールしました。


大橋氏に「回転させるのを直感的に直接触って行うのではなく、スライダーでやったのはなぜ?」と問われ、「最初はスライダーも無い状態で、それだと操作がわかりにくいと言う声が多かった」と言います。

根岸氏は「グラフィックの完成度」が足りていないことを指摘。これについては、最初頼んでいたデザイナーと途中から連絡が取れなくなったそうで、“業界あるある”を今のうちに経験したのは良いことだと審査員も苦笑しました。

3.『Brave Thief』/デジタルアーツ仙台


「盗賊」にスポットを当てたRPGで、主人公は街の人からアイテムを盗んで戦っていきます。


大橋氏は、「RPG作品の多くに盗賊が出てくるものの、主人公が盗賊であることが少ない」ことに理解を示しつつも、「遊んでいても主人公が基本的に悪いことをしていると感じる。自分が使うキャラには良い人であって欲しいのがプレイヤーの気持ちではないか」とコメント。ゲームでは没入感が大事であるゆえに、良心に呵責を感じる設定だと没入しにくいことを指摘しました。

4.『Monday』/仙台コミュニケーションアート専門学校、デジタルアーツ仙台、東北電子専門学校の合同チーム


「明日は月曜日だ。明日学校や会社に行きたくないな」という人のために、月曜日の化身を倒すためのタップ型アクションゲーム。従来のタップ型ゲームとの差別化のために、ストーリーに重きを置いたと言います。


しかし、澤田氏は「月曜日に行きたくないと言う気持ちと、このゲームを遊ぶことが直接結びつかない」と感じたそうです。「月曜日の化身を倒せばホント学校や会社を休めるなら(笑)」と冗談を交えて、遊んでもらうための工夫がもっと必要だと伝えました。

5.『Fungeon Crawl』/オウルゲームラボ


ここからはフィンランド・オウル市から中継で2チームとビデオ中継しながら、審査員との質疑応答のやりとりが行われました。


こちらは地下牢からの脱出を目指し、敵と戦いながら張り巡らされたトラップをかいくぐっていくダンジョンをRPGです。


松山氏は「ダンジョンRPGは古くは『ウィザードリィ』など確立されたと思います。ただ、これからプロフェッショナルとしてリリースしていくなら、このゲームを遊ぶ目的を作ったほうが良い。脱出するだけでなくその目的も必要」とコメント。さらに、キャラクターデザインに難があるとし、「デザイナーを立ててもう少しちゃんとデザインしたほうがいい」とアドバイスしました。

6.『Shred 'n' Slam』/オウルゲームラボ


スケボーに乗ったキャラを操作しながら、各ステージ上のコインを集めていく横スクロールRPG。さらなるバージョンアップを視野に入れており、エンタメ性を重視していることから今後はスケルトンアニメも入れたいとのことでした。


ナルヒ氏は、「どれくらいのペースで更新に着手していくのか?だいぶ出来は良いと思うが、もっとスムーズに動かせるようにすべき。このスノボーで動かすときの技はあるのか?」と質問しました。

これに対し、「技については今後も追加する予定で、現状の技も変更する可能性はある」と答え、さらにインターフェイス上の改善も視野に入れているとのことでした。

・「GLS for Education部門」最優秀賞は『Nightmare Qube』


左から小林達哉氏、岡悠太郎氏、山田響希氏

売上トップの決め手は、6チームの中で最初にリリースしたスタートダッシュと、配信後も定期的に更新したこと、値段も120円と安かったからだと特別審査員から評価され、受賞につながった本作。

チーム最年長の小林達哉氏は、同じチームの高校生プログラマーの岡悠太郎氏と山田響希氏2人に真っ先に感謝を述べました。チームとしてゲーム業界で働く上で高い目標を設置していることから、モチベーションはもちろん、妥協せずに追求できたと言います。

「初めてのゲーム開発で、一から企画を立て、絵を描き、プログラミングに挑戦しました。初めてのことがあまりに多すぎて毎日壁にぶつかりましたが、メンバーと協力して一つ一つ乗り越えることができた」(小林氏)。

岡氏は「優勝すると思っていました」と自信を覗かせましたが、そこも3Dパズルゲームにキューブを加えるアイデアで、他と被らないようなオリジナルゲームアプリを作れたからだと言います。

山田氏は「次は『日本ゲーム大賞U-18』があるので、そこで良い成績を出せるようにしたい」と早くも次のチャレンジを見据えていました。

また、当日急遽設けられた審査員特別賞には、特別審査員満場一致で『Fungeon Crawl』が選ばれました。評価された点は、スマホで遊ぶ際の操作性が良く、説明がなくても分かりやすいのですぐ遊べる、敵を連打して倒すというシステムがゲームの世界観とマッチしていたことです。『Fungeon Crawl』開発チームには賞金10万円が授与されました。

コンテスト終了後は、学生と特別審査委員たち大人の交流会が開催

同イベントは第1回から比べると、学生の技術や会場のしかけなど運営が年々レベルアップしています。今回、例年以上に審査員が辛口だったのも、それだけ一定の水準を超えた作品が出揃い、さらにプロの目線で要求できるようになったからでした。仙台からイノベーションを起こす日は近いかもしれません。
《乃木章@インサイド》

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