できたて料理を即時にデータ化してゲーム内で飯テロ!? 『FFXV』の料理モデルはこうして作られた【CEDEC 2018】 | GameBusiness.jp

できたて料理を即時にデータ化してゲーム内で飯テロ!? 『FFXV』の料理モデルはこうして作られた【CEDEC 2018】

パシフィコ横浜で8月22~24日に開催されたエンターテインメントを対象にした開発者会議「CEDEC 2018」。ここでは「FINAL FANTASY XVにおける料理 “限界に挑んだグラフィック表現とその活用法”」をレポートします。本講演は立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。

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パシフィコ横浜で8月22~24日に開催されたエンターテインメントを対象にした開発者会議「CEDEC 2018」。ここでは「FINAL FANTASY XVにおける料理 “限界に挑んだグラフィック表現とその活用法” 」をレポートします。本講演は立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。


登壇者は『FFXV』の3Dキャラクターデザイナーで現在はスクエニの開発子会社・Luminous Productions所属の松尾祐樹氏です。



『FINAL FANTASY XV』では一日の終わりとしてキャンプシーンでイグニスが料理をふるまいます。その料理がドアップで写されることでプレイヤーの度肝を抜きました。そういう経緯から、大写しになっても耐えられる品質であることが求められました。


品質を上げるにはどうするか、という話の前に、料理のポリゴンモデルを一体一体0から作っていく、というのは現実的ではありません。FFXVの料理モデルは“フォトジオメトリ”という写真からモデルを作る手法を使っています。まずはスマホカメラで作成したデータでモデルを作成するというテストを経て、実際のモデル制作に取り掛かります。


スマホでのモデル作成はあくまでもテストケース。実際のモデルとして使うには難があるため、よりクオリティの高いモデル作成の手段が必要となりました。ちなみにスマホで同様の撮影方式で3Dモデルが作れるアプリがありますので興味のある方はググってみてください。


ハンドメイドの撮影ブースを紹介。撮影にはディティールを細かく撮影できるマクロレンズも必須になります。上には透明シートがついており、これを使うことで光量の調整もできることがポイントです。


FFXVの料理はなんと同作アートディレクターの一人が実際に料理し、盛り付けしたものを即時に撮影しています。この時点で絵作りに自信あり! だとか。もちろん料理は冷めてしまうとおいしくないし、色彩も悪くなるので出来立てをすぐに撮影することも大事です。まるでフリーズドライとか真空パックみたいな話ですね。

上手に撮れましたー!

料理モデルはなんと最大15万ポリゴン。アップに耐えられるようテクスチャも高解像度のものを使用しています。というのも、本作において料理が登場するのはキャンプシーンだけで、その前にリザルト表示、レベルアップデモなどで一度フィールド関連のデータを破棄しているため、空きメモリを料理に使うことができた、というわけです。もちろん、プログラマらとの根回しは必要になる、とのことですが。

ポリゴンのリダクションはZbrushの機能を使うだけで行います。


ディテールノーマルマップを追加し、スペキュラを強めに出すことでみずみずしさの強調が行われています。


特殊なアセットの例としてコロッケのパン粉表現などが追加。これは手の空いたグラフィッカーが研究がてらに制作に着手するしたとのことです。



柔らかさと透明感はシェーダなどで工夫しています。まずはそのクオリティが話題となった(笑)「おにぎり」。これはSSS(サブサーフェイス・スキャタリング)を使用しています。『FFXV』では人の皮膚感を再現するために赤い光のみ透過させるといった使い方がされていましたが、料理では赤に限らずどんな色の光でも透過させる仕様にしています。なお、現在ではSSSをどんな色の光でも透過させる仕様にすることは一般的になってきている、とのことです。

自己発光で透明感を出す手法も使われました。


ファズを利用してリッチな透明感を出すという手法です。ジャーの底の方にある野菜の張り付きの表現などがわかるでしょうか。


このファズ、イクラの透明感を出すために利用しています。



料理をおいしそうに見せるのはゲーム本編には関係しない部分ではないか、という意見もありますが、結果として多くのユーザーに興味を持ってもらえたことや、“カップヌードルコラボ”“スクエニカフェでの食事コラボ”なども実施できた、と語っています。


おいしいものは世界共通であるので、それを表現するためにはディティールに時間を割く必要があり、元になるモデルをフォトジオメトリで量産し、リダクションには時間をかけないという開発リソースの使い方もこのクオリティを保つために必要だったことを語って今回の講演は終了しました。

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《岩井省吾@インサイド》

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