ゲームアプリが一番盛り上がるのは12月? | GameBusiness.jp

ゲームアプリが一番盛り上がるのは12月?

1年の中でも12月は最も忙しくイベントが目白押ですが、モバイルマーケターにとっても、様々なマーケティング施策が行われる大切な期間です。今回はそのゲーム業界に焦点を当て、1年間のアプリユーザーの行動とベンチマークがどのように変化したかを詳しく検証します。

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1年の中でも12月は最も忙しくイベントが目白押しの月ですが、モバイルマーケターにとっても、様々なマーケティング施策が行われる大切な期間です。

Adjustの自社調査によると、12月に最も実績が良い業界はゲームアプリであることがわかりました。今回はそのゲーム業界に焦点を当て、1年間のアプリユーザーの行動とベンチマークがどのように変化したかを詳しく検証します。

分析方法について


今回は、2017年の各ゲームアプリユーザーの継続率、セッション、イベントについて分析しました。アプリゲームにはアクションやボードゲーム、シミュレーション、スポーツなど様々なカテゴリーが存在しますが、この調査では、アプリゲーム全体の傾向を分析しました。まずはじめに、継続率を見てみましょう。

継続率は月ごとに変化している?


継続率とは、ユーザーがアプリをインストール後、一定の日数が通過しても継続してアプリを使用している割合を示します。ユーザーの興味がどれだけ維持できているかを分析することができる有益な指標です。特に生涯価値(LTV)をKPIにしてキャンペーンを実施している場合は、継続率を把握することがより重要ですが、大抵は1週間、もしくはさらに短い期間を指標として設定されているのが一般的です。

2017年のデータによると、ゲームアプリ業界のモバイルキャンペーンには3つの特徴がありました。1. インストール後1日目が、2番目にユーザー継続率が高い、2. インストール後7日目が、ユーザーの離脱率が他の業界と比較して最も高い、3. 月別に見ると、継続率は最大でも3%程度の違いしかなく、実質的にはどの月もほぼ同じ継続率を保持する、です。


こちらは、月別にみた継続率のグラフです。ゲームアプリにおいては、継続率のパフォーマンスに大きな変化は見られませんでした。若干良い月もありますが、数値が重なることはほぼありません。

上記に挙げたゲームアプリの特徴を説明するために、アプリパフォーマンスが高かったビジネスとエンターテイメント業界を、ゲームの継続率と比較してみました。


このグラフで3業界の継続率を比較すると、ビジネスとエンターテイメントと比較して、ゲームが急激に右下がりになっているのがわかります。どの継続率も日毎に減少しているのは確かですが、他の業界のように曲線が横ばいになっていません。継続率が減少する割合を数値で比較すると、以下のようになります。


ここで明らかなのは、インストール後1日目と2日目の継続率の減少がかなり大きいということです。4日目の減少は各業界でほぼ同一ですが、インストール後の1日目から2日目に渡ってユーザーの10%が離脱しています。2017年の他の月では、1日目と2日目で離脱率に7%の差があり、他の業界では離脱率が1%前後に比べて、ゲームは1日につき2%の離脱がありました。

さらに、インストール日とその翌日の数値を見ると、他の業界のアプリに比べて、より多くのユーザーが同じゲームアプリを使い続けていました。1月の数値を見ると、59%のユーザーがインストール後24時間以内にゲームアプリを離脱しています。一方、ビジネスアプリの場合は76%でした。

競争が激しいゲーム市場で、新規ユーザーの獲得が最も重要であることは周知の事実ですが、リターゲティング施策を行うことで、さらに高い成果が期待できると考えられます

毎日どのくらいの頻度でゲームがプレイされている?


セッション数は、いくつかのバイアスを考慮せずに分析することが非常に難しいデータです。

以下のグラフは、インストール後の日数と1日あたりのセッション数を月別に比較したものです。自社データによると、1日のゲームアプリのセッション数は、1ユーザーにつき平均2.5セッションでした。

セッション数の平均が約0.14と一番大きく開いているのは、11月と12月における1日あたりの平均セッション数です。また、インストールして7日後にはセッション数が減少しますが、2週間後にはまた増加していることが分かります。


これは恐らく、アプリに興味をなくしたユーザーは最初の1週間で離脱する場合が多いものの、反対に、ロイヤルユーザーが戻ってきて、全体的なセッション数を上げていることが考えられます。グラフで変化が大きい部分は、マーケターがエンゲージメント施策を行っている場合もあります。

12月は他の月と傾向が明らかに異なります。1日目のセッション数は最も低いですが、それから上昇し、インストール後30日目は2番目に高いセッション数を記録しています。この変化は、アプリ内イベントに関連している可能性があります。

ゲームアプリのエンゲージメント


12月は、1年のうちでイベント数が突出して多い月です。


ゲームアプリユーザーは、平均して1日あたり14.79件のイベント数を発生させていました。イベントのタイプには、レベル達成やアップグレードなどが含まれ、1年の最後の月はユーザーのエンゲージメントがより高いことがわかりました。12月のイベント数は他の月と比較し少なくとも2倍以上あり、よって、第4四半期が他期と比べてセッション数が最も高くなります。

この傾向にはいくつかの要因が考えられます。例えば、年末の予算調整を利用したマーケティング施策の増加の影響や、ユーザーが休暇中の退屈しのぎに携帯を多用したりすることなどです。12月はゲームアプリにとって特別な月であり、それを知るマーケターは、この月を最大限に活用しています。

Appleによると、クリスマスイブから元旦にかけて8億9千万ドル以上がApp Storeで消費され、12月におけるアクティビティの著しい増加が見られたと発表がありました。9月のiOS 11リリースに合わせてApp Storeのデザインが新しくなったことから、よりゲームアプリにアクセスしやすく、見つけやすくなったことと重なります。イベント数に対する影響がはっきりわかった事例と言えます。


2017年12月に関しては、iOSとAndroidを比較すると、iOSの方がよりイベント数による動きが大きい傾向がありました。しかしながら、Androidにおいても2017年12月のイベント数は他の月と比べて多く、11月では1日につき2件多いことがわかりました。

これらの理由から、マーケティング担当者は、モバイルアプリマーケティングにとって大切な年末に向けて、効果的な施策を図りたいものです。

さらに詳しいデータをご覧になりたい方は、Adjustのグローバルベンチマークレポート(英語)をダウンロードしてご確認ください。この報告書はモバイルアプリに関する膨大なデータポイントをカバーしており、地域、業界、OS別にアプリのパフォーマンスを把握することができます。合わせて、自社データと業界標準を比較し、今後のローンチに向けたマーケティング施策ができるAdjust グローバルベンチマーク2.0(2018年10月にアップグレード)をぜひご覧ください。

<筆者プロフィール>


佐々 直紀(さっさ なおき)/Adjust カントリーマネージャー



2000年4月からデジタルマーケティングに携わり、オンラインモールのキュリオシティ、Yahoo!ショッピング、ショッピングサーチビカム、リターゲティング・DMPのVizuryにてAE、AM、マーケティング業務を経験。
2016年1月からTUNEの日本法人の立ち上げメンバーとして本格的にアプリ計測分野に参入、2016年11月よりAdjustに参画。数々のスタートアップの立ち上げから軌道に乗せた経験を生かし、カントリーマネージャーとしてAdjustの日本オフィスを統括している。
《佐々 直紀》

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