世界から選ばれたインディーゲームスタジオがマレーシアに集結「GTR Conference」レポート(Day1) | GameBusiness.jp

世界から選ばれたインディーゲームスタジオがマレーシアに集結「GTR Conference」レポート(Day1)

去る10月27・28日、マレーシア・クアラルンプールにおいて、投資企業・Global Top Roundが主催する、インディーゲームスタジオへの投資イベント「GTR Conference 2018」が開催されました。

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去る10月27・28日、マレーシア・クアラルンプールでは、デジタルエンターテイメントへの投資を行う企業・Global Top Round(以下GTR社)が主催する、インディーゲームスタジオに対する投資イベント「GTR Conference 2018」が開催されました。この記事シリーズ(3回を予定)ではどのようなイベントか、どんなインディーゲームが出展されたかを紹介します。


今回の会場となったのはクアラルンプールのBangsar South地区。ビジネス地区として急速な発展を遂げています。


Verticalと呼ばれるビル群にあるKomuneというコワーキングスペースが会場となりました。


オープニングセッションには地元マレーシアの投資会社・MDEC社のHasnul Hadi Samsudin氏が登壇。MDEC社はエンターテイメントを含むデジタル関連企業の投資会社で、10月27~31日まで開催するゲーム開発者向けイベント「LEVEL UP KL」を主催しています。

参加開発スタジオによるマネタイズの赤裸々な部分まで見せるピッチが開催


「GTR Conference 2018」はスタートアップ発掘イベントであり、世界のインディーゲームを発掘し、そのスタジオに投資してそこから利益を得る、というGTR社のビジネスモデルのもとに運営されています。GTR社のプログラムは今年で4年目となり、過去には『Bridge Constructor』シリーズや『Dead Cells』を手掛けるドイツのHeadUp、『Earth Atlantis』を開発したタイのPixel Perfex、『Relic Hunter Legends』を開発しているブラジルのRogue Snailなどがこのカンファレンスで採択され、投資対象となっています。今年も世界から多数の応募があり、その中から20のスタジオが選出されています。なお、選出スタジオには2000USドルの渡航費用負担があります。

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初日は参加した各スタジオによるピッチが行われ、与えられた6分の間にゲームの内容やターゲットとするマーケットの選定、開発のマイルストーン、ビジネスモデルと売り上げの展望、といった投資をどのように回収するか、という具体的な話を盛り込んだプレゼンテーションが繰り広げられました。


どんなゲームか、というプレゼンテーションはこの種のイベントでは当たり前のように見てきましたが……




マネタイズや開発マイルストーンなどの赤裸々な部分まで見せるプレゼンテーションはなかなか見る機会がなくてとても新鮮でした。中にはソフトリリースされているタイトルのDAUまで見せる会社も……。





地元マレーシアのゲーム開発企業であるXhinobiによる『Super Girl Manager』のプレゼンテーション。着せ替え、レッスン、営業(リズムアクション)で構成された女性向けの育成ゲームになります。


NCSOFTの投資チームによる“失敗談”やブロックチェーンを使ったゲームプラットフォームの提案も


ピッチ以外にはGTR社に協賛する企業によるプレゼンテーションも行われました。


リネージュ』などでおなじみNCSOFTの投資部門担当・Sean Kim氏による投資に関するポストモーテムセッション。NCSOFTはゲームだけでなくドローンやコミックなどのメディアにも投資しています。


「失敗は成功の母」ということで主に失敗例が披露されました


リズムアクションゲームに投資をしたところ、機能の追加などで15か月かかった……というエピソードを始め、人員を増強するための投資を行ったが何の成果も得られなかった例などが紹介されました。


こちらは成功例。人員を増やさずアセット制作をアウトソーシングで対応、開発側はゲームのコンセプト出しに専念するというやり方を行っています。


結論として、(特にモバイルでは)少人数とスピードが命のため、投資の際にそこを大きく変えないことや、投資後のチームをしっかり見守ること、少なくとも半年先のビジョンを見据えることなどが提示されました。


続いては韓国SuperTree社のMark Lee氏による「PlayDapp」プラットフォームの提案。


インターネットの登場により、瞬時にデータの移動が可能になり、ブロックチェーンの登場で、価値を棄損させることなくデータの移動が可能になった現在……



データの一極集中とサービス停止によるデータの消失、そして偽請求の問題をどう解決するか……



というのが「PlayDapp」というブロックチェーンゲームプラットフォーム。すべてが分散型プラットフォームで提供されます。仮想通貨のマイナーも参加できるプラットフォームとなっています。


2018年中に多彩なタイトルが「PlayDapp」プラットフォームで提供されます。


最後にイギリスの投資会社・London Venture PartnersのCEO、Davit Gardner氏によるマーケットの現状と未来予測レポート。イギリスからのネット講演となり、部屋にいたワンちゃんが雰囲気を和ませて、会場の人気を集めました。



プラットフォーム別・ジャンル別の利益の伸び率。やはりモバイルが爆発的な伸びを示しています。ジャンルではモバイル・コンソール共通でRPG、モバイルではストラテジー/シミュレーション、コンソールではシューティングが大きな伸びを示しています。


Discordの登録ユーザー成長率が前年比でSteamを超えた、という話題にも触れており、ゲーム配信のプラットフォームとして今後Steamとの競争が起こりえる可能性も出てきました。また、『フォートナイト』によってEpic Gamesのランチャー使用者数もSteamユーザー数とほぼ同数になった、という話も出ています。


インフルエンサーマーケティングはTwitchがほぼ寡占状態となっています。


サブスクリプション・ストリーミングゲームサービスにも触れられており、現在サービスインしている「Xbox Game Pass」「PlayStation Now」の伸び率が公開されています。


今後のトレンドとして、仮想通貨、e-Sports、マルチプラットフォームプレイ、モバイルタイトルのリッチ化などが挙げられました。


初日の最後には「GTR Conference 2017」において採択された『Relic Hunter Legends』のRogue Snake(写真左)、『Spitkiss』のTriple Topping Games IVS(デンマーク・写真右)の代表者が登壇しました。

二日目はGTR社のビジネスモデル紹介とゲームのプレイ、そしてトップ10の採択が行われました。二日目のレポートは次回の記事で行います。

世界から選ばれたインディーゲームスタジオがマレーシアに集結!「GTR Conference」レポート(Day1)

《岩井省吾@Game*Spark》

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